僕の、場所。
今日の僕は誰だろう。
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ときどき、思い出す。
まだ「少年」と呼ばれる年齢で亡くなった彼も詩が好きだった。
語り合うでもなく、遊び歩くでもなく、
ただ趣味を同じくする仲間で、それだけだった。
伝えられた訃報はあまりに淡々とした、携帯電話のモノクロ画面だった。
ときどき、思い出す。
夏の細い雨。黒のスーツ。雨。雨。
茫然自失の一週間。
そして、友人の言葉。
名前を呼ばれない卒業式。
まだ、足元を脅かす感覚。
重力がぐにゃりとする感覚。
ひとつの大きな教訓を手に入れて、僕は生きる。
きっと、彼の分も。
僕は生きる。
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