監督:マイケル・アプテッド 出演:ジェニファー・ロペス ビリー・キャンベル ダン・フッターマン、他 オススメ度:☆☆☆
【あらすじ】 しがないウエイトレスだった「スリム」が客だった男「ミッチ」と運命的な出会いをして結婚した。ミッチは資産家で、しかも自ら会社を経営する青年実業家。2人の間には可愛い娘も生まれ、誰もがうらやむ幸せな生活を送っているハズだった。 ところが娘が5歳になった頃、スリムはミッチの浮気を発見する。ミッチは謝るどころか開き直り、更にこの事がきっかけで激しい暴力を振るうようになったのだ。ついにスリムはミッチと決別する事に決め、友人達の手助けで夫の元から逃げ出すのだが、ミッチは執拗にスリムを追いかけ始めたのだった。
【感想】 DV(ドメスティック・バイオレンス)は、ここ数年日本でも随分取り上げられている問題。この映画は正にそのDVから逃れようとする女性を主人公にした社会派問題作・・・
だと勝手に見る前は思ってたんだけどね、なーんか全然違う気するわね。(^_^;)
結婚した直後からDVが始まるケースというのはきっと少ないだろうと思う。この映画でも、ミッチの浮気が発覚するまでは実に幸せな家族だった。でも幸せな家族の風景を描いていながらも、ちゃんとミッチのその後のDVに至る性質の一端を示すようなエピソードが描かれていて、ここら辺りまではなかなかいい作りしてたんだと思うんだよね。
ぴよがどーにも納得行かないのは、スリムがミッチの元から逃げ出してからだ。警察に行っても埒があかないというのはまだ認めたとして、せっかく友人が「施設に逃げなさい」と忠告しているにも関わらず、何故彼女はそれを拒否したのか?
スリム曰く「まだグレイシー(娘)は何もされていないし、このままでいたい」というのが言い訳なんだけど、その後のミッチの執拗なストーキングから逃れるには、やはりDVの駆け込み寺のよーな施設(日本にだってあるくらいなんだから、アメリカにはもっと沢山の民間団体等があるだろう)に逃げ込むのが当たり前だと思うし、それしか方法はないと思うし、もっと言えばその方が展開として納得が出来たと思うんだ。 もっとも、この映画の後の展開を考えると、施設に行ってしまってはああいう展開にはなり得ないので(?)ここはスリムに逃げまくってもらわなくてはいけなかったという事なんでしょうな(苦笑)
結局彼女は「逃げても逃げても先がないなら、正面から立ち向かうしかない」という選択をするんだけど、その後のクライマックスもどうにもぴよには納得がいかない・・つーか、お前はサイボーグか?と、小一時間問い詰めたい(爆) こんな事ある訳ねーよ!これでDVと決着付けられるなら、世の中のDVに苦しむ女性はみーんな今頃「K1グランプリ」に出場してるっちゅーねん!(わはははは)
ま、「これはアクション娯楽映画だったんだ」と自分を納得させれば、クライマックスもなかなか楽しめる迫力ある映画だったんだよねー。ジェニファー・ロペスのアクションシーンもなかなか堂に入ってて見応えあったしさ♪ でもさ、根本的な事言っちゃうと、ジェニファー・ロペスにアクションやらせるって事が見ドコロの映画なんだったら、何もDVをテーマにしなくてもよかったんじゃないかと思うんだよね。
だってさ・・本当にDVに苦しんでる女性がすがる思いでこの映画見に行ったら・・みんな腰砕けますぜ?(^_^;)
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