2003年01月06日(月) |
遥かなるクルディスタン |
監督:イエスィム・ウスタオウル 出演:ニューロズ・バズ ナズミ・クルックス ミズギン・カパザン、他 オススメ度:☆☆+
【あらすじ】 イスタンブールの街角で、トルコ西部のティレの町出身のトルコ人青年「メフメット」は、東部ゾルドゥチ出身のクルド人青年「ベルザン」とひょんな事から知り合った。肌が浅黒い為にたびたびクルド人と間違われて、あらぬ差別を受ける事の多いメフメットは、ベルザンの窮状が理解出来、お互い固い友情を交わすようになる。 ところがクルド人差別に対する抗議デモに参加したベルザンが、警察に逮捕され拷問を受けた末、殺されてしまったのだ。
【感想】 トルコはぴよが前々から「死ぬまでに絶対にどうしても行きたい国ナンバー1」と言い続けている国なのです。 そのトルコが舞台になってる映画なら、見ない訳にはいかないっしょー!てな訳で、もうすぐ上映終了しちゃうので急いで映画館に行って来ました♪(^-^)
トルコという国は、長い間、同国の北東部に住む山岳民族「クルド人」を迫害し続けて来た歴史があり、そして今尚クルド人の差別や迫害は続いているそうなのです。ぴよはニュース等で「クルド人問題がどーのこーの」という言葉を耳にした事はあったのですが、それがどこの国の、どんな問題なのかすらも知りませんでした・・・
この映画はトルコ、ドイツ、オランダの合作映画なのですが、トルコのクルド人問題を理解している事が大前提で作られているので、映画中にトルコ人が何故クルド人を差別するのか、クルド人が何故こんなに不遇な目に遭わされているのか、についての説明が一切ありませんでした。 だから・・・トルコのそういう人種問題を知らないと、映画見ててもピンと来ないんだ。(^_^;)
でもクルド人がトルコ国内で、どれほどヒドイ扱いを受けているのかは、映画を見ればよく判る。
家の扉に大きく赤い×印が書かれる。これはこの家にクルド人がいるというマーク。 本当はトルコ人なのに、クルド人に間違えられただけで、隣人や職場から差別を受ける日常。 クルド人が住む村は、トルコ警察、トルコ民兵、軍隊によって占拠され、破壊される。 住む場所を失ったクルド人達は、都会に出るしか生きる術がないものの、町にはクルド人にロクな職を与えず、あちこちで検問があり、身分証明書を提示させられ、クルド人だと判った途端に逮捕、拷問が待ち受ける。
ベルザンの遺体を引き取り、彼の故郷の村へ彼を帰してやろうと、トルコ人青年メフメットは長い旅を続けるんだけど、やはり行く先々のどんな小さな村でさえも、クルド人に対する迫害と差別を目の当たりにする事になるのだ・・・
あまりに殺伐として切ない映像が続くんだけど、この映画は日本人には難しい・・と言うか、理解や共感がなかなか出来ないんじゃないだろうか? この映画の評価が低いのは、決して映画の作りが悪いのではなく、ぴよにはこの国の特殊な民族差別についての知識があまりに乏しく、そして気の毒には思えても、どうしても身に詰まる思いになれなかったから・・・
もしこの映画を見る機会がある方は、トルコ人とクルド人の差別・迫害の歴史をきちんとお勉強してから見る事を是非オススメしたいっす。
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