監督:トム・ティクヴァ 出演:ケイト・ブランシェット ジョヴァンニ・リビージ レモ・ジローネ、他 オススメ度:☆☆☆☆−
【あらすじ】 イタリア・トレノの街で英語教師をする「フィリッパ」は、麻薬の犠牲になって命を落とした夫や自分の生徒の仇を討つ為に、トレノを牛耳る影の麻薬商人を暗殺しようとするものの、誤って罪のない人間を4人も犠牲にしてしまった。逮捕されてからようやくその事実を知ったフィリッパは、ショックで失神してしまう。 彼女の凛とした正義を貫く生き方に運命を感じ、恋に落ちてしまった一人の若き憲兵「フィリッポ」は、何とかして彼女を助けたいと思うようになったのだが・・・
【感想】 アメリカ=ドイツ=イギリス=フランスの共同制作映画だってさ。なのに舞台はイタリア・トレノ。どーしてイタリアは製作に関わってないんでしょ?・・って、映画製作(金の出ドコロ)と舞台は関係ないっすか。(笑)
このトレノの街の風景が天空から下界を見下ろすような感じで何度もスクリーンに映し出されるんだけどね、これがまたすんごいキレイなんだなぁ♪撮り方がいいんだなぁ・・すっごく雰囲気のある映像なんだよ。 この「天空から下界を見下ろすような感じ」っていうのは、タイトルの「ヘヴン」を意識させる感じ。ステキ♪
さてこの映画、宣伝や広告では「恋愛」を前面に出したコピーが多い感じしますけど、実際はかなり「精神世界」にスポットを当てた哲学色の濃い作品になってる。それが「予告編で期待していたものとちがーう!」っていう人もいるかもしれないけど、ぴよはこれでよかったと思うね。 だって、ケイト・ブランシェットってウェットな恋愛が似合うキャラじゃないと思うもん。(^_^;)
だからなのか、映画見てても2人が「熱烈に愛し合ってる」っていうイメージは湧かない。でもそういう上っ面な「男女の情愛」よりももっと奥深い「魂が惹かれ合う」という感じ。うん・・こちらの方がやっぱりケイトには似合う(笑)
大きな木の下、逆光シルエットで2人が結ばれるシーンは名場面だった。 決して「エロス」を前面に出さない、透明感があって「体が一つになる」というよりも「魂が一つに結ばれる」というイメージを大切にしてあるキレイな映像だったな。 ・・・考えてみると、釈迦もブッダも木の下で悟りを説いた。精神世界を見せて行くテーゼとして「木の下」ってのは避けて通れないアイテムなのかもしんないなぁ。
映画として楽しめるかどーかを問われるとかなり「微妙な作品」で、好き・嫌いの好みがはっきり分かれると思うけど
ラストシーンは・・・この映画の象徴。
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