2003年07月06日(日) |
フランス映画祭2003(そろそろ締めたい) |
6月21日(4日目)
そろそろ締めたいフランス映画祭。
前回に引き続き、この日も4作品鑑賞。 といっても4作品連続鑑賞ではなく、1本目を観たあと人間らしくちゃんとお昼をとり、ゆったりした1日でした。 いろいろと不満の多かった今年の映画祭ですが、ぶつくさ言いながらも映画祭に通ってしまうのは、ひとえにコンテンツの良さだったりする。つまり、この映画祭の最大の魅力は「映画」そのもの。多くの方はゲスト陣目当てに行くのだろうと思うが、個人的には映画以外にあまり大きな期待はしていない。監督や俳優たちの来日は、ある意味びっくり箱みたいなもので、わたしとしては、日本で公開されない映画がこの映画祭で観られればそれにこしたことはないのだ。 だから、運営の仕方が悪くても、スタッフの対応が悪くても、結局のところ来年もまた行ってしまうだろうなあと思っている。
以下、わたしにとって最終日の鑑賞作品です。
☆まずは最初、1本目の『運命のつくりかた』で、マチュー・アマルリックがゲストとして舞台に登場してきたときは思わずきゃあ〜!!! うわ〜、本物だ〜、生きてる〜動いてる〜(笑)と感激しまくりでした。 写真なんてバシバシ撮っちゃってもう。どうでもいいけど、彼、今洗濯機から出てきましたって感じのしわくちゃ加減で、いかにもフランス人って感じ。
☆2本目の『夢の中に君がいる』はお昼をとるためにパス。 後に、ネット上でこの映画の感想をアップしているサイトを探してみたんだけど見つからず・・・。いったい誰がこの映画を観たの(笑)?
☆3本目『ソン・フレール』 うかつにも、わたしはこの映画の核となる場面で寝てしまったようだ。 不治の病に冒された兄が手術前に体毛を剃るシーンがあって、それが延々と続くらしい。わたしは、あ、体剃ってるな、と思ったときからしばらく記憶がない・・・。一般公開されたら、ぜひこのシーンを観に行こうと思っている(って、わたしって何者だ?)
☆4本目『畏れ慄いて』 いやー、盛りあがった盛りあがった上映後の質疑応答! 映画もおもしろかったけど、質疑応答はもっとおもしろかった。 アラン・コルノーいいなあ。もう昼間っから酔っぱらったおじさんといった感じで(というか、時間的にみて、この日も酔っぱらってたんじゃないだろうか)、この人をキライになる人なんているわけがない。
☆ラスト『イン・マイ・スキン』 結局のところ、本映画祭で一番衝撃度が高かったのはこれ。 かといって、胸をはっておすすめできるものではないが(正視できないシーンがあるし)、もしこの映画を買ってやろう!という奇特な配給会社があったらぜひ一見してもらいたい。 いったい何処の誰が、自分の初監督作品でこんなものつくりましょうか? 監督マリナ・ドゥ・ヴァンの前にはサム・ライミもひれ伏すに違いない。 女王様、わたしは一生あなたについていきます。
個々の鑑賞作品のコメント&写真はこちら
2003年07月04日(金) |
フランス映画祭2003(質疑応答) |
6月19日(2日目)
いつから映画を4本続けて観ても平気になったんだろうか。 2日目の木曜日、上映作品4作品は難なく制覇。
1本目『ミドルエイジ協奏曲』はちょっと気持ちが落ち着いたときにもう一度観てみたい。 2本目『ぼくの好きな先生』はやっぱりおもしろかった! 3本目『ラクダと針の穴』は試しにつくってみたといった感じ。なんとなく全体的にぽわ〜んとしているのは監督がヴァレリアだから? ラスト、『シェフと素顔とおいしい時間』は1度観ればいいでしょう。
わたしは昨年あたりから、上映後に行われる質疑応答はあまり見なくなってしまった。よっぽど好きな監督や俳優が来ているときは、彼ら見たさに残っているときもあるけれど、それ以外は、上映後そそくさと会場を出て、次の映画の列に並ぶ・・・という行動を繰り返している。
(でもこの日、『ラクダと針の穴』の監督ヴァレリア・ブルーニ・テデスキの質疑応答を聞きたかったのだけど、次のオープニングセレモニーの“席とり”に備えて後ろ髪引かれる思いで退場・・・ヴァレリア、ごめん!)
