明方、淡路島で大きな地震があった。 うちの辺りも、かなり揺れた。 初めて、携帯の緊急地震速報が鳴った。 みんなの無事をネットで確認して、また揺れないことを願いながら、もう一度眠る。 メールの受信音で目覚めた。 「到着。昼食べたら移動。」 「地震あったでしょ。影響なかった?」 「飛行機は大丈夫だったぞ。」 飛行機? てっきり新幹線だと思ってたから、吃驚した。 「千中に向います。」 「あたしまだ準備してないよ。」 「到着。軽く飲んでる。」 「もう少し飲んでて下さい。」 慌てて、支度して、車を走らせた。 駐車場に車を入れて、電話をかける。…出ない。 折り返しで電話がかかってくる。
「どこ?」 「バス乗り場あたり。」 「お茶する?」 「スタバでコーヒーを買ったよ。」 「んじゃ、あたしも買う。」 「レシート持ってって『お代わり下さい』で100円だな。」 「何?そんなの知らない。とにかく行くから。スタバ前ね。」 逢うのは、久しぶり。 あたしは逢わなかった間に、かなり太ってて、それも伝えたんだけど…。 スタバ前のベンチに座るmasayaを発見。 「こんにちわ。」
「あい。こんにちわ。」 「スタバでコーヒー買って来る。」 「じゃあ、これを持って行くといい。100円になるから。」 「そなの?」 「そうだよ。」 彼に手渡されたレシートを見せて、カウンターで注文。アイスコーヒーで。 グランデサイズのアイスコーヒーが100円。 「ほんとに100円だった!」 「そうだろ。」 コーヒーを飲みながら、広場でやってた物産展を物色。 かまぼこと、明太チーズの天ぷらを買った。何買ってんだろ?あたし。 駐車場まで歩いて、ホテルへ。 千中からは車で10分程。
チェックインの間、masayaの後ろ姿をずっと見てた。 相変わらず、背が高くて、少し姿勢が悪い。また、痩せた? 部屋に入ると、やっぱりダブルの部屋。 …後ろめたいな。 何で、あたしはmasayaと逢っちゃうのかな? 単純に一緒に居るのは、楽しいと思う。 話していて、面白い。博識だし、何でも知ってるし。 ダブルベッドに腰掛けて、買って来た紅茶を飲んで、二人でテレビを観る。 何?この変な時間!笑 何もなければ、ないで、それでいいんだ。 一緒に居る時間が楽しいから。 2時間くらい、テレビ観てて、そしたら急に襲われた。 「あ。イッちゃうよ。」 「え?ほんとに。」 「はぁ。イってしまった。」 「何それ?ええええ。」 「我慢が足りなくて申し訳ない。」 なんだよ、それ。 あたしの歳上の彼氏のこと、散々言っといて。自分もダメじゃん。笑 もうね、なかったことにした。 いいの、アクシデント。 その方が、後ろめたい思いしなくて済むから。 一通だけ、メールを送信。彼に。 「お友達とご飯に行くので、今日は電話なしでいいです。 出来たら明日電話下さい。明日は何時頃?」 やっぱり、後ろめたいや。 返事も、ない。 しばらく待ってたけど、やっぱりない。 夕方から、居酒屋に行って、3時間半くらいご飯食べながら、喋ってた。 masaya君、相変わらず、面白いね。そして、やっぱ頭の回転早い。 ホテルに戻って、お風呂に入って、健やかに寝る体勢。 携帯を確認したら、彼からメールが来てた。 「明日は1日中試合なので、電話出来ません。月曜日にするよ。」 胸がチクっと痛い。 テレビを観て、チューハイを飲んで、御機嫌なmasaya。 お布団に入って、すぐに健やかにお休みなさいのmasaya。 相変わらずだね、変わってないね。 でもね、やっぱりあたしは、歳上のおやじが好きなんだ。今。 それなのに、masayaとの関係も手放したくない。 ------------------------- 朝、ひとりで起きて、ひとりでホテルのレストランへ。 masayaはまだ寝ています。 ひとりで朝食を摂って、コーヒーを飲んで。
部屋に戻ると、もう起きてた。 「masaya君。今日はどっか行くの?」 「梅田にでも出ようかなぁ。」 「んじゃ、どっかまで送る。」 「新大阪でいいよ。」 「じゃ、新大阪まで送るね。」 なんか、すごく早く家に帰りたい気分で。 …こんなの初めてだ。 自分の感情に着いて行けなくて、そのままmasayaを新大阪まで送る。 新御堂沿いに停めて、降りてくmasayaを見送る。 なんだろう、この気持ち。 振り返らないことを、確認して、車を発進させた。 masayaのことは、好きだと思う。 付き合い出して、もうすぐ丸12年。 あまりにも依存し過ぎてた。 彼が居ないと、生きて行けないと思う、そんな時もあった。 ね、なんだろうね、あたし達の関係って。 masaya君は、なんであたしに逢いに来てくれるの?
わかんない。
着信音が鳴る。 あ。メールが来た。 予定なら、明日来るはず。 キャンセルかもしれないと思いながら、開く。 「ホテルがありません。」 「大阪なら、どっかあるでしょ?」 …ツインなら、いっぱい空いてるよ。masaya君。 何故か、彼はダブルの部屋をとる。毎回。 なんでだろう。もう抱き合って眠ったりもしないのに。 ツインでも構わないのに。 それでも、ダブルの部屋に拘り続けてるのは、優しさなのかな? 「南千里のホテルをとりました。」 近っ。 あまりにも近過ぎて、笑える。 明日、来るんだね。ほんとに。
いつもいつも、いきなり。 「次の土日なら可能かな。」 え?何? 名古屋泊まりのこと? なんだかんだで、逢うんだ…。笑 長い時間メールをやりとりしてて、ホテルをどうするか聞かれた。 「名古屋なら、名駅か栄辺りでしょう?」 「私は大阪に行くんですが。」 何?なんでそれを先に言わないの? どうりで噛み合ないと思った! でも 本気で来るつもりなのかな? 彼の仕事は時間が安定してるわけじゃないし、直前までわからない。 それも知ってる。わかってる。 だから、直前キャンセルでも、あたしは大丈夫。
|