enpitu




優しい=青い部屋=あたしとmasayaの日々。

2002年03月26日(火) masaya

どうして、あたしは彼を選んだんだろう。

200通以上のメールから。あたしはmasayaを選んだ。

変なメールを書く子で
いつもテキトーで
それでいて、適切で
受け答えが楽しくて
あたしの我がままもサラっと受け流して
無理な約束はしなくて
好きだとかは全然言ってくれなくて
でもいつも優しく抱き締めてくれて
あたしはmasayaに癒されて
彼といるといつも笑顔でいられて
喧嘩も一度もしたことなくて
えらひえらひと褒められるととても嬉しくて
落ち込んでも凹んでもよしよしと背中を叩かれると立ち直って

そうして、あたしはmasayaと8ヶ月間を過ごした。


『不安になったらいつでも言っておくれ。
わかってあげたいけど、わからないこともあるから。』

そんな言葉に甘えて、たくさんの我がままや愚痴を言った。
それでもいつもmasayaは笑って、テキトーにかわして
あたしはいつも、
怒ったり拗ねたり凹んだ笑ったり
くるくると感情的で
それでもmasayaはいつも一定の感情で接してくれた。


年末からの3ヶ月。
masayaがこの地を離れる事が決まってからは不安定でどうしようもなく
ぐずぐずと泣いてばかりいたけれど
あたしにとって、この3ヶ月間は準備と覚悟をするために
必要な時間だったのかもしれない。


masayaが行ってしまって、
一晩経った今朝。
祈るような気持ちでメールを送った。


おはやう。



しばらくして、masayaからメールが届いた。



おはやう。



何度かメールを交わして
昨日までとなんのかわりもなく
masayaは下らない事ばかりを伝えて来て
夕方の電話も、いつもと同じはじまりで
まだ、すぐそこにいるみたいな気がした。



前の彼と別れた時、凹んでいたあたしにmasayaが言った。

「嫌いになる必要なんてないんじゃない?
好きなら好きでそれでいいだろう。」

離れたからといって、嫌いになる必要はなくて
相変わらずあたしはmasayaが好きで
相変わらずmasayaはテキトーに相手をしてくれて
相変わらずあたしは勝手に泣いて勝手に凹んで
そうして勝手に癒される。
そう、何も変わる事はないように見えた。

ただ、あたしが愛した=青い部屋=はもうどこにもない。



今度逢う時はどんなmasayaになっているんだろう。
『どーも』と笑って、相変わらずなのかもしれないなと
あたしはそう思って笑ってみた。


それは泣き笑いだったけど、
笑ってみると少しだけ元気になれたような気がした。



=End=








My追加



2002年03月25日(月) 月曜日/花冷え『気ヲツケテ、マタネ。』

月曜日。
今日本当にmasayaは行ってしまう。

なんだかまだ信じられなくて。

朝起きてメールを入れる。おはやう。
すぐに帰って来る。おはやう。

支度をして、車に乗り込んだ。
途中の桜並木はもうすぐ満開。
天気予報は晴れだが、風は冷たい。

花冷え。だろうか?

駐車場に着くと、masayaの車がない。
不安になってメールを入れる。

出動したの?

家の前に置いてるんだよ。

車を置いて、通い慣れた道をテクテクと歩く。
駐車場前のコンビニ。



masayaのいきつけの煙草屋。

歩道橋の下を右に曲って、住宅地に入る。



築何年経つんだろうか?
今どき珍しい文化住宅。
一階の端から2番目。102号室。
一番奥は真っ青な砂壁の=青い部屋=


見なれた車が停まっている。
ドアは開け放たれていて、入ると荷物が積み上げられていて
何もない部屋で、masayaがいつもの笑顔で迎えてくれた。

午前中はガスと電気と水道の閉栓が来るんだよ。
そか。

肌寒い中を歩いて来たので、手が冷たかった。
抱き着いて、masayaのTシャツの中に両手を入れる。

やめてくれよぉ。人でなしかぁ?人間としてどうかと思うぞぉ。冷たいっ!

いいぢゃん。冷たいんだもん。あったかいよう。

ゆうちゃんはあったかくても俺は冷たいぞぉ。

いいぢゃん。


そうやって、少しの間じゃれあった。
もうこんなふうにじゃれることもできない。だからいいぢゃない。

ガスと電気の清算をして、masayaは買い物に行くという。
まだ水道料金の清算が来ていないので、あたしは留守番をすることにした。
何もない青い部屋。




ガランとして、広くて、壁だけが真っ青で。
masayaの青い毛布に包まって、天井を見上げて、
少し泣きそうになった。

バタバタと忙しく午前中を過ごして、
昼食は、今まで行けなかった店で、行きたかった店で
中華料理を食べて、口許にごはんつぶをつけるmasayaを見て、あたしは笑う。

子供みたいだよ。masayaくん。


部屋に戻るとやっぱり寒くて、
少しだけ陽の差す窓際に並んで座った。




もう、行っちゃうんだね。ほんとに行っちゃうんだよね。

あい。

淋しいよぉ。


抑えていた涙が少し溢れる。抱き着いて、そのまま少し泣いた。
masayaはあたしを抱き締めて、背中を撫でて、何度もキスをした。




大丈夫か?

