2003年01月03日(金) |
ゴスフォード・パーク |
監督:ロバート・アルトマン 出演:マギー・スミス マイケル・ガンボン ケリー・マクドナルド、他 オススメ度:☆☆☆☆
【あらすじ】 1932年11月、イギリス郊外のカントリーハウス「ゴスフォード・パーク」に、客人が次々とやってきた。この屋敷の主、ウィリアム・マッコードル卿夫妻主催のキジ撃ちと、退屈なお喋りの続くパーティーに参加するためだ。集まった客達は英国貴族や誘われてやってきたアメリカ人映画監督など。更に彼らはそれぞれ従者やメイドを従えていて、このカントリーハウス内で色々な思惑が飛び交うのだ。 事件はキジ撃ちを楽しんだ夜に起こる。この屋敷の主人、マッコードル卿が何者かによって殺害されたのだ。容疑者はもちろんこの屋敷にいる客人と使用人。果たして事件の真相は・・・?
【感想】 今年最初の映画鑑賞は、2002年アカデミー脚本賞受賞のこの作品。 オスカー撮ってても、何故か単館上映なんだな。不思議だなぁ・・・日本の映画配給会社の考える事って。(^_^;)
ゴスフォード・パークに集まるのは、英国貴族達がメイン。彼らの自尊心の高さは並大抵の事ではなく、鼻持ちならない選民意識に凝り固まっている。だから同じ客人であるアメリカ人映画監督(次回作がイギリス貴族の館を舞台に設定しているので、取材の為にやって来た)の事も小バカにしているし、もちろん自分達の使用人に到っては人間以下の扱いだ。
話は、階上の貴族達の退屈でつまらない会話や人間関係の部分と、それを冷めた目で見る階下の使用人達の人間模様の部分の2層が、互いに入り組みながら進んでいるんだけど・・・登場人物の名前が多すぎて、かなり話が進んでもまだ誰が誰だかよく判ってない状態だったわよ。って、これはぴよの頭の方に問題があるんだよねぇ?やっぱり。(はふぅ〜)
貴族達に人間扱いされていない使用人達が、それぞれ色んな環境で、色んな人生を歩んで来ている事を、事細かに見せている反面、本来ならこのパーティーのメインのハズの貴族達の事は「つまらなく退屈で、そして意地悪で金に汚い」という1つのカテゴリーに当てはめて見せている感じがして、これはかなり面白いと思った。 貴族達のパーティーが舞台になっているのに、彼らではなく、その使用人達の人生にスポットを当てる…貴族の選民意識を痛烈に皮肉っていて、セリフ回しもなかなかウィットに飛んでて見せられましたわ♪
が、多少ダレる。(^_^;) 「事件」が起こるまでの伏線にかなりの時間を割いている為に、なかなか話が展開しない。もう少し登場人物を減らすか、登場人物の描き込み方を、重要人物によりスポットを当てて、あまり瑣末なところまで細かくエピソードを加えない方がよかったかもしれないなーと思ったんだけどな。
事件の真相は実にシンプルで、この映画は決してサスペンス物ではないんだという事を認識しておかないと、肩透かしを食らうかもしんない。 でも全体を通して、使用人側から見た「貴族」という鼻持ちならないヤツらを痛烈に皮肉るというスタンスは、そのオチにまでしっかり生きていて、すごく巧みだなぁ〜と、ぴよは評価しますけどネ♪
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