2002年09月11日(水) |
イノセント・ボーイズ |
監督:ピーター・ケア 出演:キーラン・カルキン エミール・ハッシュ ジェナ・マローン、他 オススメ度:☆☆☆
【あらすじ】 カトリック系ジュニアスクールに通う少年「フランシス」「サリバン」は大の親友。彼らとウェイド、ジョージを加えた4人組は保守的で厳しい学校に反発して他愛のないいたずらを繰り返す、若いエネルギーを持て余し気味なお年頃。プロ並みの腕前のフランシスが描くコミックはそんな彼らの捌け口。いけすかない校長を悪の親玉に仕立て上げ、4人はコミックの中でヒーローとして大暴れするのだ。 そんなある日、フランシスが書いたコミックが校長の目に触れてフランシスとサリバンが停学になってしまう。学校に仕返ししてやろうと企てた大胆不敵なある計画が彼らの予想もしない事になってしまうのだ・・・
【感想】 31歳の若さでこの世を去った天才作家クリス・ファーマンの処女作にして遺作「放課後のギャング団」を自ら映画製作会社を立ち上げて企画・製作もこなすジョディ・フォスターが映画化。彼女自身もこの映画中で悪ガキ4人組から「悪の親玉」扱いされる校長役を演じてます。
この映画、公式HPでも「21世紀のスタンド・バイ・ミー」と煽ってるだけあって、本当に展開がスタンド・バイ・ミーと被りますわ。大人になり切れないちょっと背伸びをしたい年頃の男の子達がちょっと図に乗っていたずらしちゃう・・・それが大人になるための儀式であるかのように目を輝かせて、時に躊躇しながらもどんどんエスカレートして行って・・・
あぁ。ホントにスタンド・バイ・ミーぢゃん!(笑)
そういう意味では「目新しさ」は感じないものの、スタンド・バイ・ミーにはない演出として、フランシスが描くコミックをアニメ化させて映画の展開に合わせるように平行して挿入しています。 主人公は自分達4人、その4人がスーパーパワーを得てそれぞれ必殺技を持つ怪人に変身してヒロインを守りながら悪の軍団と戦って行く・・・これがなかなか面白いのよ!自分達の身に起こる事がデフォルメされてアニメになって行く、こういう作りはちょっと予想外だったけど、いかにも現代ちっくなボーイズ・ストーリーの演出だなぁと思ったね。
フランシスの描くコミックは彼らの実体験から出る創作の世界だけど、現実の彼らはコミックではない。 1つ1つ無邪気ないたずらを繰り返す内にとんでもない事も自分達の手で出来てしまうと勘違いして暴走してしまう、そんな多感な時代の無軌道な少年達の姿は現代のマスコミをにぎわす少年犯罪を犯す少年達の心理を少し垣間見せてくれるような気がしたな。
でもそんな無軌道ないたずらのツケは必ず自分達に帰って来る。
どこか懐かしい匂いのする映画だけど、それはぴよがすっかり大人の世界に浸かってしまったからなのかな。 今正に「無軌道な青春」を謳歌する今の中学生達にこの映画を見てもらって感想が聞きたい気がした。
正直言って今のぴよにはあまり共感する部分はなかったけど、ぴよもこの映画の中に出て来る少年達の年頃には自分の中の無限の可能性を信じてたし、学校だったり親だったり世の中だったりに訳もなく反発して「何かでっかい事してみんなをあっと言わせたい」って常にうずうずしながら友達と他愛もないいたずらを繰り返していたな・・・
そんなノスタルジックな気分にさせる映画だったよ。
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