サミー前田 ●心の窓に灯火を●

2007年03月24日(土) THE FOOLS 『WEED WAR』ボックス

 長らく入手不可能となっていたTHE FOOLS の名盤ファーストアルバム『WEED WAR』が、84年の未発表ライブCDとDVDを加えての3枚組のボックス仕様で、5月にリリースされる。ライブがこれまたすばらしく60分たっぷりファンキーにロックンロールしていて必聴。DVDはジャガタラがバックを固めているフールズという珍しい演奏、石井聰互監督が撮影したもので短いながら必見。そして、48ページの豪華写真集ブックレットも付くそうだ。
 というわけで、まさしく今、そのライナーノーツの原稿を書き終えたのである。発売はグッドラヴィン・プロダクションから。本当に出ると思います。



2007年03月21日(水) 東京都民に告ぐ

 例えばの話。けど限りなく現実的な話である。
 新宿ゴールデン街が無くなってただのビル街になってしまったら?
 または、思いで横町(通称しょんべん横町)が量販家電ビルになってしまったら?
 
 下北沢の例をあげるまでもなく、かろうじて生き残っている新宿の良心ともいえる町並みが、あっというまになくなってしまう、そんな条例が可決される可能性があるのだ。
 現都知事はそうゆう人である。
 だから、都知事選に行くのだ。
 誰を支持するというよりも、変えなければいけないと思う。血税を息子(自称芸術家)の道楽に使い込む、そんな知事の首を変えなければならない。
 選挙や政治に興味が無い人、まわりにたくさんいるけれど、俺も特に深い関心があるわけではなかった。しかし、自分の好きな街がどんどんつぶされて、繁華街はチェーン店の居酒屋とファーストフードだらけだし、喫茶店はなくなりカフェばかりだ。そんな状況が嫌なだけだ。
 頼むから街に隙間を残してください。って気持ちだ。古い建物はいずれ壊されてしまうのだろうが、利益や便利を優先するより、街の個性としてそのような場所っての大切にしてくれ、って思いませんか?

 というわけで選挙にいこう。

 
 



2007年03月14日(水) 最高のロックボーカリスト、鈴木ヒロミツ

 鈴木ヒロミツが本日の午前に癌で亡くなったという。
 最近も2時間ドラマで偶然見かけ、脇役としていい味をだしていたのが印象的だった。自分が鈴木ヒロミツを知ったのは73年くらいか。「気楽にいこう」のCMや、モップスとして世界歌謡祭(だったか)に出た時の「何処へ」(この曲は今も大好き!)は、リアルタイムに強く刷り込まれている。
 モップスは、GS時代のガレージパンクとしての世界的評価は当然なのだが、70年代ニューロック時代のモップスももっと注目されてしかるべきだと思い、モップス東芝時代のボックスなんか作れないかなって勝手に考えていた矢先だった。モップス解散後のヒロミツは「夜明の刑事」をはじめ、俳優として成功した人だけに、日本のロック黎明期を支えた音楽家としての評価は正統にされていたとは言い難い。ゴールデンカップスの映画のイベントで、井上尭之とセッションしたヒロミツの歌声はまだまだ現役の迫力であった。あの調子なら、今でもすばらしいアルバムが作れたはずだ。
 数年前、ビクターのリマスターCDを出すときにビクターのスタッフがブックレット用にインタビューを申し込んだら、ホリプロから「当時の契約書が見つからないから取材は断る」というような信じ難い無知で非常識な対応をされたという。そんな事務所だから、ヒロミツの音楽的才能を無視した仕事しかとってこないのだ。個人的には小さなお店で歌うこともよくあったらしいが、一般にはほとんど告知されなかったようである。
 追悼、最高のロックボーカリスト、鈴木ヒロミツ。本当に残念だ。



2007年03月13日(火) 新生ザ・サイクロンズ

 下の文章を見て同意してくれた人がけっこういました。ニューミュージックマガジン時代は確かにおもしろかったよな〜。そういえばミュージックマガジンも今月3月号はエンケンが表紙&特集だったので、購入。遠賢を大きくとりあげることだけでもエライと思うが、特集記事はイマひとつであった。中村とうよう先生の文章は感動的だったが。
 
