監督:フランソワ・オゾン 出演:カトリーヌ・ドヌーヴ エマニュエル・ベアール イザベル・ユペール、他 オススメ度:☆☆☆☆+
【あらすじ】 1950年代のフランスのとある大邸宅。クリスマス・イブの朝にこの家の主が殺された。邸宅は雪に閉ざされ、何者かによって電話線も切断され、車も壊されて警察に連絡も出来ず、かと言って外に出る事も出来なくなってしまった。容疑者はこの邸宅に残された女8人。果たして誰が犯人なのか・・・?
【感想】 フランスでは今年「アメリ」を抜くオープニング記録を樹立し、ベルリン国際映画祭ではキャスト8人全員が銀熊賞(最優秀芸術貢献賞)を受賞したという正に伝説的映画っす!
さてこの映画、舞台が家の中だけで展開していて、更にちょっとミュージカルちっくな構成になってる。だからちょっと見るとミュージカルの舞台劇を見ているような感じがするんだけど、これがすっごくキュートで面白い! 8人全員が一曲ずつ歌を披露してくれるんだけど、思わずぴよは歌に合わせて一緒に踊りそうになっちゃったぜ!(笑)
8人の女たちはこの邸宅で殺された主の妻、娘2人、妻の母と妻の妹、主の実妹とこの家のメイドとハウスキーパーという構成なんだけど、とにかく超豪華なキャストで各々のキャラが実に濃い! 誰が主役と言う訳でなく、8人全員がこの邸宅を舞台に主役を演じていて、それが全然しつこくなく、かと言ってお互いのキャラを薄めさせる訳でもなく、各々のエピソードや人間関係が実にうまく調和を取っていて絶妙なさじ加減になってるんだよね。
しかも肝心の殺されたこの邸宅の主が、顔も声も最後の最後まで出て来ない (一瞬顔が写るシーンがあるけど、それは印象を残すものではなく、後姿やシルエットだけでしか出て来ない) あくまでもこの映画は8人の女たちが主役でキャストで、それ以上もそれ以下もないという事なんだろうな・・・この潔さには本当に脱帽するしかないですよ!もし主の生前の姿形や声がリアルに登場していたら、この映画は決して「8人の女たち」にならなかったと思う。
舞台を1950年代に設定したのもいい。古き良き・・そしてキュートで豪華でオシャレな衣装やメイク、室内の装飾・・何もかもが粋で洗練されたフランスのエスプリを感じさせてくれて、見ていてすごく心地良い♪
ミステリー部分もなかなか面白くて、その意外なオチにはすっかりぴよは「してやられた!」って感じだったね。 古典的オチと言えばそれまでなのかもしれないけど、そこまでに至るエピソードやシャレた笑いがそのオチすらをオシャレなものにしていると思ったんだけどな♪いやぁ〜!この映画、本当にステキですよ♪
ラストのショットも粋ですわ。 本当にミュージカルの舞台を見終わったかのような高揚感を残してくれて、思わずスタンディング・オベーションした方がいいんじゃないかと思っちゃったくらいだもん♪実に気持ちのいい映画だったわ♪(^-^)
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