…大丈夫なんかじゃない。


そう言って、また少し泣いた。


何もない部屋で、
一枚の青い毛布だけで
時間がないあたしたちは
服も着たままで、慌ただしく抱き合った。

masayaの躯。
重み。背中の感触。
首筋。唇。抱き締める腕。
明日からはもうここにいないと思うとたまらく辛い。
慌ただしいセックス。

抱き合う事で淋しさが埋まるわけではないが
あたしは抱かれたかった。
何度かあたしはキモチイイと呟いて
masayaも同じ言葉を囁いて
ひときわ動きが激しくなって、彼はあたしにもう我慢できないと伝える。

モウ、イクヨ…。
イチバンオクデ…オネガイ。
彼の痙攣を受け止めて
彼の体液を受け止めて
あたしは果てる。快感。

短い抱擁の後、またあたしたちは何ごともなかったかのように
引っ越しの準備を始めた。

荷物を運んで、あたしはもう帰らないとイケナイ時間。
別れを惜しむ暇もないほど、忙しく時間は過ぎて行った。

「後で必ず寄るから。」

masayaはそう言う。



------------------------------------

夕方になっても連絡はない。

もしかして、もう行ってしまったんじゃないかと
別れの言葉も伝えないままに勝手に出発してしまったのかと
不安になってメールを入れた。


まだいる?

いるにはいます。終わらないよ。


何が終わらないのかわからないまま。
あたしはただ待つ。
しばらくするとそうmasayaからメールが入る。

今から持って行ってもいい?



ちょうど、あたしは出れない時間帯で
レスを返す事もままならず、そのまま15分程が過ぎた。


もう時間がない。ていうか、来てるんだ。

どこ?

近くまで。


もう近所まで来てるらしい。
近くのコンビニまで来て貰って、あたしは口実を見つけて一瞬だけ外に出て、
荷物をいっぱい積んだmasayaの車に駆け寄る。


ごめんね。

いへいへ。はい、ゆうちゃんに渡す物。


彼が持って来たのは、粘着ロールの掃除道具とお茶の缶と
masayaの名義のガソリンスタンドのカード。
苦笑してしまう。


ありがとう。

いへいへ。


車のドアを開けて、一瞬のキス。
軽くあたしの頭を撫でて、masayaは言う。


ちゃんと連絡するから。ひとでなしじゃないぞ。

うん。ありがとう。気をつけて。

いつものように、
普段と全く変わりなく、masayaはじゃあと手を上げて
車を発進させた。





本当に、別れを惜しむ暇もなくて
涙を流す暇もなくて
あっと言う間の出来事だった。


家に戻って、メールを送る。言いたかったこと。
いつも言いたくても言わなかったこと。



masayaくん。ありがとう。
言い忘れた。大好き。



ありがと。
俺も好きだから嬉しいぞ。



最後まで騙されどおしだったよ。泣。
ひとでなしにならないでね。約束。



あい。そうします。


最後のメールも
いつもと全く同じようなテキトー言葉だった。






My追加



2002年03月23日(土) 土曜日/ネックレス

朝起きて、すぐに支度をした。

昨日逢えなかったので、少しでも長い時間一緒に居たかった。
メールを入れてもレスはない。きっと寝ているんだろう。
そのまま、車で彼の家に向かう。

駐車場から歩いて、家に着く寸前に電話をかけてみた。

一度目。切られた。ねぼけてるんだろうか?
二度目。電源が入っていません。
三度目。…あい。もしもし。
    開けてくださひ。
    あい。


扉が開くと、寝ぼけた姿のmasayaが立っていた。
鍵を開けるとまた布団へ戻って行く。
…やっぱり、眠いのね。

ゴロゴロと布団の中で抱き着いてみたり、ちょっかいを出したりすると
ううううん。
眉間に皺を寄せてmasayaは嫌がった。…本当に眠いのね。
仕方がないので、一緒に眠る事にした。
もう、こんな時間も過ごせなくなる。
一緒にいるだけでも幸せだけど、ちゃんと動いてるmasayaが見たかったな。
そんな事を考えながら、腕枕でウトウトと眠ってしまった。

1時間ほどウトウトと寝て、
masayaはねぼけたままであたしの身体を弄って、
あたしもゆるやかな快感にそのまま身をまかせて。
そのまま、あたしたちは抱き合う。

あたしはこれが本当に最後かもと思って
masayaの身体を覚えておこうと思った。

綺麗な身体。
無駄な脂肪がほとんどなくて
鎖骨が綺麗に浮き出ている。
あたしはmasayaの鎖骨が好きで
何度もここを噛んでは痛いと言われた。
少しの前戯で、あたしはすんなりと彼を受け入れる。
快感。いつもの倍程感じるのは気のせい?
masayaの首に手をまわすと
いつものように抱き上げられて、あたしが上になる。

あっ、、当たるの、、、。

子宮口だろうか?コリコリとした感触。
痛いような、それでいて甘美な快感。

当たってるね。

うん…。

そのまま何度か果てて、あたしはmasayaの上に倒れこんだ。


ねぇ、すごいの。感じるの。

何度もあたしは貪欲に果てて
masayaはあたしの中で果てる。
彼の痙攣を躯の中心で感じる。
…幸せだ、あたし。




後始末をしてるmasayaが呟いた。

あ、血だぁ。

当たってたもんね。だからだよぉ、仕方ないかも。


そいえば、masayaとのセックスの後の出血であたしの子宮筋腫が発覚したなぁ。
なんて思い返してみた。


ねぇ。ディスカウントストアに連れてってよ。

ん?良いよ。いつ。

今から。ホワイトデーだぁ!