 10日はレッドクロスにて夜のストレンジャーズレコ発で、新生ザ・サイクロンズの初東京ライブであった。結論としては、このバンドはよい。1月末にオリジナルギタリストが抜け、ドラムだったアンボイがギターになり、ドラマーに元ネコグルマのギタリストだったフジエワタルが加入という、大幅な人事異動があったのだが、休む事無くライブ活動を再開。新曲も交え、旧曲もしっかり演奏していた。ぶっとい音のギター、イイ感じに破壊的なドラム、これからは、よりロック色が濃くなっていくのではないだろうか? ちょうど週末からはアメリカ西海岸ツアーである。今後も活発なライブスケジュールが予定されており、今のメンバーは、ツアーバンドであることを強く望んでいるのだろう。

 そのザ・サイクロンズのライブ盤『磔磔ライブ!青春の遥』が2月にリリースされている。一応ライブ盤とはいえ、非常に完成度の高い作品で、今までのファンも「これが最高傑作なのでは」と言う人も多い。全17曲入りだが、代表曲を中心としてオリジナルの他に、カーナビーツのカバー「素敵なサンディ」が収録されているのにも注目。MC5の最高作がライブ盤のようにもしかしたらこれが今のところベストなのかもしれない。50回転ズのHPでダニーが絶賛しているのを見つけて嬉しくなった。



2007年03月09日(金) 死んだのはロックという音楽ではなくて業界である

 今年も早いもので3月である。確定申告の時期であるが、毎年このあたりは何故か仕事が忙しくなり、いつも申告が遅れてしまうのだ。さらに1月に亡くなった愛猫の四十九日が終わり、納骨の段取りまでしなくてはいけない。

 騒音寺の新作のライナーを前作に引き続き書きました。やっぱりCDというアーティストの「作品」に掲載する文章はなかなかうまく書けないよね。もちろん音楽の方はね、またもや最高傑作のできばえ、ロックンロール。騒音寺のライナーノーツは今度は中村とうよう先生に頼みましょうよ。本当にいい音楽に俺の駄文はいらないよな。
 しかし音楽雑誌を見てもちゃんとした音楽評論なんてほんと少なくなったよね。とにかくレベルが低い。自分の自慢話とか、詳しくもないのに急いでネットで調べて急造した文章とかさ、ありがちなちょうちん記事とかさ。これじゃ誰も金出して音楽雑誌買わないよ。無料で配布してる音楽情報誌なんてたくさんあるじゃない。あれでいいでしょう。みんな知ってると思うけど、無料ってことは全面広告なんだから、いくら取材記事が掲載されても、それは広告なんだからね。もちろん辛口なことは書けないし、編集者もそうゆうことになれているから、例えば、アルバムのサンプルとか持っていくと「では広告の予算はいかほど?」みたいな会話になったりすることもあるのだ。単純に「聴いて良かったから記事やりましょう」でないからね。まずは「いくら出せそう?」だから。もちろん親しくしてもらってるところで、お金なんか払ったことないのに応援してくれるメディアもあるけど、ほとんどがこんなノリです。
 かつてのニューミュージック・マガジンみたいに突然知らない土地の音楽を紹介してくれるおもしろさって今はないし、例えば78年の時点でフリクションみたいなバンドをいち早く大きく取り上げたりするって言うような記事には、レコード会社の広告は無関係なわけだ。純粋な意味で、現代の編集者は自分自身で音楽の情報を探すということをしなくなったのではないだろうか? とにかくページを作るのに広告と連動させるのが常識というバンドブーム以降のあり方は、日本の音楽状況を確実に悪くしたと思う。それを最初に始めたのはロッキング・オン・ジャパンだろうな。辛口のジャーナリズムのようなイメージをうまく作っている雑誌だけど・・・。
 


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