監督:スティーブン・シャインバーグ 出演:マギー・ギレンホール ジェームズ・スペイダー ジェレミー・デイヴィス、他 オススメ度:☆☆☆+
【あらすじ】 リー・ホロウェイは自傷癖のある内向的な女の子。精神病院からようやく退院したリーは、社会復帰の一歩としてとある個人弁護士事務所の秘書の職を得た。リーのボス、ミスター・エドワード・グレイはタイプのミスに赤ペンで○を付けてツッコミを入れるような細かいタイプ。 ところがグレイのお仕置きに快感を覚えたリーは、進んでミスをしてグレイの「愛のムチ」を求め、そしていつしかグレイ本人もリーにお仕置きをする事が快感になっていたのだった。
【感想】 2002年サンダンス国際映画祭で話題独占して特別審査員賞を受賞。メアリー・ゲイツキル著のベストセラー短編小説「Bad Behavior(悪いこと)」を元に作られた、一風変わったラブ・ストーリー。
元々自傷癖がある女が、実は自分はマゾだったんだ!と気付き、更に相方の男も実は自分はサドだったんだ!と気付き、結局お互い相性ピッタリぢゃねーか♪という、「なんじゃ、そりゃ」恋愛映画(笑) 弁護士のミスター・エドワード・グレイの役を演じるのは、『セックスと嘘とビデオテープ』でこの系統のハマリ役はコイツしかいない!と映画界に名を知らしめたジェームズ・スペイダー。今回もサディスティックなお仕置きに快感を覚えつつも困惑する変態男(をい)を好演しています♪
「アメリカ女性に熱狂的に支持された!」というフレコミですが、ぴよは熱狂的にならなかったぞ(いきなりコレだ。笑) 大体からして「自傷癖」ってのが理解出来ないので。痛い事キライなんです。ふん。
元々何故リーに自傷癖があるのか、っていうのが映画中で説明されていないんだけど、理由なんてどーでもいいのかもしんない。たぶんリーがマゾであると自覚する為の展開として、「自分で自分の体を傷付けるよりも、他人からいたぶられた方が気持ちいい♪」という心理変化が欲しかったからだけなんだろうな、と。 もしかしたらマゾである事を自覚していなかった為に、自分で傷付けて快感を得ていた、という意味なのかも?
ネタが「サド・マゾ」というキワモノでありながら、内容は普遍的恋愛映画になってるのは面白い。 この映画ではお互いの性癖がたまたまピッタリ一致していた事で、お互いが必要不可欠な存在になって行くというアプローチだけど、本来この映画の言いたいのは、恋愛っていうのはお互いの魂が呼び合う「唯一無二の存在」を探し当てる事で成就するんだよ、という事なんだろうと思う。
個人的に好きなシーンは、リーが友達と話していて、友達が自分の上司からセクハラ発言を受けたと憤慨するトコロ。 「アナタのボスはどーなの?」と友達に聞かれたリーが、「私のボスは最高よ♪ボスはセクハラ問題に詳しいから云々・・」と答えるくだりには笑っちゃったわよ! セクハラ問題に詳しい(ハズの)弁護士が面接した時に聞いてきた事が「キミは妊娠しているか?妊娠する予定はあるか?結婚は?一人暮らしか?」って、セクハラ発言満載(笑) つーか、お尻叩いてお仕置きってさー・・・セクハラ以前の問題だろーがっ!!(^_^;)
リーがタイプミスした紙を額に入れて廊下に並べて飾ってあるシーン・・・ミスター・グレイが「このままじゃダメだ!」と、額を次々と壊していくんだけどネ、この2人にとって「赤ペン添削」は心の絆なのねぇ〜♪と、微笑ましく見れましたわ。 自分の事じゃないからネ。ぴよが同じ事やられたら、それこそボスの尻叩いて暴れるトコロだけどサ。(笑)
フツーの何処にでもあるよーな恋愛映画に食傷気味の方には、こういう映画は楽しめるかも!? でもぴよは・・・痛いのはダメよ。つーか、いくらカッコ良くてもこんなボスだったら仕事辞める。うん。(苦笑)
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