Sotto voce
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2014年04月14日(月) 宣告。

その兆候は、昨年すでに出ていた。

でも、そのときは忙しさを理由に見て見ぬふりをした。

一年後、やはりそれは消えることなくそこにあり。
さすがに無視するわけにはいかなくなった。

レントゲン、CT撮影を経て、
今日その診断結果を聴くことになった。


私の右肺の中に、少なくとも1年前から存在していた影。
その正体が、今日告げられた。


その腫瘍らしきものは、今すぐ生命を脅かすものではない。
ただ、皮膚にできた吹き出物のように
ほっておいても大丈夫と楽観視するものでもないらしい。

三ヶ月後、再度CT撮影をして
今後について決めることになった。

悪性ではない、癌を疑う形状ではない。
仮に、この腫瘍をとり除くことになったとしても、
検査だけで膨大な費用がかかるから、
今、急いで検査する必要はない。
詳細に説明してくれた医師の言葉を信じるしかない。


正直、もやのような不安は消えない。
ただ、この胸にあるのは、「まだ死ねない」。

愛するひとがいる。
両親もまだ生きている。
頼もしい仲間たちがいる。
やり残したことがある。
このままじゃ死んでも死にきれない。


仮に、この肺の中にあるものが
いつか私の命を奪うものにかわったとしても。


私は生きる。
何が何でも生きる。
まだ、死ねない。


安積 紗月 |MAILHomePage

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