監督:ニキ・カーロ 出演:ケイシャ・キャッスル=ヒューズ ラウィリ・パラテーン ヴィッキー・ホートン、他 オススメ度:☆☆☆☆
【あらすじ】 ニュージーランドの小さな浜辺の村。そこには遥か昔、新天地を求めてクジラに乗ってこの地にやって来たという、伝説の「勇者パイケア」を祖先に持つ部族・マオリ人が住んでいた。この村に伝説の勇者と同じ名を持つ少女パイケアが生まれたが、男でなければ族長になれないしきたりを重んじる祖父コロは、彼女を受け入れられない。村の後継者にと期待していたパイケアの父がこの地を去ってしまったので、コロは新たな後継者選びをする為に伝統を教える学校を作ったのだが・・・
【感想】 マオリ人作家ウィティ・イヒマエラの原作本を映画化。実際にニュージーランドにはこの映画の「勇者パイケア伝説」を今も語り継ぐマオリ人達がいて、その素晴らしい伝統・芸能・芸術の後継者が減って来ているという問題を抱えている。 こういう問題はマオリ人に限った話ではない。 日本でも田舎の過疎化、伝統芸術・芸能の後継者問題は度々口にされるよね。
ぴよは「いたいけな子供が頑張る」「美しい自然」「動物とのふれあい」「伝説」「芸術・芸能」というキーワードに弱い。 「愛と感動の!」なーんてコピーのハリウッド物ヒューマンドラマにはなかなか泣けないぴよも、上記のキーワードが絡んで来る「ご当地映画」にはかなり涙腺が弱くなるんすわ。(^_^;)
そんな「ぴよの涙腺刺激ワード」をムギュギュゥ〜ッ!っと詰め込んだ映画。泣くなっつーのがムリだっちゅーに!(笑)
伝説と伝統に固執する余り、人として最も大切な「家族の愛」を置き去りにしてしまうジイちゃん。イマドキの若者はどんどん村から出て行ってしまい、残ったのは年寄りとやる気のない若者と伝統を小バカにするガキしかいない。 伝統を守り、後継者を育てたいジイちゃんとイマドキの若者(ガキ)との温度差は、そのままそっくり今日本でも嘆かれる過疎化が激しい田舎の苦悩に当てはめて見る事が出来ると思う。
ジイちゃんにどんなに冷たくあしらわれても、それでもジイちゃんを愛し、伝統と勇者伝説を信じて愛する孫娘パイケアのひたむきな様子が実に愛らしい。パイケアを演じたケイシャ・キャッスル=ヒューズちゃん、この映画でスクリーンデビューだそうですが、実にウマイです。マオリ人女優というのがどれくらい映画界で需要があるのかぴよにはわかりませんが、このまま埋もれないで大きく育って欲しいですな♪
話はこの手の映画にありがちな「伝統芸術のご紹介」的ベタな展開ではありますが、変にヒネる必要はありません。 こーいう系が好きな人というのは、ただ見せてくれるだけで満足なんですから♪(をい) 簡単に言っちゃえば「ウルルン」と「世界不思議発見」をドラマティックに見せてるだけなんだけど、これらの番組にハマってる輩だったら絶対に見て損はない感動の映画。
パイちゃんが学芸会でスピーチするシーンでは滂沱の涙でしたわよ。ここら辺りからパイケアとクジラとのシンクロ、伝説の蘇り、そしてラストの出港式での歌と踊り・・・もう何見ても感動しまくってぴよの涙腺ダダ漏れ(笑)
ですが。 一緒に見に行った友達は、全くつまらなそうでした。(^_^;) 何かこの映画には「特殊なツボ」を持った人だけに訴えかける、謎の暗号が発信されているのでしょうか?(爆)
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