ふと思いついて、メールを送る。 「masaya君が、名古屋に泊まれる日があればいいんだけどね。」 それだけ。 そして、返事は
ない。
9日に結局逢えなくて、それから連絡もなくて。 別に、頻繁に連絡とってるわけじゃないけど。 連絡がなければないで、それでいい。 元気で居てくれれば、それでいいと思う。 逢えなかったことも、忘れかけてた時、 いきなり、masayaからのメールの着信音が鳴った。
「いかがお過ごしですか?」 定型文だね。笑 それから、延々とくだらないやりとりを続けた。 逢う予定もないし、気持ちは楽。 でも、彼は、様子を伺いつつ、逢えないか?みたいなことを言って来るわけで。 名古屋か…。 あたしの今の体調では、日帰りは厳しい。 無理すると体調が崩れることも、わかってる。 だから 当分逢えないヨ。 そんなことを考えながら、延々とくだらないやりとりを続けた。 「ねえ。何考えてるの?」 聞きたくても聞かない。
金曜日には出張に出てると言ってたけど、連絡がなかった。 メールを一通入れてみる。 「来てるよ。まだ考え中。」 そらそうだね。だって、移動時間3時間もかかるもの。 3時間あったら、家に帰れる時間でしょう? 来て欲しいのかどうか、自分でもわからない。 なんとなぁく、都合悪くなればいいな。とかも思ってしまう。 好き。なんだよ。 でも、恋愛の好き。じゃない気がする。 そんなことを考えつつ、今日になって、今朝メールが来た。 「体調が悪いです。今日は帰ります。」 「気を付けて帰って下さい。」 一言だけのメールを飛ばす。 少しだけ、ホっとして 少しだけ、残念。 不思議な感じ。
2013年03月02日(土) |
「何の問題があるんだ?」 |
ディスプレイに映るのは、2年前のmasaya。 通話ボタンを押して、つとめて平静を装って、出る。
「お疲れさまです。お仕事?」
「いやぁ、当然飲んでますよ。」
「そっか。あ、こないだは申し訳なかったです。」
「ああそれはいいですよ。仕方ない。」
「来週って?」
「まぁ、一応出張がそっち方面に入ったので。」
ああ、そっか。こっちに来るのね。 でも問題はそれじゃない。
「あのね、あたしこの1年ですごい太ったんだよ。」
「はぁ。それは前回より成長されたってことですね?」
「まぁそういうことです。それもあって、息切れとかして具合悪い。」
「そうなのか?」
「うん。検査しても異常ないから、自律神経失調症だって。」
「それでだな、来週なんだが…。」
「えっ?」
「なんだ?」
「えっと、だから、すごい太ってるんですよ。デブってるんで。それを言いたかったんです。あたしは…。」
「何の問題があるんだ?」
「いや、デブって嫌でしょ?」
「わたしがデブは嫌だとか、一言でも言いましたか?」
「いへ。言ってないですけど…。」
「じゃ、問題ないだろ。」
…なんだよそれ。 デブだから、ちょっと問題有りみたいに、12歳上の彼氏に言われてんだよ?なんで問題ないわけ?
「たたなかったら、~*Yuuちゃんのせいだ。ワラ」
「笑ってる場合じゃないでそ?」
今、一番のコンプレックスをそうやって笑い飛ばす。 なんだろう?この人。 昔と変わってないね。 ほんとなんでも、『吸収する』んだね。
少し酔っ払って、金曜日にはそっちに出張だし、夜に動けるのか、翌日朝なのかはわからんけど、移動するつもりだと、嬉しそうに話す。
あたしは、今は12歳上のおやぢと付き合ってるけど、最近の俺様っぷりに、ちょっと溜まってたのもあるんだろうね。
masayaとの久々の会話が、すごく楽しいと感じた。
「また詳しい事は連絡します。」
「あい。了解。」
「ではおやすみなさい。」
「はぁい。おやすみぃ♪」
これは、浮気ですか? なんですか? わかんないや。 もうなんでもいいや…。
こういうタイミングに連絡をしてくるのが、masayaの得意技だもん。 あたしが悩んでる時、弱ってる時、歳上の彼と少しギクシャクしてる時。 そういう時に、メールが来て、電話してくれて、「そかそか」って笑って話し聞いてくれて、相変わらず変で、相変わらず優しい。
でも、一番好きなのは、やっぱり歳上の彼氏なんだ。
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電話切って、彼の言う「出張先」を調べてびっくりした。 こっちに来るから寄るって言ってたけど…。
移動時間3時間?さんじかん…?
masaya君。 3時間って、ついでに寄る距離じゃないよ? 大丈夫なの?
移動に使える魔法なんて、あるのかしら…。
2011年の3月に、あたしは今の一回り上の人と再会した。 そして、彼との付き合いが始まった。
彼は高校時代の体育教師。 あの頃、とても好きだった。 そして、ずっと忘れられない存在だった。
その人と付き合い始める。
そして、あたしはmasayaにもそう伝えた。
彼は関係ないと言う。 2011年、2012年。年に何度かお誘いがあって 何度かあたしはmasayaに逢った。
masaya君は、相変わらずなのね。
「なんだ?まだオッサンと続いてるのか?」
そう言って笑う。
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2013年がスタートした。 2012年の1年は、あたしにとって辛い年だった。 体調の悪化。 原因不明で検査を繰り返した。 体重も一気に増えて、身体も精神的にも辛かった。
そのまま引きずって2月。 彼が逢いに来るという日に、あたしは熱を出した。
「熱が出ました。帰宅推奨。」
「はぁ。なら仕方ない。」
「あい。申し訳ない。」
「もう向ってるんだが。適当に徘徊して泊まって帰ります。」
あたしが泊まってくれって言ったのにね。 本当に具合悪かったんだよ、ごめんなさい。
もう連絡ないと思ってた。 フェイスブック内の友人がupした箱根温泉の記事。
10年前を思い出した。 小さな旅館。露天風呂ひとつ。内風呂ふたぁつ。 いっぱい入ってのぼせたっけ。
ふと
「masayaに逢いたい…。」
そう思った。 今の彼と付き合い出してからは、滅多にそんなこと思わなかったのに。
小さな旅館の思い出と逢いたいという気持ちを書いてupする。 送信が終わったとたん、
携帯のメール着信音が鳴った。
えっ? masaya君?
「来週のご予定は?」
…ほんと、なんてタイミングにメール寄越すのよ! ほんと変な力持ってるよね!
「電話できる?」
「30分後なら。」
「了解。待機。」 30分を少し過ぎて、携帯から彼の着信音が鳴り響いた。
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