監督:オリバー・ヒルシュビーゲル 出演:モーリッツ・ブライプトロイ クリスティアン・ベッケル ユストゥス・フォン・ドナーニー、他 オススメ度:☆☆☆
【あらすじ】 1971年、スタンフォード大学心理学部である実験が試みられた。被験者は新聞広告によって集められた24名。彼らは、無作為に「看守役」と「囚人役」に分けられ、監視カメラ付きの模擬刑務所に収容された。二週間、いくつかのルールに従いながら自分の役を演じること、それが彼等に与えられた仕事だった・・・
【感想】 実際に起こった事が元になっている映画って、結構好きなのね♪この映画も予告編で散々煽ってたから知ってる人多いと思うけどぉ〜・・・「心理学」って誰もが興味のある分野じゃない?勿論ぴよもそーなのよ♪
この映画で見せてくれる「心理実験」のどこまでが事実と同じなのかは知らないけれど、大筋の展開は事実にのっとってるんだと思う。はっきり言うけど、寒気がするね。・・・本当にゾッとする。この映画は「R−12指定」になってるけど、さもありなん。こんなの健全な青少年に見せたら本当に世の中少年犯罪が蔓延しそうでマジ怖いっすよ(^_^;)
今も訴訟問題になっているというこの実験、簡単に言えば無作為に選ばれた一般市民(普通の人)が、特異な立場や状況に置かれた時、又はその状況下で集団になった時に見せる行動心理学を研究してるんだけど・・・ これでもまだ難しいか?例えば個々の人は善人(と言うか常識を持った普通の人)が集団になった時に見せる特異な強暴性だったり残虐性の心理を研究してるんだけど、これって今世の中のニュースを賑わす「少年犯罪」「集団いじめ」の心理とそのままそっくり相通ずるんだよね。
それを観客に疑似体験させようってーんだから、本当に見てて寒気がする。
この実験シーンの展開は本当に見応えがあって面白いのに、訳わかんないオンナが出て来るんだ。こいつがどーにもこーにもいただけない・・・主人公に絡むこの女、まず登場からして唐突過ぎるし、その後この実験の被験者になった主人公としつこいくらい絡んで来るんだけど、この映画の展開から完全に浮いてる感じがして仕方ない。 はっきり言っちゃうと、このオンナの存在はまったく必要なかったと思うし、彼女のシーンが入って来る事でこの映画を一気に3流モノにしてしまった気がするんだけど(言い過ぎっすかぁ?)
もう1つ難癖付けちゃうと・・・ 主人公はかつては新聞記者なんだけど、トラブルを起こしたが為に職を失い今はしがないタクシードライバーをやっている、そしてこの実験に参加してこっそりリポートする事で記者に返り咲こうと目論んでいる・・・という設定なんだけどね。 全然この設定が生きていない感じしたんだわ。(^_^;) 主人公はただのタクシードライバーでよかったんじゃないかと思うのよ。ちょっと生意気で目立ちたがりやで正義感の強い、普通のどこにでもいるタクシードライバーだった方がずっと主人公のキャラが生きたんじゃないかと思うんだけど・・・
自分がもしこの実験に参加していたら・・・ 人間の行動心理とか犯罪心理、集団心理を思うと薄ら寒い気持ちにさせられる、実に後味悪い話ではあるものの、逆に戒めという意味では考えさせられるテーマの映画だったと思う。心理学に興味のある人は見て損はないかもね。
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