2003年06月09日(月) |
ギャングスター・ナンバー1 |
監督:ポール・マクギガン 出演:ポール・ベタニー マルコム・マクダウェル デヴィッド・シューリス、他 オススメ度:☆☆☆
【あらすじ】 ロンドン裏社会の老練なボス「ギャンスター」は、ある知らせを聞いて動揺する。それは30年間投獄されていたかつてのボス「フレディ」が出所するというのだ・・・ギャングスターは過去に思いを馳せる。 1968年当時、ギャング達が凌ぎを削る裏社会で、フレディは王座に君臨する絶対君主だった。若き日のギャングスターはフレディに憧れ、懸命に悪事をこなしてフレディの右腕にまで登りつめたのだが、「カレン」という女が現れた事でその関係は形を変えて行くのだった・・・
【感想】 「ギャング映画」ってほとんど見た事ないや。「ゴッド・ファーザー」とか「アンタッチャブル」くらいかなぁ。って、これらはギャングじゃなくてマフィアって言うのか?つーか、ギャングとマフィアの違いってナニよ?(^_^;)
主人公の「ギャングスター」、本当は何て名前なんでしょ?役名がありませんです。主人公なのにきちんとした役名がないってのはちょっと変わってるなぁと思ったけど。
この若き日のギャングスター君、ボスのフレディに猛烈に憧れてて、憧れて憧れて、憧れ過ぎて自分がフレディになりたい!くらいに傾倒しちゃう。彼のフレディを見る目、フレディの持ち物、着る物、身につける装飾品を見つめる目・・・まるで「擬似恋愛」みたいです。
でもこーいう気持ちって、何だか理解出来るよ。うん。 ぴよも中学生くらいの時、すっごく憧れてた女の子(※ぴよはレズビアンの趣味はありません。苦笑)が使ってるのと同じシャープペンとか、こっそり買って来て使ったりした事あったしぃ〜!人ってすっごく強く憧れると、その人自身に成り代わりたいって思ったりする事あるよね。(え?ない?そんなのぴよだけ?)
それにしても、カレンが登場してからのギャングスター君の狂気ぶりは、実に程陰湿でヘドが出ます(笑) とにかく卑怯だわ陰険だわキ○ガイじみてて、見てるこっちがムカっ腹立ってしょうがないんだけど、実はとっても彼は孤独な人なんだなーと思ったよ。
フレディの後を継いで(つーか、フレディを陥れて乗っ取ったんだけどな)彼の時代を凌ぐ手下の数、彼の何倍もの収入、彼の何倍もの享楽を手に入れたハズのギャングスター君だけど、結局歳を取った彼は独りぼっちで実は誰にも相手にされてないんだよね。 彼が散々バカにしてたユダヤ人のエディに「俺かフレディのどちらかを殺せと言われたらどちらを殺す?」と聞いた時、エディがビクビクしながらも「YOU!」ときっぱり言い切ったシーンは印象的だった。
虚勢を張っても、散々悪態ついても、それでも超えられない「フレディ」という大きな壁。 「可愛さ余って憎さ百倍」、はたまた「因果応報」、映画を見ながら色んな言葉が浮かんで来たけど、ただただギャングスター君の悲しく空しい雄叫びがいつまでも耳に残る、何とも切ない話だったなぁ・・・
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