2002年06月13日(木) |
ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ |
監督:ジョン・キャメロン・ミッシェル 出演:ジョン・キャメロン・ミッシェル マイケル・ピット スティーブン・トラスク、他 オススメ度:☆☆☆☆
【あらすじ】 旧東ドイツから自由の国・アメリカに渡る為に性転換手術を受けたヘドウィグ。だがモグリの医者は手術に失敗し、ヘドウィグの股間には醜い1インチの突起(アングリーインチ)が残されてしまう。 夢だったロックスターへの道。ある時知り合った米少年トミーと恋に落ちるが、トミーは事もあろうにヘドウィグが作った歌を自作と称してメジャーデビューを果たし、ビルボードNo.1のトップスターになってしまうのだ。 「失われた自分のカタワレ(=愛)」を求め、そして自分の歌を取り戻す為にヘドウィグはトミーのコンサート会場のすぐ脇にある場末の酒場で歌い続けるのだ・・・
【感想】 予告編を見た時から妙に気になって仕方なかった1本。ようやく見に行きましたわ。 この映画、元々はオフブロードウェイで2年間もロングランを続けた大ヒットミュージカルの映画化なんです。マドンナはその楽曲の使用権を求め、デビッド・ボウイはグラミー賞をすっぽかしてまで見に行ったという全世界のセレブ達にスタンディング・オベーションを巻き起こした名作。
まずその楽曲が素晴らしい!! 70年代80年代のロックが好きだった世代にはどこか懐かしい、そして耳に残り思わず口ずさみたくなるよーな心地よさ♪(実際に映画中「一緒に唄いましょう!」と観客に呼び掛け、字幕がカラオケ状態になっちゃったりして、もう嬉しくてチビりそーです♪笑)これはサウンドトラック買わなきゃいけませんねぇ。もう本当に素晴らしいのですよっ!
この映画の主題『誰もが自分のカタワレを探している』というのはプラトンの「愛の起源」の話が元になっているのです。(愛の起源の詳しい内容については是非映画を見て知って欲しい・・・何しろこの映画の柱ネタですから。笑) この「愛の起源」は映画中もちろん歌になっています。ジーンと来ます♪
ヘドウィグの生い立ちを映像だけじゃなく随所に楽曲に載せて観客に示しているのがウマイ! そしてライブハウスで歌を演奏している間、映画の映像的にはアニメーションを流したりしているんですが、この企みはツボにハマっていて絶妙なんですよ!変にダラダラ実写映像で説明されるよりもこの「ヘタウマ」なアニメーションを見せる事でシュールでいて官能的な世界を作り上げちゃっているのです。アングラちっくでマニアウケかもしれないけど、ぴよのツボのストライクゾーンど真ん中でしたわ♪(*^^*)
この映画、ここまで素晴らしいのにラストがかなり説明不足と言うか着地点があいまいな感じがするのです。 結局ヘドウィグの「カタワレ」はどこにあったのでしょうか?あのラストシーンだけでは説明不足のような気がするのはぴよだけなのでしょうか? あるいはヘドウィグの「カタワレ」探しの旅の終着点は、見た人個々の感じ方に任せるという事なのかもしれませんが ぴよ的には・・・(ここからネタバレかも?なのでどうしても見たい人は【】内をドラッグしてねん♪) 【結局ヘドウィグは最後に裸の自分に戻る=トミーとの確執や様々な愛憎を吸収し、自分の中にもう1つの自分の「カタワレ」を見出したという事?と勝手に思ってしまったのですが。】
オフブロードウェイで上映していたというミュージカル、見たくなっちゃいましたねぇ〜 とても官能的でシュールで、それでいて人の心に残る不思議な映画でしたよ・・・ (決して一般ウケしない類の映画でしたけどね。苦笑)
|