監督:ジョン・マクティアナン 出演:ジョン・トラボルタ コニー・ニールセン サミュエル・L・ジャクソン、他 オススメ度:☆☆☆☆−
【あらすじ】 パナマの米軍クレイトン基地から訓練に出たレンジャー隊7名が嵐の森で行方を絶った。17時間後2名の兵士を救出するも、発見時兵士は他の仲間と銃撃戦をしていて、相手を銃殺していたのだ。一体森の中で何があったのか?そして他の隊員はどこにいってしまったのか? オズボーン大尉が詰問するものの、救出された兵士は頑として口を割らない。業を煮やしたオズボーンの上官スタイルズ大佐は、元レンジャー隊員で現在は麻薬取締捜査官をしている「尋問のプロ」と呼ばれるひとりの男を呼び寄せたのだ・・・
【感想】 ジョン・トラボルタの主演最新作は、レンジャー隊員達の証言により二転三転するサスペンス・ストーリー。 彼はこの映画の為に3ヶ月間のハードなトレーニングをして肉体改造を図り、11Kgの減量に成功したそーです!確かに前作のあのぶよぶよしてたるんだ頬の肉がすっかり削げ落ちて、随分精悍な顔立ちになったと思う!・・ものの、まだまだ「引き締まった肉体美」とは言い難いシロモノなんじゃないかと思うんだけどネ(笑)
一つに事件について、異なった証言が次々出て来て話が二転三転する・・というのは、黒澤明監督の「羅生門」を意識して作られているんだそーですが、ぴよは羅生門を見てないので、どれくらいそれが衝撃的かつ斬新な趣向だったのかわかんないんだよね。(^_^;) この映画も要するに「羅生門スタイル」なんですが、異なる2つの証言によってひとまず一つの答えが導き出されてから、その答えをまるっきり根底から覆すよーなとある事実が提示される。
このどんでん返しには「うわぁ!してやられたー!」と思ったんだけど、問題はここからだ。
この「根底から覆されるよーな事実」によって、救出された2人の兵士に再度証言を聞く事になる。するとやっぱり2人の証言はまるっきり食い違っている。更にそこに第三者の証言まで加わって来た所で、ぴよは完全に混乱した。(^_^;) 『あれ?こいつとコイツがグルで、コイツは無関係?じゃあこいつのさっきの証言のここの部分は?』
・・・むむむむむ。誰か紙とペンを持って来てくだしゃい!!(涙)
最初の大仕掛けネタの後が、証言が増える度に先程まで信じられていた「事実」がガラガラと音を立てて全く違う展開に変わって行く。これが1度や2度ぢゃなく、ラストのラストまでずーっと延々続くんですよ・・・ ラストの大どんでんオチが出た時、本来なら「おぉぉぉ!なるほどぉー!」と感嘆の声を上げるのがお約束のハズなんでしょうけど、正直言ってぴよは疲労困憊して「はぁ・・ってー事は、えーっと要するに誰が犯人だったんだっけ?」と、ぶつぶつ口の中でつぶやいておりました(爆)
結構面白いし、全然飽きさせないよーにうまく作ってあると思ったんだけどサ、 話が大きく動くきっかけが、割と最初の頃に出て来る小さなセリフの一つだったり、ホントに「ポロッ」と何気なくつぶやいた一言だったり、本当に映画冒頭から一瞬も気が抜けない状態なんですわよ。
これって、小説だったらものすごーく緻密で面白いと思うんだ。小説なら読者はちょっとひっかかる部分が出て来た時に、本の頁を繰っていつでも前に戻って確認する事が出来ますから。 でも映画は自分の好きな時に前に戻る事は出来ない。見始めたらラストまで一気に行くしかない(劇場で見ている限り) そういう意味では、この映画は余りに緻密に作り込み過ぎているんじゃないだろうか?
少なくともぴよのよーなアホには、ちと難し過ぎましたわ。この映画。 ビデオ発売されたらレンタルして、紙とペン片手に何度も巻き戻して見なくちゃなーっと。(笑)
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