2002年04月06日(土) |
ブラックホーク・ダウン |
監督:リドリー・スコット 出演:ジョシュ・ハーネット ユアン・マクレガー トム・サイズモア、他 オススメ度:☆☆+
【あらすじ】 1993年内紛激しいソマリアの独裁者アイディード将軍を捕らえるためにアメリカ軍の精鋭が市街地に侵入。 ところが民兵を甘くみたアメリカ軍は軍用ヘリ「ブラックホーク」をソマリア民兵に撃墜された事がきっかけで、30分で終わる筈だった任務が丸1日アメリカ兵士がソマリア兵に包囲された市街地に取り残されて激しいゲリラ戦になってしまう。
【感想】 この映画はぁ〜・・・「映画」に何を求めてるかによって評価パッキリ分かれるんでしょうねぇ。 今もその賛否が問題になっている「ソマリア紛争のアメリカ軍介入問題」ですが、実はぴよはこっち系統の世界政治にトンと暗いのです。・・・つーか、実はこの映画見るまで「ソマリア紛争って何でしたっけ?」ってなお粗末な状態だったんすけど。
まずリドリー・スコット自身が「私は自分のタッチを出さないように作った。事実だけを撮った」って言い切ってるだけあって、脚本とか演出とかそーいうモノを感じさせる要素が少ないんすなぁ。 だから↑上に「出演」って俳優の名前書いてあるけど、映画見てる限り誰が誰だかほとんど判りゃしない!(笑) 要するにキャラクターにはほとんど焦点が当てられていない。ただただ「戦争実録映像」って感じで淡々と戦闘シーンが続いて行く感じ。だから「キャラに感情移入が出来ないと面白味に欠ける」っていうタイプの映画の見方する人にはあまり向いていないかもしれないっす。 ・・・えぇ。ぴよはまったくその通りのタイプなので(笑)全然楽しめなかったんすわ(なはは!)
ただね、「事実だけを撮った」ってのはちょっと眉唾よねぇ〜とは思った。 あくまでもハリウッド映画だからアメリカ側からの視点でしかない。ま、仕方ないんだろーけどさ。 一応「観客の涙を誘うぜ!」みたいなアメリカ兵同士の麗しい仲間意識と友情のシーンあるんだけどね (そして館内ですすり泣きも確かに聞こえたさ)ぴよはそのシーン見ても泣けなかった。 むしろ、アメリカ兵が装甲車両でぶっ飛ばしてる横を返り血を浴びたソマリア人の老人が小さな子供の遺体を抱いて放心したようにフラフラと歩いている小さなシーンに泣けて来たね。
映画のほとんどを占めてる戦闘シーン。これはかなりよく撮れてると思った。 単純に「迫力あるドンパチが見たい!」って人には結構楽しめるんじゃないかな。 でもね、この紛争でアメリカ兵は19人、そしてソマリア人は実に2千人以上が犠牲になってるのよ!? この事実を知って「アメリカ兵の勇気を称えたい」とか「面白い映画だった」と果たして言えるだろうか。
正直言ってぴよはすごく見終わった後気分が悪くなった。でもこういう感想を持つのもいいのかもしれない。 本当の意味で「戦争って?」「世界平和維持の為の軍事介入って?」というシビアな問題を考えさせられる映画だったのかもしれないね。
が。ぴよはやっぱり感情移入出来る映画の方が好き(苦笑)
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