監督:ジェームズ・マンゴールド 出演:ジョン・キューザック レイ・リオッタ アマンダ・ピート、他 オススメ度:☆☆☆☆
【あらすじ】 翌日死刑執行予定の連続殺人犯の再審理が決まった。彼が犯行前に書いていた日記帳が見つかったのだ。 再審理の為に犯人は移送中―外は記録的な豪雨になっていた。とあるモーテルに暴雨の為に立ち往生して集まって来た人々―女優と付き人、3人親子、新婚夫婦、娼婦、そして囚人移送中の警官と連続殺人犯。これにモーテルの主人を加えた11人が一晩モーテルで夜を明かす事になったのだが、拘束してあったハズの連続殺人犯が逃走。次々とモーテルの人々が殺されて行く・・・更にこのモーテルに集まった人間には意外な共通点があったのだ。
【感想】 アメリカでは初登場1位を獲得したサイコ・ミステリー。ですが日本ではあまり宣伝されてませんわネ(^_^;) この映画、冒頭に「まだこの映画を見ていない人に、決して結末を話さないで下さい」という注釈までご丁寧に流れます。この手のやり方は「シックス・センス」や「サイン」等でも既に使用されているので、この注釈見た途端に「なんぢゃ・・・大どんでんを期待させたB級モノかいな」と、多少鼻白んだのですが。
「結末を話さないで下さい」と注釈垂れるだけあって、何書いてもネタバレしそうですわ。 この先は、この映画を未見の方はご覧にならない方がいいと思いますです。(最近本当にこういうの多いな。苦笑)
では、なるべくネタバレはしないように書いて行きましょうか・・・
少なくとも予告編を見た人なら、ある程度の推理材料は持っている。これは予告編で流れている情報だからここに書いても差し障りないだろう・・・連続殺人犯は解離性同一障害(多重人格)である事、モーテルに集まった人間が1人ずつ何者かによって殺されて行く事、そして登場人物全員の誕生日が同じ日である事。
これらの材料や状況は既存のミステリーで何度も使い古されたネタばかりで、特に目新しい設定は見当たらない。
大体からして「サイコ・ミステリー」なんて銘打ってる映画ってのは、ミステリー慣れしてる人なら登場人物が出揃った所で、まずいかにも怪しそうなキャラは度外視して、メインキャラの中から犯人を探そうとする。コイツが一番怪しいなぁ〜と値踏みしたら、後は自分が目星を付けたキャラが犯人である事の証拠を映画中から探そうと「確認作業」に入る事でしょう。 正にぴよがその口だ。(笑)
で、お約束通り犯人の証拠集めをしながら映画を見ていたぴよは、映画が展開されていく内に、どうしても目星を付けたキャラが犯人だと仮定すると辻褄が合わないシーンが出て来て困ってしまったのだ。 「あれ?今のシーンだけ見たらコイツが犯人じゃないと説明がつかないぞ?じゃああのシーンはブラフか?」
はい♪すっかりこの映画の思うツボにハマってるぢゃーないですか!(爆)
正直言って「名前で観客を呼べる役者」は使われていない。せいぜい「名脇役」と呼ばれる程度の役者陣でありながら、どの登場人物もきちんと己のキャラを打ち出していて、11人の登場人物の名前と設定が混乱する事はない。 展開にダレる部分もなく、一見辻褄が合わないようでいて、後のどんでん返しできちんと破綻する事なくネタが収束していく妙技。正に脚本勝ちなんでしょうなぁ〜!
こんなに面白い展開なのに(ま、どんでん返しまでは察しのいいヤツなら読めるかも?) この映画は余りにトリッキーに作り過ぎてしまったんだと思う。 確かに非常に練られた脚本だったと思うものの、ラストシーンを見終わった時にぴよが感じたのは 「この脚本家は明らかに自分の考えたトリックに酔ってるな」という事。 トリックに観客が踊らされる事を脚本家や監督に見透かされて、「ふふーん♪どーだ!スゴイだろー!」と自慢されたよーな気がして、ちょっとイラついちゃったってのは、ぴよの性格に問題があるからなのかい?(^_^;)
余りに出来すぎた脚本であるが故、観客は食傷気味になってしまう。 素晴らしい脚本をコケ下ろすよーで気が咎めるが、そう思ってしまったのは仕方ないのだ(苦笑)
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