はいはい。

支度をして、一緒に部屋を出る。
あたしの車で、masayaに道をナビしてもらって、到着。
小さい可愛いシルバーのネックレスを
masayaに買って貰った。

2種類のペンダントヘッドを選ぶ。

ねぇ、どっちがいいと思う?

俺はこっちのがいいなぁ。

じゃぁ、それにする。

ネックレスは程よい大きさで、
クロスの中心に花のような彫刻があって、
高いものではないけど、あたしには似合ってる。

何かね、残るものが欲しかったのよ。
身につけるものが欲しかったのよ。
すぐに忘れないようにね。
ほんと、無理矢理買わせちゃったなぁ。えへ。

だって、こうでもしないとシレっとした顔で、
知らん顔して、masayaは行っちゃうでしょ?


My追加



2002年03月22日(金) 金曜日/忙しい

金曜日は逢えるよ。

そうmasayaが言っていたので、朝からメールを入れてみた。

おはやう。今日は午後から待機してて良いのでせうか?

良いよ。待機していておくれ。


良かった。逢えるかもしれない。
でも、もしかして、今日が最後?不安がよぎる。

午前中も過ぎて、午後になってもまだ連絡は入らない。
メールで聞いてみることにした。状況がわからなくて待つのは苦手。

何時くらいになりそう?

わかりません。お仕事いっぱいです。泣。


ここのところ、引っ越し作業で何日か休みを取っていたので
忙しいらしい。ああ、嫌な予感が当たったなと、ひとりで苦笑してみた。
もしかして、このまま逢う事もできずに行ってしまうんだろうか?

不安で、淋しくて、友人にメールを入れると電話をかけてくれた。
お茶にでも行く?そう誘ってくれたけど、もしかするとmasayaから連絡があるかもしれない。
やっぱり待ってる。そういって、電話を切ると、メールが着いていた。

電話中ですか?

masayaだった。連絡くれたんだ。急いでレスを返す。
すぐに電話が鳴る。

こんにちわ。

どーも。

忙しいの?

どうにも忙しいです。昼食もまだだよ。

そですか。仕方ないね。

でも、月曜日はいるぞ。


えっ?今日が最後ぢゃないの?まだ逢うチャンスはあるの?


あい。あるよ。

…明日は?

明日も午前中はいるよ。

行ってもいい?

いいよ。


なんだ、今日が最後じゃなかったんだ。
そうとわかって少し安堵した。
明日の土曜日と、来週の月曜日。

あと2回。




そして、月曜の夜にmasayaはここからいなくなる。






My追加



2002年03月20日(水) 水曜日/最後のおかへり。

朝、メールを送ってみる。
予定では今日帰ってくる筈。

おはやうござひます。

しばらく経ってから、メール着信。

今○○だ。ガス屋待ち。


同時期に引っ越しする友人と一緒に荷物を運んだので
一緒に帰ってくるのかな?とそう思った。

じゃぁ、帰って来たらメールくださひ。

あい。


午後になって、少し聞きたい事があったので、またメールを入れた。
すぐに携帯が鳴った。masayaから電話だ。
思いがけずにかかって来たので嬉しい。

下らない事を少し話して、今どこにいるのかを聞いて
気を付けて帰って来てねと、電話を切る。
夕方もう一度メールを送った。もう着いているころだろう。

もうついた?

そです。つきました。

それだけ。
そして、あたしは最後になるかもしれない『おかえり』のメールを
masayaに送信した。レスがないのが、少し淋しかった。
でも無事に帰って来たので、それだけでいいです。






My追加



2002年03月18日(月) 月曜日/いってらっしゃい。

ついにこの日が来たという感じだ。

朝起きると少し憂鬱だった。
出かける用意をして、masayaに電話をかける。
明け方まで、今日の用意をしていたらしく、やっぱり寝ていたようだ。

15分程でいつもの駐車場に到着。
コンビニでジュースを買って、テクテクと歩いた。

ドアは開けてくれている。
中に入ると、奥の青い部屋ではなくて、真ん中のベージュの部屋でmasayaは布団で寝ていた。

台所も
奥の青い部屋も
真ん中の部屋も
…ダンボール箱と荷物でいっぱい。

彼がいなくなるという事実を実感する。
淋しいという気持ち、大きな不安。

不安を隠すように、おはようと言って、布団の上から馬乗りになって起こしてみた。

ううううん。重いやう。

重ひ?

あい。重ひです。

上着を脱いで、布団の中に入る。
すぐに抱き締めてくれる。あったかくて、また泣きそうになった。

ゆうちゃんが来るので午前中は何もしないでいいように全部用意してみたよ

…ありがと。


だらだらと抱き合って、
いつもと違う静かなセックスをした。
動かなくて、ただ繋がっているような。
それでもとても感じて。
感じているから泣きそうなのか
淋しいから泣きそうなのか、
不安だから泣きそうなのか、
こうしていることが嬉しいから泣きそうなのか。
よくわからない。

…ね、、、奥まで入ってる?

