監督:ブレット・ラトナー 出演:アンソニー・ホプキンス エドワード・ノートン レイフ・ファインズ、他 オススメ度:☆☆☆☆☆
【あらすじ】 フロリダ州マラソンで静かな生活を送る「ウィル・グレアム」は元FBIのトップ捜査官。彼の元にかつての上司ジャックが、最近起きた連続猟奇殺人事件の捜査協力を求めてやって来た。グレアムはその類希なる才能で「人食いハンニバル」と呼ばれた殺人鬼、ハンニバル・レクター博士の心を読み、彼を命懸けで逮捕したものの、精魂尽き果ててFBIを完全引退したという過去があったのだ。 上司の懇願に負けて現場を再検証したグレアム。だが犯人像のプロファイルに行き詰まった彼は、恐ろしい殺人鬼ではあっても優秀な犯罪心理学者のレクターに意見を求める事になってしまうのだ・・・
【感想】 「羊たちの沈黙」は今でもぴよの中で『歴代素晴らしいと思った映画ベスト10』に入る名作だ。 だから2作目の「ハンニバル」を見た時の落胆と言ったら・・・本当に映画館で暴れて吐いてやろーかと思った(苦笑) そして、この映画「レッド・ドラゴン」だ。この映画は羊たちの沈黙の更に前の話、要するに「羊たちの沈黙・EP1」ってヤツだ。今度は失敗したら許さねーぜ!!と、期待半分・疑心半分で試写会に乗り込んだんだけど・・・
この映画はいい!めちゃいい!
あ。初めて誉め言葉で大文字使ったかも(笑)
まずお約束だから最初に書いておくけど、原作読んでないっす。だから原作ファンとは全然感想が違うと思う。(^_^;) それにしても、この映画は映画としてのオイシイ要素を余すところなく表現された「極上のエンターテイメント」になってる!
前作「ハンニバル」の失敗は、ただただレクター博士というキャラに固執し過ぎて、猟奇的な部分だけに焦点を当て、これでもかとグロテスクな映像を垂れ流しにする事で観客を怖がらせようとした事だったと思う。 この映画はそうじゃない。多少は「ウッ!」と来る映像もあるものの、想像していたものよりもかなりソフトな描写だった。映像で怖がらせるよりも、むしろ個々の人物像や心理状態をきっちり表現する事で、じわじわと観客に恐怖感を与えてくる。ただレクターが話してるだけのシーン、猟奇殺人犯「フランシス」が悶えているだけのシーンなのに、何故かぴよは鳥肌が立って寒気すらした。
あくまでも「ハンニバル・レクター映画」にしなかったのが、この映画の成功した所だと思う。 猟奇殺人犯の心理状態や、彼のトラウマ、彼のこだわり、彼の心の葛藤を実に巧みに見せる事で、映画を何倍も盛り上げてくれたと思う。そしてフランシスの狂気をギリギリの部分で押し留める女性「リーバ」の存在感もよかった。彼女が盲目だった事が、フランシスのトラウマとうまく絡んで観客を納得させたり、ある意味殺人犯に共感すらさせてくれた。
誰もがもつトラウマ、誰もが持つ残虐性、誰もが持つ心の闇、そういうものをさらけ出し体感させてくれる秀作。 ぴよ的には「羊たちの沈黙」を見た時の衝撃程ではないが、「ハンニバル」の100倍はいい作品だったと思った!
何が嬉しかったってね、試写会行ったらお土産でマスコミ用のプレス・シートが貰えたんだなー♪ もうこれって家宝にするべき?めっちゃ嬉しかった!隅から隅まで読んで楽しんじゃうもーん♪(^-^)
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