監督:ゲイリー・ロス 出演:トビー・マグワイア ジェフ・ブリッジス クリス・クーパー、他 オススメ度:☆☆☆☆+
【あらすじ】 NYからサンフランシスコに移住し、自動車ディーラーとして莫大な財をなしたものの、一人息子の死によって失意のどん底に突き落とされた富豪チャールズ・ハワード。自動車産業の発展により職を失った名調教師トム・スミス、アメリカ大恐慌によって両親に捨てられ天涯孤独の身になった文学青年ジョッキーのジョニー・ポラード。 3人の傷ついた孤独な男達が偶然出逢った。そして小柄で足が曲がり、気性が荒い為に誰からも見捨てられていた1頭の孤独な馬「シービスケット」と彼らは出逢い、奇跡が生まれたのだ―
【感想】 ローラ・ヒレンブランド著、436万部を超える大ベストセラーノンフィクション「シービスケット・あるアメリカ競走馬の伝説」の待望の映画化。既に今年度のアカデミー賞最有力との呼び声の高い一作!
時代は1930年代のアメリカ・大恐慌時代。この時代に今も伝説と語られる名馬「シービスケット」が、絶望の淵で苦悩していたアメリカ人達に希望の灯を点したのだ―この映画は、実在する名馬・シービスケットと、この名馬に携わった3人の男達の運命のドラマ。映画中に出てくる人名は全て実名になっている。
映画は、競走馬とそれにまつわる男達の様子を見せているようで、実際はこの時代の希望をなくしたアメリカ人達が、シービスケットを通じて希望を見出し立ち上がって行ったという「時代」を表現している。 それは、シービスケットの馬主で富豪のハワード氏が、何度も「未来」というセリフを口にする所からも言えると思う。 演説中「ゴールはこのレースじゃない。ゴールは未来にある」と語るくだりがあるし、乾杯のセリフは「未来に乾杯」だった。更に彼はシービスケットを「未来への橋だ」と表現している。
また、シービスケットの生い立ちとその後の栄光が、この時代のアメリカに実によくシンクロしていた事も「伝説の名馬」と呼ばれる所以だろうと思う。
悲運のジョッキー「ポラード」を演じたトビー・マグワイア君(スパイダーマンでお馴染みベビーフェイスの彼♪) 騎手という役柄を演じる為に、なんと10kgも減量をしてこの役に体当たりしています! 顔なんて頬の肉が削げ落ちて、すんごい精悍な顔立ちになっちゃっててびっくり!「スパイダーマン」を演じてた時のずんぐりむっくりしたボクちゃんは何処に行っちゃったのー?てな感じですわ。
スパイダーマンの時には何とも思わなかったけど、トビー君の演技はとても良かった♪今後注目しちゃおーっと♪
映画自体が「時代」を表現したかったからだろうと思うけど、3人の男達がシービスケットと出会うまでの各々の生い立ちを見せるくだり(簡単に言っちゃうと映画前半)が、丁寧に描き込まれ過ぎてて少々ダレた。 見てて「いつお馬さんが登場して来るねんっ!」ってイライラしちゃったもん。(^_^;)
その代わり・・って言う訳でもないんだけど、シービスケットと3人が出遭ってからの展開はワクワクドキドキ♪あっちゅー間に引き込まれて行きますです♪ レースシーンなんて、「行けぇぇぇ!」って心の中で叫びながら、思わず腰が浮いちゃったもんね♪(笑) 競馬に全く興味がない人も、競馬のウンチクを全く知らない人でも、大興奮間違いなしの臨場感溢れる映像。
この手の「名作系」のお約束通り、何のヒネリもなくオチも磐石な王道映画。 しかし非常に丁寧に作り込まれた「実話の映画化」において、何のヒネリが必要だろうか? 役者の名演技と、映画に携わった人達の、この作品に対するこだわりと情熱と愛情があれば、後は何も必要ない。
映画への情熱と、「シービスケット」という名馬に対する愛情がスクリーンから溢れ出る。 ぴよはこの映画、かなり好評価。前半のダレるくだりがもうちょっとタイトだったら☆5つ決定だったね♪
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