もう、少し入るよ。

そのまま少しずつ彼はまだ入って来て、そこが限界と言う場所で動きを止めた。
勝手に子宮が収縮する感じ。
一体感がとても大きくて、すごく感じる。
小さく動いて、彼が呻く。

デチャイソウダヨ…。

…ダメ、イカナイデ。マダ…。

しばらくそうしていると、躯の一番奥で、彼の痙攣を感じた。
耳許では、masayaの溜息。


スゴクキモチヨクテ…。イッチャッタヨ。

ダメッテイッタノニ。


ほとんど動いていないのに。そう言って笑う。
二時間程しか寝ていなかったmasayaはまたすぐに寝息を立てはじめる。
あたしは彼の躯にいたずらをしていたが、
本当に眠くて嫌そうだったので、少し我慢した。
そして、一緒に眠ってしまう。

1時間程たっただろうか?携帯のアラームが何度もなった。
もう出かけないと。
今からレンタカーを借りに行く。

そう、masayaの引っ越しの為に。


別れがたいあたしは、結局彼を市内のレンタカー会社まで送っていって、
我がままを言って一緒にランチをとってもらった。

普段と同じ会話をして、
何気なく引っ越しの段取りを話して、
できるだけ、普通通りにしようと思って。
そして、昼食が終わって、あたしは家へ。
masayaは遠い場所へ引っ越し。

気をつけてね。

あい。

運転気を付けていってらっしゃい。

じゃぁ、いってきます。


見送るのが嫌だったので、あたしは先に駐車場を出た。
そして、引っ越し用のワンボックスの運転席のmasayaを
ルームミラーでそっと見た。

いってらっしゃい。







My追加



2002年03月15日(金) 金曜日/もう逢えないの?

時間を取るって言ってたのに。
午前中のメールにはレスがなかった。

また、寝てるんだろうと思って、
もしかすると、もう逢えないのかもしれないって思って、
行かなくてもいいのに、masayaの部屋に向かってしまう。
車を運転してる間にメールを一通入れた。

何してるの?

暫くして、やっとmasayaからメールが来る。
あたしはもうmasayaの借りている駐車場に入るところだった。

おはやう。

駐車場に車を停めて、電話をかける。


おはやう。まぁた寝てたのね?

あい。寝てました。

もう出る?

あい。出動です。

ぢゃぁ、駐車場に居るから。

居るのかぁ?

居るよぉ。来ちゃった。だって、もう逢えないのかと思ったんだもん。


少し涙が出て来た。
masayaが来るまでに落ち着こうと思って缶コーヒーを飲んで、煙草を一本吸う。
つーっと涙が頬を伝う。あ、泣いてる。あたし。

そんなことも知らずにmasayaはいつものように、飄々とした姿で現れた。
助手席のドアを開けて乗り込んで来る。


寝てたやう。

そか。もう逢えないかと思ったよぉ。

なんで?俺はそんなつもりは毛頭ないが。

だって、masayaのスケジュール聞いてたら、どう考えても今日が最後でしょ?


涙声で、少し責めるようにあたしはmasayaに訴える。


そうかー。

そう言いながら彼は笑う。


そんなに人でなしではなひよ。月曜日に逢おうと思ってた。短い時間を縫ってだが。

ほんと?

ほんとだぞ。

なんだぁ、じゃぁ、あたしが勝手に決めて勝手に落ち込んで泣いてるって事?

そうだなー。

ほんとに月曜日に逢えるの?

逢うつもりだぞ。


そこまで話して、やっと少し落ち着いた。
あたしは本当にもう今日が最後で、masayaは行ってしまうものだと思っていたもの。

少し落ち着いたあたしはmasayaと何度かキスをして、
仕事場に向かう彼を見送った。


いってらっしゃひ。

いってきまふ。


あと、何度こんなやりとりができるんだろう?







My追加



2002年03月14日(木) 木曜日/ホワイトデー

朝、少しの期待を持ってメールを入れてみた。
今週できればもう一度時間を取ってみるとmasayaは月曜日に言っていたから。

午前中の早い時間のメールにはまったく返事がない。
あたしは少し眠って、起きてからもう一度メールを入れる。

『何してるの?』

「昼飯食ってトラック待ち。」

『引っ越しの?』

「違うよ。高級な鉄板が来るんだよ。」

高級な鉄板って…。
仕事場に搬入されるらしいが、あたしは高級な鉄板に負けたのかと思うと
ちょっと悔しかったりもした。

でも仕事だし、仕方ないよね。

せっかくのホワイトデーだけど。






My追加



2002年03月12日(火) 火曜日/勝手な妄想

少し先の事を考えると、不安に押しつぶされそうになる。

あたしは大丈夫なんだろうか?

本当はぜんぜん強くないのに、でも強がりばかり言って、
大丈夫よと、笑っていられるんだろうか?

そんな事を考えていると、何かをしなければと思う焦燥感がつきまとう。
何か新しい事をしなければ。この春から。

あたしは仕事を探しはじめた。
なんでもいいわけではなく、自分の好きな仕事をしたい。
そう思って、面接を受けに行った。

あたしが受けた会社は思ったよりずっと人気があって、
何十人と言う応募があった。
7人グループでの面接。18や20の若い女の子に混ざって、不安ながらもそれは終わった。
思ったより難関。たぶん、無理だろうと自分でも思った。
体力面、実際に仕事に入れるシフト、家事もしなければならないという制約。
…落ち込む。

masayaからはメールの返事が朝からまったくない。
その事が落ち込みに拍車をかける。

急に思い付いて、買い物の帰りにそのまま彼の家に行ってみようと思った。
彼の家の近くのスーパーで買い物を終えて、あたしは車を走らせた。

駐車場にmasayaの車が停まっていた。

どうして家にいるの?どうしてメールに返事してくれないの?
一気に不安感が押し寄せる。止せばいいのに電話をしてしまった。

お仕事ちゅう?

そうだよ

おうちで?

