監督:パトリス・ルコント 出演:レティシア・カスタ パトリック・ティムシット ヴァンサン・エルバズ、他 オススメ度:☆☆☆☆
【あらすじ】 パリの娼館「オリエンタル・パレス」で生まれ育ち、いつまでも少年のような純粋な心を持った男「プチ=ルイ」、彼の子供の頃からの夢・・それは『いつか運命の女の人と出逢って、その人を自分の一生を賭けて幸せにする事』 1945年のある日、オリエンタル・パレスに流れ着いた一人の薄幸の美しい娼婦「マリオン」、彼女を見た瞬間プチ=ルイは運命の女に出会った事を確信したのだ。そしてマリオンにささやいた。「あなたを幸せにします、僕の一生を賭けて」と・・・
【感想】 ぴよの中で「フランス映画」と言ってまず思い出す映画。それは「C階段」と「髪結いの亭主」の2本。 甘美で切なく、シュールでノスタルジック・・・そんな素敵なフランス映画を代表する「髪結いの亭主」の監督パトリス・ルコントの最新作だって聞いたら見に行かない訳に行きませんってー!!(^-^)
娼婦の子として娼館で生まれ、美しい娼婦達の下働きをしながら少年のまま大人になってしまったような純粋な男と、まだ幸せを知らない暗い目をした娼婦との究極の愛の形・・・まるで夢のような美しい話が、夢のように美しい映像で語られて行く正に「大人のおとぎ話」
人は誰かを愛すると、相手からも愛を受けたいと望むのが当たり前じゃないか?・・・でも考えると、これは「自分が愛した分だけの見返りを相手に求めてる」だけの事なんじゃないだろうか。
「究極の愛」とは、
ただひたすらとことん愛する事。 愛した相手の幸せだけを望む事。 愛した相手が幸せになるために全身全霊を尽くす事。 そして相手からの見返りを望まない事。
プチ=ルイから全身全霊の愛を受けた女「マリオン」は、見ようによってはプチ=ルイをいいように利用していただけにしか見えないかもしれない・・けど、彼女はやっぱりプチ=ルイを心から愛していたし、プチ=ルイの愛があったからこそ自分は幸せなのだとよく判っていたと思う。 決して体を交じ合わせる事のない2人だけど、結婚パーティーで2人が抱き合いながら踊るシーンはとても官能的だった。
究極の愛の行方は・・・ 甘美で切なく官能的な、フランス映画の真髄を見せてくれる美しい愛の映画。
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