監督:ミルチョ・マンチェフスキー 出演:ジョセフ・ファインズ デヴィッド・ウェンハム ローズマリー・マーフィー、他 オススメ度:☆☆☆
【あらすじ】 2000年ニューヨーク、黒人青年「エッジ」は金に困って空き巣に入った。留守だとばかり思っていた部屋には老婆「アンジェラ」がいたのだ。か弱そうな外見とは裏腹にアンジェラに鼻をへし折られた上、拳銃まで付きつけられたエッジ。ところがアンジェラは「私が死んだら故郷に埋葬してくれるなら金貨をあげる」と言い、とある物語を語り始めたのだ。 それは100年も昔のアメリカ西部に住む2人の兄弟「ルーク」と「イライジャ」の切ない物語だった・・・
【感想】 簡単に言っちゃうと2つの話を絡ませて進めてる・・・って言うのともちょっと違うか?(^_^;) 基本は現在のニューヨークで、黒人青年エッジの個人的事情だったり、老婆アンジェラとのやりとりが根底にある。 で、アンジェラが語る「物語」がこの映画の「核」になってる、と。 んー。なんだか説明が難しいなー。
アンジェラが語る話はかなり壮大で、100年前のアメリカ西部に住む兄弟「ルーク」と「イライジャ」が主人公。 性格がまるで違う兄弟が同じ女を好きになったのだが、女は弟のイライジャを選ぶ。しばらくして兄ルークは突然アメリカを後にして放浪の末、当時衰退したオスマントルコ帝国から独立を求めて戦うマケドニアへ向かったのだが・・・てな感じで。
オスマントルコから独立を求める為に当時マケドニアではいくつもの革命組織があって、血を血で洗う激しいゲリラ戦が繰り広げられていたようです。更にトルコ側からは革命組織のリーダーの首に多額の懸賞金を懸けていて、世界中のならず者達がその賞金目当てにマケドニアに入り込んでいて、正にこの時代のバチカン半島は混迷を極めていたそーだ。 ・・・ここら辺の歴史に疎いと、アンジェラ婆さんの話に着いて行くのがちょーっと辛い(苦笑)
アンジェラのキャラはなかなかユーモアがあって面白かったけど、映像中でエッジとアンジェラの心の結び付きをそれ程感じられなかったせいか、どうしてエッジがそこまでアンジェラに関わるのかが納得いかなかったなぁ。
この監督さんマケドニア出身というだけあって、マケドニアの映像はかなり力入ってます! ただねー・・・惨殺シーンがなぁ。すげードロドロしてるし、ヤギさんとか思いっきり血まみれになっちゃってるし、リアルを追求したかったんだと言われてるとそーなのかもしれないけど、何とも見てて気分が悪くなるっつーか・・・
人は塵(ダスト)から生まれ、そして塵に帰る。 でも人が歩んだ歴史は「物語」となって語り継がれ、そして永遠の命を得る。
いささか強引に思える物語の結末は、アンジェラから最後まで話を聞けなかったからなのか?でも敢えてこの映画はその本当のエンディングを用意しない事で、観客に「語り継ぐという事」の素晴らしさや大切さを示したかったのかな?と。
でも何かが弱い感じしたのよね・・・エッジのキャラが「語りべ」としては弱過ぎるからかなぁ〜?(^_^;)
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