…さっき帰って来たんだよ。もう出かけるが。

顔だけ見る。待ってる。


そうは言ってみたが、車で待っている事もできない。
車から降りて彼の部屋へと歩く。

途中で家から出て来たmasayaと会った。
なんとなく気不味い。

駐車場まで歩いて、少し話をした。
何故かよそよそしいと感じた。不安。苛立ち。
泣きたい気持ちなのに、平気なふりをして話す自分自身も嫌だった。
別れる前の軽いキス…。それさえも、気になった。

帰ってからmasayaにメールを入れる。
勝手にまた押し掛けて怒っていないか、不安だった。
それに、もう一つの不安もあった。他の女?

『他の女連れ込んでるのかとドキドキしちゃった。
ばかみたい。あたし』

そんなメールを入れてしまう。
馬鹿みたい。嫌味な女だ。あたしは。
当然レスはない。

レスがないということは図星なんだろうか?

あたしには彼が誰と付き合おうが何も言う権利もない。
masayaがあたしだけと付き合わないといけないという義務もない。
わかっているのに、ちゃんとわかっているのに、そんな事を言ってしまう。

masayaからのレスが来るまで、色んな事を考えた。
勝手な妄想は膨らむばかり。
ホットカーペットの上で毛布に包まってシクシクと泣いた。

携帯が短く鳴った。masayaからメールだ。


『そーか。笑。珈琲飲みながらそろそろ仕事でもするかぁ』

『この時期にそんなことしてたら、俺ってすごいとも思う。
現実的に不可能です。フォローになってないが。』


確かに、一言も否定はしていない。現実的に考えて不可能だと言っているだけだ。
でも、それでもなんでも、そうやって、レスを入れてくれる事が嬉しかった。
そして、ちょっとだけ安心した。






My追加



2002年03月11日(月) 月曜日/誘い

土曜日も日曜日もmasayaからはメールがほとんどない。正直淋しいなと思う。
でも週末は仕方がない。あたしだって、そんなに頻繁にはメールも入れられないもの。

月曜日の朝のメール。おはやう。おはやう。いつもの調子。
masayaのメールはいつもそっけない。たまに泣きたくなる程のそっけなさだ。
でも微妙なやりとりなので、楽しい。
今日も忙しそうだ。きっとまた逢えない。

友人とランチを食べに行く事にした。だって、淋しいんだもの。落ち込んでるんだもの。お昼のファミレスで待ち合わせて、ランチバイキングというのを頼んだ。フラストレーションを解消するかのように、あたしは食べる。淋しい女は太るというのが、なんとなくわかる。

急にあたしの携帯が鳴る。非通知。誰?

たまたま携帯を触っていたので、うまく取れずに切ってしまった。
メールをやりとりしていた女の子からだろうか?
また、携帯が鳴る。出るとmasaya。
彼からは変なメールが何通か来ていて、相変わらず忙しく仕事をしているような感じだった。


どしたの?

目が痛いし、ダメダメです。

なんでも個人的な実験で有毒ガスを吸ったらしい。
まったく何をしているんだろうか。


大丈夫?今からまた仕事?

いや、時間が取れそうなので、電話してみた。


思いがけず誘われて、とっても嬉しかった。後1時間で出られるらしい。
友人とのランチを終えると、あたしは一度家に帰る事にした。
masayaの1時間は1時間半や2時間になることも多いから。

車を運転していると、メールが入った。

今から出る。

集合場所はホームセンターと電器屋がある場所だ。何か買い物をするらしい。

ひさしぶりに逢ったような気がする。
本当は木曜日に逢っているのに。
でも、今のあたしには足りない。

masayaが行きたいという辺鄙な場所のホテル。
相変わらず、探検だとはしゃいで、デジカメで画像を撮る。
勝手にあちらこちらと扉を開けては、シャッターをきるmasayaを見るのは楽しい。
でも、別にこれと言って【探検】する箇所もないようなホテルだったが。
一通り画像を撮り終えて、おもむろに彼は言う。


さて、脱いでみやう。

ぢゃぁ、あたしも。

抱き合うととても温かくて、とても気持ち良くて。
たくさんのキスがとても嬉しくて。あたしも彼にしてあげたくて。
舌を這わす。
唇でなぞる。
口に含む。
もっと奥まで…そう思って含んでゆく。
呼吸ができない程、喉の奥で感じる。

いつもしてくれるから、嬉しいよ

そう言う彼に返事をする代わりに、あたしは愛撫を繰り返す。
唇をそっと離すと、それはあたしの唾液で光っていた。
そのまま彼の上になる。
あたしは彼を愛撫する事で感じる。いつもそうだ。
繋がると躯の中がいっぱいになるように感じる。
そっと動いてゆっくりと感じていたいのに、いつもその願いは聞き入れられない。
激しく突き上げられて、同じように激しくあたしも動いて
瞬く間にイク。これの繰り返し。
すぐにあたしは根をあげてしまう。

正常位になって、脚を持ち上げられて奥まで。
躯が震える。呻くように声をあげる。

まだ入るよ。

そう言うとmasayaは一番深い場所まであたしを貫いた。

スゴイの…

圧迫するように押し付けられると、我慢できない。
そのままあたしは果てた。

セックスが終わるといつものようにだらだらと抱き合って過ごす。


ねぇ。あたしのコト好き?

ん?とーぜん好きだよ。

だって、聞かないとmasayaくん言ってくれないんだもん。

それはほら、恥ずかしいから。

…違う。そうぢゃない。

うーん。またの機会に。

そんな事言って言わないんでしょ?


