2003年09月06日(土) |
ベルトラン・カンタ、その後 |
マリー・トランティニャンを殺した罪で、リトアニアの刑務所に拘留されているベルトラン・カンタは、事件後しばらくして「子供のために生きなければ」と言ってはいたものの、つい先日行われた審問には姿を見せず、8月31日に拘留されて以来体重が10キロも減り、ふさぎこんでいるようです。
また、ベルトラン・カンタ(ヴォーカリスト)が所属していたロック・グループ「ノワール・デジール」のコンサートやフェスティバル参加はすべてキャンセル、ラジオなどのオンエアーも自主規制されているようです。 しかし皮肉なことに、「ノワール・デジール」のCDは売り上げが急速に伸びており、通常700〜800枚の売り上げが1200枚に伸び、1週間に500枚ほどの上昇をみせているようです。 ミュージシャンが殺人者になった場合、日本の場合はどう対処するのかわからないけれど(今までにそういうことがあったかどうか?)、コンサートのキャンセルなどはあたりまえだとしても、CDなどの販売は平然と続けちゃうのだろうか・・・?
Web上ではベルトラン・カンタ応援サイト(http://bertrandcantat.ifrance.com/bertrandcantat/)まで立ち上がり、支援のための署名までが行われています。掲示板では、ファンの人たちの書き込みが読めますが、こういった場合、判断がむずかしいですよね。今まで大好きだったミュージシャンが一夜にして殺人者となったとき、すぐさま理性的に判断することができるかどうか。災難が自分の身にふりかかってみないとわからないことかもしれません。本当のファンだったら、彼の罪を認めながらも、たいがいは支援する方にまわるでしょう。
また、カンタを支援するために、彼の妻とミュージシャンの仲間3人が、「ベルトラン・カンタは暴力をふるう男じゃない」といった内容のことを発表しています。「わたしに手をあげたことは一度たりともなかった」と彼の妻クリスティーナ・ラディは言っていますが、妻の立場であった彼女と、マリー・トランティニャンとの関係では本質的に違うような気がしますが・・・。
裁判の方はといえば、カンタの身柄引き渡しを要求していたフランスの検察の意向がリトアニア側に受け入れられず、結局、リトアニアにて裁判ということになりそうです。 刑期はおおよそ最高15年の刑、との推測がされていますが、未だにフランスはあくまでもフランスにて裁判が行われるのを希望しています。 判決は9月中旬の予定。
「リトアニアの言葉を覚えたい」と言っているカンタは、異国の地で、異国の犯罪者たちといっしょに刑期を過ごす。人を愛しすぎたツケがこんな形でまわってくるなんて、だれも想像してなかっただろうに。
人を殺して8年かよ
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