2003年04月22日(火) |
ボウリング・フォー・コロンバイン |
監督:マイケル・ムーア 出演:マイケル・ムーア マリリン・マンソン チャールトン・ヘストン、他 オススメ度:☆☆☆☆
【あらすじ】 1999年4月20日、コロラド州リトルトンのコロンバイン高校の生徒2人が学校に乗り込み銃を乱射。12名の生徒と1名の教師を殺害し、犯人も自殺をするという凄惨な事件が起こった。マスコミはこの衝撃的事件を分析しようと喧しいが、どれもこれも納得いく答えはない。 銃による死亡者ダントツ世界NO.1の国、アメリカ。何故アメリカだけがこんなに銃犯罪が多いのか!?マイケル・ムーアはアポなし突撃取材を敢行しながら問題の核心に迫って行く・・・
【感想】 今年度オスカー長編ドキュメンタリー部門受賞で話題の映画。授賞式でムーア監督が「ブッシュ、恥を知れ」と吠えて、会場は怒号とやんやの喝采で騒然となったシーンはみんなもTVで1度は目にしてると思う。 急がないと公開終了しちゃうよぉ〜ん!ってな訳で、ようやく見に行って来ましたわ。(^_^;)
たぶんドキュメンタリー映画見るのって初めて。 ドキュメンタリーってどんな感じなんだろー?ってちょっと心配だったんだけど、すっごく面白かった!・・つーか、考えさせられた。いや、考えさせられるというよりも、アメリカの銃社会がこれ程進んでいる(荒んでいる?)とは知らなくて、ただただ口をあんぐり開けて「ほへぇ〜!」って放心しちゃったって言った方が適切なのか。
スーパーで銃や弾丸が誰でも簡単に買える(知らなかった!) 銀行で口座を作ると好きな銃がもらえる(マジですかいっ!) 子供の手の届く所に銃が置いてある(これってどーよ!?)
・・等々、日本ではにわかに信じ難いアメリカの状況を、ムーア監督のナレーションをバックに淡々と説明されているんだけど、似たよーな環境でしかも失業率はアメリカよりも高い、お隣の国・カナダでは銃犯罪は非常に少ない。アメリカとカナダの比較は非常に興味深いし面白い着眼点だったと思う。
アメリカの銃社会の生い立ちをアニメーションにして見せてくれるんだけど、これがすっごくシニカルで面白かった。 先住民を殺し、黒人を奴隷にし、黒人を解放したら今度はKKK団やライフル協会が彼らを迫害し・・・人種差別についてもかなり突っ込んだ描写がなされていて、これはご当地アメリカでもきっと物議をかもし出した事だろーなぁ・・と思ったよ。
結局何故アメリカの銃犯罪は減らないのか、これ程陰惨な状況なのか・・その答えは見つからない。もし見つかっていたら、今でも毎日TVで銃犯罪のニュースが読み上げられる事はないだろう。 出口のない迷路を彷徨うムーア監督は、結局全米ライフル協会会長の俳優チャールトン・ヘストンの自宅へ押しかけ、彼の自宅前に銃で幼い命を散らして行った少女の写真を置いて帰る事しか出来ない・・・
問題提起はあっても答えが出ないというのはドキュメンタリーだから仕方ない事なんだろーけど、それにしても何か納得のいかない、すっきりしないラストだったような気がしたな(だからこそドキュメンタリーなんだと判っていても、ね。苦笑)
この映画見ると、チャールトン・ヘストンの映画は2度と見たくなくなる。(笑)
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