そんなやりとりをしていると、なんだかあたしの一方通行な想いばかりを押し付けているようで滅入って来た。
いいじゃない。たまには言ってくれたって。

masayaはあたしが好きだと言うと、好きだと返す。
いつもそう。彼からは言わない。
たくさん抱き締めて、たくさんキスをして、たくさん撫でて、可愛がってくれるが
masayaからは好きだと言わない。
仕方がないのかもしれない。
こんな関係だもの。どこかで線を引いてるのかもしれない。
あたしは自分でそう言い聞かせる。

たった一度だけ、彼から先に言われた事があった。
きっともう言った事も忘れているだろうなと思うと、少し淋しい気がした。

抱き締められているのに、涙が出て来る。
しばらく言葉もなく抱き合っていた。

何度かのためらいの後、masayaが耳もとで囁いた。小さな声で。

『好きだよ。』

「…」

涙が溢れそうになった。
それが恥ずかしくて、誤魔化すように、ちゃかすようにあたしは答える。

良かった!言ってくれて。というか、無理矢理言わせちゃったよね。
でも無理矢理にでも言わないと、masayaくんぜーんぜん言ってくれないんだもの!
すっごい嬉しい。本当に嬉しい。ありがとう。

masayaは「いへいへ」と笑って、あたしを抱き締めた。


あたしはもう一度言う。

「…ありがと…」


masayaの前では笑っていたいと思う。
心配をかけたくないとも思う。

でもほんとは、不安に押しつぶされそうで、泣いてしまいたい。
抱き締められたまま、思いきり泣きたい。

あと、わずかな時間しかもう残っていない。






My追加



2002年03月09日(土) 土曜日/逢えない。

金曜日の深夜、masayaが家に着いたというので、電話をしてみた。

「明日行ってもいい?」

「うううん。仕事出るかもだよ。」

…そうだね。今忙しいしね。わかってるんだけど。少し会話をして、もしかしたら行くかもしれないと言って、電話を切った。しばらくして、ふとあたしはカレンダーを見る。

あっ。土曜日…ダメだ。

その事に気付いたあたしは、深夜にメールを入れた。

『明日行けません。お仕事頑張ってくださひ』

もう寝てるであろうmasayaの事を考えながら、あたしはネットで遊び続けた。

逢いたいです。 







My追加



2002年03月07日(木) 木曜日/ランチ

朝、急に思い付いて、masayaをランチに誘ってみた。
いつもごちそうになっているし、いつもお世話になっているので、
今日はあたしがごちそうするつもりで。
masayaが忙しいのはわかっていたが、ダメならダメで仕方ないと思っていた。

彼の返事は、お昼にでかける用事があるから、その後ならオッケーだというものだった。
きっとそんなに時間も取れないんだろう。

11時を過ぎた頃に、そろそろ出ようかと思うとメールが来た。
待ち合わせ場所まで車で向かう。
少し遅れて来た彼は髪を切っていた。

切ったのね。

ああ。切ったよ。どーにも鬱陶しいので。

まだmasayaはお昼からの用事を済ませていなかったようだ。
一緒にそこまでいって、あたしは車の中で待っていた。少しでも長くいられるのは嬉しい。

まだ何を食べるか決めていなかった。
適当な店を2軒ほどあげてみて、絶対空いている方に行くことにした。
時刻はもう12時を過ぎている。

結局はあたしの食べたいものになってしまって、少し苦笑。
masayaはビールを飲む。あたしも少しだけ口をつけてみた。
苦い。いつまでたってもビールはおいしいとは思えない。

一緒にランチを取って、デジカメで彼の画像をちょっと撮ったりして、
食後のコーヒーは他の店へ行く事にした。

珈琲専門店。彼が良く行く店の他の支店。
ストロングブレンドをあたしは頼んで、masayaはサンドライブレンドというのを頼んだ。
一口味見すると、masayaのほうがあたしのより苦かった。

カウンターの隣に座る彼をじっと見る。
睫毛が長い。ねぇねぇ、ビューラーであげさせてよというと、masayaは嫌ですと言って笑った。

後はもう帰るだけだ。
駐車場に戻って、少しだけキス。珈琲と煙草の香り。

帰り道が混んでいたので、迂回して帰ることにした。
はじめて通るという道を彼は選ぶ。ねぇねぇ、知ってるの?大丈夫?少し不安。
ずぅっと進んでいくと、道は細くなり、住宅地に入り、そして、大きな団地の中に続いていた。
それを抜けると、masayaがたまに行く輸入食材をたくさん扱うスーパーの前に出た。

あ、ここだったのねぇ。

そだよ。ところで、買うもんはないのか?

あたしはここのプリンが好きだ。そんなことを言われたら急に食べたくなったので、Uターンして、戻って貰った。

カクテルプリン350円。masayaの部屋で何度か一緒に食べた。
アップルグアバジュース。masayaの部屋で前に少しだけ飲んだ。すっぱくておいしかった。
それだけを買って駐車場に戻った。

masayaの家の近くを通る。
左に曲がればいつもの駐車場だ。でも今日は右折。
少し残念。でも仕方ない。

ガソリンを入れに行って、待ち合わせた場所まで送って貰った。
なんだか別れるのが惜しくて、車の中で一本だけ煙草を吸う。
吸い終わって、さよならのキスをして、あたしはmasayaの車から降りた。

時間がないのに逢ってくれてありがとう。
普通のデートをしてくれてありがとう。





帰ってから、ひとりでプリンを食べてると、少しだけ涙が出た。







My追加



2002年03月06日(水) 木曜日/不安定なメール

火曜日の夜はさすがにきつかった。

あたしはどうしようもない感情をひとりで抱え切れずに、
チャットで15も歳下の友人に聞いて貰った。
後から後から溢れて来る涙で、あたしはモニターが見えなかった。

聞いてもらっても、何も事態は変化することもないが、それでも少しだけ軽くなれた。

軽くなれたような気がしていたのに、深夜ひとりになってしまうと
どうしていいかわからなくて、あたしはmasayaにメールを送った。

それは、とても不安定なメールだった。

何をやってるんだろうあたし…。







My追加




2002年03月05日(火) 火曜日/逢えるの?

