ぴよの映画めった斬りコーナー
ぴよが見た新作映画・ビデオ・DVDを個人的趣味でぶった斬るコーナー
ぴよと意見が合わないからっていじめないでぇ〜ん!(^_^;)
【ネタバレも含んでますので注意してねん♪】

2003年08月16日(土) トーク・トゥ・ハー

監督:ペドロ・アルモドバル
出演:レオノール・ワトリング
    ハビエル・カマラ
    ダリオ・グランディネッティ、他
オススメ度:☆☆☆☆+


【あらすじ】
事故で昏睡状態になってしまった「アリシア」を、4年間も献身的愛で日々彼女に語りかけ、世話をする看護士の「ベニグノ」。一方女闘牛士「リディア」が、やはり競技中の事故で昏睡状態になり、入院していた。彼女の恋人「マルコ」は、そんな彼女の傍らで彼女に触れる事すら出来ず、ただただ呆然と泣く事しか出来なかった。
いつしか同じ境遇の女を愛する男ベニグノとマルコの間に、固い友情が生まれて行った。ところがベニグノの余りに一途な愛が、誰も予想だにしない悲劇と奇跡を生み、それぞれの運命を大きく変えて行ったのだ・・


【感想】
第75回アカデミー賞脚本賞を受賞作。
ぴよは予告編見た時から「これはぴよ好みの映画の予感〜♪」って楽しみにしてたのよネ。

この映画には2組のカップルが出て来る。共に女達は事故で植物状態になっていて、男達の愛を一方的に受ける事は出来ても、それに対して何も応える事はない。男達の姿は、見返りを求めない本当に純粋な愛の形になっているのだ。

ベニグノの取った行動は、はっきり言えば「ただのストーカー」でしかないし、精神的に病んでいるとしか言いようがないけど、彼が昏睡したアリシアの体を拭き、髪を整え、本を読み聞かせ、日々語りかける姿の余りに純粋で献身的な様子に、ぴよは彼のしでかした事を、単なる犯罪と割り切って見る事は出来なかった。

そして映画を見ながらずっと「子宮回帰願望」という言葉を思い出していた。
男というのは、すべからく女性の子宮に内包されたい?女性の子宮は宇宙のような絶対的な存在なのだろうか?ぴよは女性だからそこの心理はわからないけど、この映画のベニグノの盲目的な愛の形には、女性に対する、女性の子宮に対する賛美と礼賛が込められているように思えたわ・・・

映画中に出て来る音楽、そしてダンスも非常に素晴らしい。それらもやっぱり「女性に対する一方通行で献身的愛」を表現していて、彼らの愛の姿を代弁してくれていると思う。

収監されたベニグノに対してマルコが賢明にサポートしようとする様子は、まるで自分の貫けなかった愛の代償として、ベニグノの盲目的愛を支えようとしているかのようにも見えるし、またマルコの存在や視界というのは、観客達のそれとシンクロしているようにも思えた。
こんなに一方的な愛が貫けるハズがない・・・ここまでして貫きたい愛を、自分が叶わなかった分まで叶えてあげたい・・ぴよはずっとマルコと同じ視線でベニグノを見ていたような気がする。


ベニグノの最後に取った行動は、決して「絶望」からではないとぴよは信じたい。
彼はどこまでもアリシアと共にありたかっただけなんだ、
彼は全身全霊で彼女を愛し、そしてその愛を貫きたかっただけなんだ・・

そうでなければ、「無償の愛」も「永遠の愛」も絶望しか生み出さないという事になってしまう。
・・・ベニグノは本当に幸せだったんだと信じたい。

ぴよはまだ、「永遠の愛」を信じていたいのだ。






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