監督:松岡錠司 出演:妻夫木聡 伊藤 歩 新井浩文、他 オススメ度:☆☆☆
【あらすじ】 ある日一匹の迷い犬が学校にやって来た。「クロ」と名付けられたその犬はその後学校に住み着き、昼は生徒達と授業を受け、職員会議に出席し、そして夜は守衛さんの夜警に付き添って、12年という長い年月を学校とそこに集まる人達と共に過ごしたのだ。
【感想】 昭和36年〜昭和47年まで長野県の松本深志高校に実在した「クロ」の物語を映画化。当時クロの存在は地方のマスコミで取り上げられ、それが話題を呼んで雑誌や全国区のメディアで紹介されるや大反響を呼び、話題をさらったそうです。
撮影は実際の松本深志高校を借りているそうですが、この高校が築70年の実に美しいゴチック様式の建物で、文化財にも指定されているそーな・・・映画中に学校内部の映像が沢山出て来ますが、本当に古き良き素晴らしい建築物ですわ!こんなステキな高校で勉強したらさぞかし審美眼が養われる事でしょう♪
さて問題の映画の内容ですが、 タイトルにもなっている「クロ」の生涯・・・だけを見せても、犬の人生(犬生か?)なんて、飯食って遊んで昼寝しての繰り返しでしかないから(苦笑)、何とかしてこれを「人間ドラマ」に仕立て上げなければいけない訳ですわ。 クロにしてみれば「居心地がいいから住み着いてるだけだよーん」って事だったんだろーけど、要はクロと接した人間達がクロからどんな影響を受けたのか・・というのをいかにドラマティックに見せるか、っつー事でしてね。えぇ。(^_^;)
これがねぇ・・・ 人間ドラマの部分がクローズアップされると、どうもダレるんですわ。(笑) いや、そのドラマ部分が必ずクロと何がしかの接触を持たせているんだけど(つーか、そうしないと映画にならないし!)クロが絡んで来るまでが見てて「タルいなぁ〜・・はよクロちゃん出て来てやー!」って気分になっちゃうってのはどーよ? ま、簡単に言っちゃうと・・・若手俳優の演技がぬるいし、ここら辺の演出もマズイって事なんだろーけど(爆)
ぴよが見てて好感持てたのは、「塩見三省」が演じた教頭先生とクロの絡みや「井川比佐志」が演じた用務員のおじさんとクロの絡み。要するにベテラン俳優が若手のダメな演技をカバーして回ってたって事なのよネ。 でもこの映画の核になるエピソードは若手俳優達との絡みなのでぇ・・・印象としてはどうしても「ぬるい」
そんな中、クロを演じたワンコちゃん達!(4,5匹使われているそーですが違和感なかったっすよ) ヤツら、非常に芸達者揃いですわ。妙な人間ドラマは全部取っ払っちゃって、クロだけ出してても良かったかも!(笑)
人間というのは、動物や子供と絡む話というのは涙腺を刺激されるモノだ。それが事実だとなったら尚更。 この「観客の涙腺を如何にして刺激するか」というのを考えた時、映画製作者は「恋愛物語」を核に据えてしまった。 これは正直言って大失敗しているんじゃないだろうか?
クロの存在とそこに集った人達の心の成長を表現するのに、「恋愛」というカードは余りに陳腐だと思う。 ぴよはもう少し素朴で骨太なヒューマンドラマが展開されるモノだとばっかり思ってたから・・・
妻夫木君ファンを喜ばす為に恋愛絡みにしちゃったん?(^_^;)
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