どうしても逢いたいあたしは、深夜にmasayaの携帯にメールを入れる。

今日はの午後は逢えますか?

朝、レスが入っていた。

『おはやう。で何時頃がいいんだ?』

今日も駄目だろうと思っていたので、少し嬉しかった。
でも、半信半疑。
1時頃とレスを送って、masayaからのメールを待った。

とりあえず昼飯?

残念な事に、あたしは今日、予定が入っていた。
本当に残念。一瞬そっちの予定を断ってしまおうかと思った。
でも、友人の送別会。断るわけにはいかなかった。


逢えるの?

あい。


友人たちとのランチの間、masayaからのメールを待つ。
ふと気付くと携帯が圏外になっている。慌ててアンテナを伸ばしてみる。
電波は届くんだろうか。masayaからのメールはちゃんと着くんだろうか。
少し不安で、それでも一通りのコース料理を食べ終えた。
ちょうどそのタイミングでmasayaからメールが着いた。

どこに行けばいい?

待ち合わせの場所を決めて、これからまたお茶に行くという友人達に午後から用事があるので先に帰ると詫びて、私は慌てて席を立った。空模様が怪しい。一度家に帰らないと。
家に帰って、残っていた家事を手早く済ませ、masayaに渡す機械の包みを持って家を出る。
車を運転してると、またメールが来た。

ついた。ぶらぶらしてるっす。

駐車場に車を置いて、店内に入る。
きょろきょろ見回してもmasayaの姿が見えなかった。どこだろう?
ふと、振り返ると、歩いて来る彼が見えた。ひさしぶりに逢うmasaya。

…こんにちわ。

なんとなく気恥ずかしかった。
逢えなくて、不安定になって、ぐずぐず拗ねてたのが恥ずかしかった。

masayaは相変わらずひょうひょうとしていて、車に乗り込むと、すみやかに左折などといいながら運転する。近くの和食のファミレスのような場所で彼は昼食を取る。あたしはアイスコーヒーを頼んだ。食事をするmasayaをみながらストローでアイスコーヒーを飲む。

昼御飯をパクパクと食べるmasayaをあたしは少し嬉しく眺める。

何?

なんでもない。見てるだけだよ。

そんなふうな適当な会話。
食事を終えて車に戻って、masayaに渡す包みを開ける。今流行のEMSの機械だ。
じつは彼に借りていたのだが、調子が悪くなったので、メーカーに電話して代替品が来ていた。
箱を開けると、前のやつより上のランクでちょっと嬉しい。

さて。じゃぁ、プルプルと震えるところにでも連れ込んでみやう。


3度目。小さいがサービスがいいホテル。最近は雑誌にもよく紹介されている。
部屋に入るとさっそく包みを開けて、masayaは機械を装着する。

うわー。すごいぞぉ。

ほんとぉ?

うん。ゆうちゃんもやってみろー。

ええー。痛そうだよぉ。

一通り、EMSで遊んで、masayaは説明書をうんうんと頷いて読んでみたり。
そんなことをしていると、バスタブにお湯がたまった。


一緒にお風呂に入るのはどれくらいぶりだろう?
バスバブルで泡立った浴そうに身体を沈める。
ジェットバスでどんどん泡がふくらんでいく。
集めた泡をmasayaの方に寄せてあたしは遊ぶ。
泡で遊ぶ事に飽きると、抱き着いてキスをする。そうやってしばらくあたしは泡とmasayaと戯れていた。

先にあがって、ベッドに横たわるっていると後からあがったmasayaが入って来る。

失礼しまぁす。

ねぇ、いっつもそういうよねぇ。

そかぁ?挨拶だよ。一応。

抱き締められるのも久しぶり。たくさんのキスも久しぶり。
痛い程乳首を噛まれるのもひさしぶり。
masayaの肩を噛むのもひさしぶり。
たくさんのひさしぶり。

キスをしながら、masayaの指があたしの脚の間を弄った。

ん?確認してみたよ。

バカ。

潤んでいるのはわかりきっている。でも改めて確認されると恥ずかしい。
抱き着くと、彼の唇はあたしの耳朶をとらえた。
徐々に降りて行く唇。途中でいろんな場所で遊んで、それでもまだ降りてゆく。

あっ。

ふいに両手で両脚を広げられた。一番恥ずかしい姿。
恥ずかしさと快感は比例してゆく。masayaの舌が遊ぶ。
耐え切れなくて、逃げ腰になると、また力を入れてぐっと引き寄せられた。溢れているのがわかる。あたしの体液と彼の唾液。
ヤメテ、ヤメナイデ、言葉と躯は反比例する。
愛でられているのか虐められているのか、もうわからない。