それというのも、質疑応答の中で興味深い質問がされるのはごく希で、ほとんどが「撮影中のエピソードを話して」とか「役を演じてむずかしかったことは?」といった類のものが多く、個人的にはあまりそういった質問の答えには興味がない。 “じゃあ、あんたが質問すればいいじゃん?”と思うかもだけど、わたしは映画観終わった直後、すぐに聞きたいことが見つからないのが常だ。 わたしは映画1本を消化するのに時間がかかる。 そして何か疑問点が浮かぶときは、観賞後、家に着いたときだったり、帰りの電車のなかだったりするので、観賞直後に質問するのは無理だ。
これに関しては、オタール・イオセリアーニ監督が、昨年の「TOKYO FILMeX」来日時に同じようなことを言っていた。 「TOKYO FILMeX」のクロージングに彼の新作『月曜日に乾杯!』が上映されたあと、イオセリアーニ監督を舞台に招き、質疑応答の時間があった。 はじまる前に監督は「普通は、映画を観てしばらくしてから聞きたいことが浮かんでくるものだ。映画を観てすぐに、質問が出るのかどうかわからないけれど、何かあったらどうぞ」というようなことを言っていた。 さすが監督、やはり、よくわかっていらっしゃる!・・・と、わたしは熱いまなざしをおくってしまった。
そんなわけで、フランス映画祭、わたしは11年も通っているのだけれど未だかつて1度も質問をしたことがない。なかにはとても良い質問をする方がいたりするので、そういう方が現われるのをひたすら待っている。 ドキュメンタリーの『ぼくの好きな先生』は、いったい何時間ぐらいフィルムを回したのだろう?とか、『ミドルエイジ協奏曲』は何でフランスで話題になったんだろう?とか、今頃になって、いろいろと聞いてみたいことが出てきている。
【7】フランス映画祭2003(そろそろ締めたい)
2003年07月02日(水) |
フランス映画祭2003(覚醒度と至福度) |
映画祭全般のことはこの辺で終わりにして、わたしが3日間通ったときの様子をちょっとだけ書いてこのフランス映画祭コラムも終わりにしようと思います。
6月18日(初日)
雨が降ろうが雪が降ろうが、フランス映画祭には行かねばならにゃい。 梅雨に入って1週間目、しとしと雨が降り出してきた映画祭初日。 でも傘ほど荷物になるものはない。わたしはこの映画祭にはよっぽどのどしゃ降りでなければ傘を持って行かない。幸い、桜木町駅から映画祭会場となるパシフィコまでの道のりは結構あるのだが、ランドマークタワー入口の「動く歩道」までをセーフすれば、クイーンズ・スクエアを経由してパシフィコの2階までするする通り抜けて雨にあたられずに行けちゃう。
映画祭がはじまる2週間ぐらい前から仕事の方も繁忙期に入っていて、休みなく仕事をしていたせいかかなり寝不足気味・・・。正直、こんな状態で映画祭を楽しむことができるのだろーか?と思っていたが、意外にもちゃんと観られたのはおどろきだ。 体の疲れはほぼ飽和状態(疲れているのかどうかよくわからない)だったけど、どちらかというと頭の方が正直だ。普通のおもしろさでは、どうにも頭がうまく反応してくれない。眠たくなる前に退屈してイライラしてくる。なにしてるんだ?わたしは? こんなもの観てるんだったら今公開されてる○○の方が良かったかなあなどと思ったり・・・。この時点で、刺激のある映画を求めている自分に気がつく。
既に「フランス映画祭横浜2003」のページを見てくれた方はご存じかもしれませんが、映画のコメントといっしょに「覚醒度」と「至福度」を★印でもって載せているのは、今年はどうも作品の評価がうまくできそうにないという、そんなわたしの策だったりします。
「覚醒度」=眠らずに観られたかどうか。衝撃度。 「至福度」=観終わって幸せな気分になったかどうか。
とまあ、そんな感じです。
映画祭終わって2週間たった今、時間とゆとりを取りもどし振り返ってみると、初日に上映された作品のなかでもう一度観たいなあと思うのは、ミシェル・ブラン監督の『キスはご自由に』のみかな〜☆
【6】フランス映画祭2003(質疑応答)
|