2002年09月15日(日) |
ロード・トゥ・パーディション |
監督:サム・メンデス 出演:トム・ハンクス ポール・ニューマン ジュード・ロウ、他 オススメ度:☆☆☆☆+
【あらすじ】 1931年イリノイ州ロックアイランドの町、読書好きの12歳の少年「マイケル・サリヴァンJr」は弟のピーター、優しい母、少し距離を置く寡黙な父「マイク・サリヴァン」と幸せな生活を送っていた。父・マイクはこの町を牛耳る大物ギャングのボス「ジョン・ルーニー」の片腕としてルーニーに実の息子のように愛されていたが、ルーニーの実の息子「コナー」はそんな2人の親密な関係を憎々しく思っていた。 ある日、マイケル少年はたまたまコナーが仲間の一員を殺害する場面を目撃してしまう。元よりマイクを疎ましく思っていたコナーはこれを機会にマイク共々一家を殺害しようと企むが、妻とピーターは殺害されてしまうもののマイクと肝心の目撃者マイケルは難を逃れた。マイクは怒りに震え、息子マイケルを守りながら復讐を誓ったのだ・・・
【感想】 「アメリカン・ビューティー」で初監督にしてオスカー取りまくりのサム・メンデス監督2作目。とくれば、自ずと期待が高まっても仕方ないでしょう!しかもキャストがオスカー2度獲得のトム・ハンクスに、もちろんこちらもオスカー俳優でハリウッドの重鎮ポール・ニューマン共演と来たら、期待しないのがウソってもんですわ!(笑)
ジャンルとしてはバリバリの「ギャング映画」の部類に分類されるんでしょうけど、この映画はあくまでもギャング黄金時代を背景にした「親子の絆モノ」映画なんです。それが悪いんじゃない。・・・むしろ実によかった!
最初、マイクとマイケルの親子関係はかなりそっけなく(どうかすると非常に淡々と)描かれていて、それは観客だけではなく映画中の少年マイケル自身も感じている。 「父はボクの事を、ボクが父を慕う程は思ってくれていないんじゃないんだろうか」
そしてもう一組の親子がいる。ギャングのボス・ルーニーと実の息子コナー。 コナーもまた父が自分ではなく、他人のマイクを我が子のように可愛がる事に嫉妬を感じている。 更にルーニーとマイクの関係。孤児だったマイクを拾い上げていっぱしのギャングに育てたルーニーは、やはりマイクに対して実の息子のような愛着を持ち、マイクはルーニーに対して実の父親のような忠誠心を誓っている。
これがひょんなきっかけで歯車が狂い、そしてマイケル少年が、マイクが、ルーニーが、各々目に見えなかった絡み合う糸がほどけ合うかのように本当の親子の結束と絆を確認していく・・・
実に淡々とした作りでありながら、ひしひしと心に刻み付ける素晴らしい映画でした。 その映像美もさることながら、音響の効果、切ないBGM、そして役者の堂に入った心打つ演技、どれを取っても超一流のまさしくオスカー候補にふさわしい映画と言っていいでしょう!!
ギャングの痛ましい虐殺シーン≒どしゃぶりの雨、という演出も臭そうでいてしっくりハマる(笑) ラストのオチも途中で予想が付くものの、その伏線の張り方は実に巧みで嫌味がなく、あのラストで逆に観客を納得させながらも見終わった後にいつまでも余韻を残す名セリフ付きで・・・
こういう映画を「名作」と呼ぶのだなぁ、と。
ただね、字幕の表示が・・・白い背景に白い字幕で(しかもめちゃいいシーンで)これは大減点! だって全然字幕読めないんだもん!これはいかんですよ!! あの読めなかった字幕部分には何が書いてあったんすか?英語わかんなかったら見るなってか!?
・・・てな訳で、☆は5つ付けませんでした(笑)あの読めなかった字幕部分が全部読めたら星5つ確定よ!(爆)
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