あたしはmasayaにキスをする。
たくさんキスしたいと思う。唇に、うなじに、耳に、肩に。
そう思って、彼の上になった。何度かキスを繰り返していると
彼はもう入って来ようとしていた。
そうね、あたしも、もう待てない…。
徐々に奥深くに入って来る。神経は一点に集中する。
そのままであたしはしばらく動けずにいる。溢れ出る快感を受けとめながら。
躯の中心を軸にして、ゆっくりと動き始めると瞬く間に昇りつめる。
動きを止めようとすると、容赦なく突き上げられて、あたしはまた動き始める。

体位を変えても、それは変わらない。何度も突き上げられて
貫かれて、泣き声のように喘いで、あたしは果てる。
正常位で、バックで、もう何をされてもあたしは感じるんだろう。
波が退くことは…ない。

ベッドに突っ伏してあたしはmasayaに貫かれている。
激しい動き。前後に動く速度が早くなる。打ち付けられる感覚。

あ、もう、イキソウ…ダメ。

そう思った時、masayaが言った。

もう、イク…よ。

しばらくは繋がったまま動けなかった。



少し落ち着いて、ベッドでmasayaに抱かれたまま、あたしは気になっていた事を彼に聞いた。

彼が居なくなるはっきりとした日付け。

あたしが思ってたよりそれはずっと早い日付けだった。
涙が溢れて来る。泣かないと決めていたのにとめる事は出来なかった。
何も言わずにmasayaはあたしの頭を何度か撫でてくれた。
淋しくて、辛くて。わかっていたことだけど、
やっぱり笑って受け入れるのは無理だと思った。

彼の肩の後ろの筋肉が好き。
彼の鎖骨が好き。
テキトーに可愛がってくれるのが好き。
変なメールをくれるところが好き。
数え切れないくらい、好き。
…でも、口には出さずにあたしはmasayaにキスをした。

ねぇ、噛んでもいい?

どーぞ。

肩を噛むと痛がった。あたしはそれを見て笑った。
唇でmasayaを愛撫した。小さかったのが、徐々に大きく変化してゆく。
愛おしいとおもいながら、あたしは愛撫を続けた。
舌先で、くるくるとしてみたり。上下に動かしてみたり。
いっぱいにくわえるとやっぱり大きいと思った。

ふぅ。疲れた。

そう言って、やめるとmasayaが言った。


今日は乗らないのかぁ?

乗らないよう。乗って欲しい?

乗らなかったら俺が乗るだけだよ。

相変わらずなんていう間抜けな会話だろう。
笑いながらあたしは彼の上に躯を沈めて、動きはじめる。
すぐに快感が押し寄せて来た。


もう少しこのままでいて。もう少しだけ、一緒にいて。



そうおもいながらあたしは動き続けた。







My追加



2002年03月04日(月) 月曜日/キャンセル

日曜日もまったくメールのレスもなく、
泣きそうな気持ちで深夜にmasayaのPCにメールを送った。

>ひさびさに、こっちのメールなど書いてみます。
>こんばんわ。いかがお過ごしでせうか?
>眠いです。只今午前1時50分。
>眠いのに相変らずです。
>なんかいろいろと申し訳ないです。
>まぁた日記で愚痴など言ってみました
>相変わらずなので気にしなひでくださひ。
>いや、ちょっとは気にしてくださひ。

>でなひと泣きます。
>まぁ、泣いたとしても、
>得意技の『はぁ。』を言うてんでしょうが。

>そんなかんぢ。

>今日は会えるんでしょうか?月曜日って言われたので
>期待などしてしまったり。


精一杯元気に書いたつもりだが、嫌味っぽく嫌なメールだと思う。
いつもあたしはそうだ。泣いて電話で訴えられたらどんなに楽だろうと思う。

メール送信をして、眠った。
朝、起きるとmasayaから携帯にメールが入っていた。

『葬式に行きます。新大阪です。
土産など買って来ます。』


ああ。ダメって事ですね。
期待していただけに、とてもショックが大きかった。
でも言ったって始まらない。冠婚葬祭、特に不幸事は人の都合を選ばないもの。
そんなふうに思って自分で慰めてみた。

相変わらずの不安定で、気を抜くと泣きそうだった。






My追加



2002年03月02日(土) 土曜日/逢えない

逢えない。

メールの返事もろくにこない。金曜日提出の仕事があって、masayaは忙しいと言っていた。
無理は言えない。わかってるのに、逢いたいと思う。

もしかしたら、土曜日なので午前中に時間があるかも?と思って電話をかけてみた。

呼び出し音。いまだにmasayaに電話をかける時は緊張する。
そして、出て貰えないとまた落ち込む。それもわかっているのに、電話をしてしまった。


おはよー。

あい。おはやう。

もう、出動するの?

あい。そろそろ。

そか。午前中逢いたかったです。

はぁ。

ダメ?午前中。

うーんと。ちょっと困ってしまってます。

…あのね、もうゲンカイです。あたし。

月曜日か火曜日ならなんとかなりそうだが。

ほんと?

あい。


仕方がない。困らせてしまうのは本意ではない。
いつの間にかいつもmasayaを困らせることばかりしている自分に気付いて
とても落ち込んだ。

でもゲンカイ。

もう一緒に居られる時間がないと焦る気持ちと、
逢えない不安と、困らせてばかりいる自分の行動で
あたしはぐちゃぐちゃになっていった。

本当はmasayaの前では笑っていたいのに。
カラマワリしはじめるあたし。






My追加


 < past  INDEX  will>


~*Yuu
エンピツ