監督:トッド・ヘインズ 出演:ジュリアン・ムーア デニス・クエイド デニス・ヘイスパード、他 オススメ度:☆☆
【あらすじ】 1957年コネティカット州、キャシーは愛すべき夫と子供達に囲まれ、雑誌の取材を受ける程の理想的ブルジョア家庭の主婦だった。ところがある日夫の忌わしい秘密が露呈した事でキャシーの人生は一変する。彼女の苦悩する心を唯一慰めてくれる存在だった黒人庭師・レイモンドとのたった一度の逢瀬が誤解を招き、小さな町の格好のゴシップネタになってしまったのだった・・・
【感想】 オスカーにノミネートしまくり、更に世界中の映画賞をノミネート&受賞しまくりの名作系。主演はオスカー女優のジュリアン・ムーア、時代は今正に旬のファッション出まくりの年代と来りゃ〜・・見ない訳に行かないっしょ!
この映画のコピーからして名作系の匂いをプンプンさせてる。 『その美しさに、強さに、切なさに・・・溢れる涙を止められない。』 既に見た人から散々「ウルトラスーパーメロドラマ」と聞かされてたぴよも、このコピーにはしてやられたねっ!
どこで泣けばええのん?
・・・また吠えちゃったよ。(^_^;)
まー、確かにメロドラマだ。 木目細やかな時代考証とか色とりどりの落ち葉舞い散る美しい風景、ジュリアン・ムーア演じるキャシーが身にまとう可愛らしい衣装、ギリギリの線で関係を持たない美しい精神愛(つっても所詮は不倫だけどな)、どれもこれもかなり完成度の高い作りにはなってると思うんだけどネ、
根本的にぴよはこの手のネタが好きじゃないらしい(これ言ったらお終いか?苦笑)
メロドラマを気取りながら「差別ネタ」を軸に据えているのが名作の匂いを醸し出しているんだろーけど、ぴよはこの差別ネタの落としドコロが個人的に好みじゃないんだよな。 確かにこれがこの時代の実際の所だったんだろーけど、最後の最後まで救いのない差別ネタというのは、見ていて余りに辛いのだ。少なくともレイモンド親子がハッピーな予感を漂わせてくれないと、ぴよは悲しいのだ。
黒人差別に恋愛感の差別、人種間と男女間という2つの差別を見せる事で「差別」に対する偏狭な人間の心を浮き彫りにしようと試みたのかとも思えるけど、結局の所そのどちらにも答えはなく、逃げる事でしか解決を見出せないという・・希望も期待も何も持てないオチというのはどーなんだろうか?
大体からして、キャシーという女性はコピーの語るような強い女性だったのか? これは切ない話なのか?(レイモンド親子の行く末はかなり切ないけど) レイモンドとキャシーの関係は、ただ肉体関係がなかっただけで美しいと言ってるだけ?
メロドラマだ!と言い切るなら、ぴよには「真珠夫人」の方がよっぽど楽しめる。 差別問題を提起したい!と大見得切るなら、せめて答えになる方向性か、答えが出せないなら救いくらいは欲しい。
どっちつかずの話というのは、どーにも尻がむず痒くなって気分が良くないのだ。
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