監督:アンドリュー・ニコル 出演:アル・パチーノ レイチェル・ロバーツ キャサリン・キーナー、他 オススメ度:☆☆☆+
【あらすじ】 映画監督ヴィクター・タランスキーは過去2度オスカーにノミネートされたものの、今ではすっかり落ちぶれてヒット映画に恵まれない。再起をかけて作っていた映画も主演の人気女優がワガママ放題の末降板してしまい、遂に映画会社から解雇を言い渡されてしまった。そんな失意のどん底にいたヴィクターの元へ、ヴィクターのファンだという謎のコンピューターエンジニアが現れ、完璧なCG女優を作る画期的ソフトを開発したと告げたのだ― こうしてヴィクターはCG女優ソフト「シュミレーション1」を使い、完璧なボディ、完璧な美貌、完璧な演技、そして完璧なカリスマと魅力を持つパーフェクトな女優「シモーヌ」を誕生させ、自分の映画に出演させたのだが・・・
【感想】 「トゥルーマン・ショー」のスタッフが送り出す最新作は、ハリウッドを震撼させる現実に起こり得るお話!? この映画、「本物のCG女優のデビュー作」として全米公開され、ハリウッドで騒然となったそーです。その秘密主義は徹底していて、映画のエンドロールにもシモーヌを演じた女優の名前をクレジットせず、プレミア試写会ではおそろいのTシャツを着た「シモーヌ・ファンクラブ員(のフリをした人達)」を並ばせ、「バーチャル女優、NO!」のプラカードを引っさげた俳優協会員のデモ行進までさせたんだそーだ。(笑)
確かに、もしこの映画のようなパーフェクトな女優がCGで作り出されてしまったら、もう世の中に俳優なんて必要がなくなってしまう。映画中でも主人公のタランスキー監督は、「無理難題にわがまま言いたい放題で、法外なギャラを要求し、監督の言う事を全く聞かないハリウッド俳優なんて必要ない!」というセリフを吐く。 今加熱するハリウッドセレブ達の傲慢ぶりを痛烈に皮肉る、実に現実味のある話だと思うなぁ〜(笑)
実際、今のCG技術の進歩の目ざましさは今更書くまでもないと思う。既に主演俳優クラスではないにしろ、完全CGのキャラクターは映画の中に多く使われているし(スターウォーズのヨーダ、そしてロード・オブ・ザ・リングでも完全CGと言わないまでもほぼCGのキャラクターは存在する)、俳優のアクション等には実際に彼らの体の動きにCGをプラスして、さも本人達がそのように動いているかのような錯覚を起こさせている。 もしかしたら、今の技術で実際に「シモーヌ」を作り出す事は既に可能なんじゃないだろうか???
アル・パチーノの枯れた演技は相変わらず秀逸。彼はシリアスな映画のイメージが強いけれど、この映画の主人公「ヴィクター・タランスキー」というキャラクターを実に活き活きと、実にコミカルに演じていたと思う。 コミカルに演じる、と言うよりも・・・アル・パチーノの持ち味である渋みをそのまま生かして、その演技がコミカルに見える、またはコミカルに見せる事に成功していると思う。これは脚本や演出がうまかったのかなぁ?
話自体は非常に興味深いし、面白いと思ったんだけど・・・ぴよにはどーにも「ぴん」と来なかったんだよな。(^_^;)
「シモーヌ」を演じたのは、ラルフ・ローレンやGAPのミューズを務めるカナダ出身のスーパーモデル「レイチェル・ロバーツ」。彼女はこの映画で初めて俳優界に進出したそーですが。 シモーヌというキャラクターは「オードリー・ヘプバーンの微笑み、ジョディ・フォスターの演技力、キャメロン・ディアスのプロポーション、そしてジュリア・ロバーツのスターオーラを持つ」というフレコミなんですけど・・・ レイチェル・ロバーツという女優さんに、そこまでの演技力も魅力もカリスマも感じなかったんだよな。(爆) 確かにすっごいキレイな人だなぁ〜と思ったけど、映画中の人々が心酔する程の魅力を、この映画を見ている観客(ぴよ)も同じように感じられなければ、シモーヌのキャラクターとしては失敗しているとしか言えないんじゃないだろうか?
じゃあ誰がシモーヌの役を演じればぴよは納得出来たんだろう?って考えてたんだけど、ヘプバーンの微笑みにジョディの演技、キャメロンのボディにジュリアのカリスマなんて・・・そんな女優が実際にいたらとっくに世界一の女優になってるに決まってるもんね(苦笑)
本当に完全CGで女優が作れたら、そしてそのCG女優がこの「シモーヌ」を演じてくれたとしたら・・・ この映画はパーフェクトな作品になったんじゃないかと思うんだけど。(爆)
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そうそう・・・ 一つ書き忘れてた事があったワ(笑) (ここから先はちょっぴりネタバレ?)
【映画のエンドロールが流れても席を立たないよーにネ♪】
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