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優しい=青い部屋=あたしとmasayaの日々。

2002年02月22日(金) 金曜日/ほんの1時間。

木曜日の夜のメールで風邪気味だと言っていたmasaya。
朝、電話をかけてみると、予想していた通りに徹夜だったらしい。

結局徹夜だよ。

大丈夫?熱は?

熱はもうない。鼻がつまってるだけだ。眠いよ。

もし、お昼間に帰るんだったら連絡してください。顔見に行くので。

あい。テキトーに。だが、多分夜まで帰らないと思うよ。


今週はやっぱり逢えないのね…。
でも仕事で忙しいんだもの。仕方ない。

masayaと逢う予定が全く立たなくなったし
前日に友達と午後からお茶に行く予定を立てていたので
午前中はだらだらと過ごした。
うつらうつらと日の差す和室で微睡んでいると携帯にメール受信。

鼻がつまっていると、御飯を食べるのもおおごとです。
口に物をいれると息ができないぞ!

あまりにも間抜けなメールなので、笑ってしまった。



午後2時過ぎに、あたしは家を出る。
友達とはいつものケーキ屋で待ち合わせ。
車を運転していると、急に着信音が鳴った。masayaからだ。
急いで車を寄せて、あたしは電話に出る。

今から帰るよ。眠ひ。

そなの?じゃ、顔見に行くから。1時間後には着くので開けておいて。


今日はもう無理だと思っていたので、とても驚いてとても嬉しかった。
友達とのお茶を少し短かめに切り上げて、あたしはmasayaの家に向かう。
気持ちは焦っているのにこういう時に限って、ガソリンの残りが少なかったりで
スタンドに立ち寄らないといけない。最悪。

駐車場に着いた時はもう3時半を回っていた。
車を置いて、小走りに彼の部屋に向かう。きっともう寝ているだろう。

カチッ。

ドアノブを回すと小さな音がする。そぉっとドアを閉めて、鍵をかけて、
あたしは音を立てないようにして、部屋の中に入る。
奥の=青い部屋=。洗濯機が回る音が小さな庭から聞こえて来る。
そっと覗くと布団に包まったmasayaが目を開けた。

大丈夫?

あい。熱はもうないよ。鼻がつまってるだけだ。

外暑かったよ。歩いて来たから汗かいちゃったよぉ。

この2ー3日暖かかったらしいが、そんなの忙しくて外に出ないからわからんよ。

masayaが答える。
話しながら、彼の額に手をあてると少し熱いような気がした。


熱いような気がするよ。

今、お風呂に入ったので。

そっか。


風邪気味だというので、あたしはいつものようにすぐにベッドには入らない。
masayaはとてつもなく眠そうだし、顔を見るだけで良かったから。

布団の中からmasayaの手が伸びて来て、あたしの頬を撫でる。
最近不安になっていたあたしは、その些細な仕草がとても嬉しくて
布団の上からmasayaにもたれかかった。
彼の手は今度は洋服の上からあたしの胸を触る。

触ってみたよ。

あい。御挨拶ですね?…風邪うつるかな?

そんなうつるような風邪ぢゃないみたいだぞ。

その日はとても暖かくて、走って来たあたしは中々汗がひかない。
着ていたカットソーのワンピースを脱いで、タンクトップと下着になって
あたしはベッドに入った。


うつるかなぁ?

大丈夫だよ。

でもキスしたら息が出来ないのね。

あい。そうです。

ちょっとだけならいい?

1週間ぶりに感じるmasayaの体温はやはり少し熱いような気がして
彼の匂いは懐かしいような感じで
抱き締められて胸に顔をうずめると、胸がきゅっとした。
小鳥のような小さなキスを何度も繰り返す。
masayaの少し厚いぽってりとした唇の感触。
何度か強く抱き締められて、少し不安がなくなっていった。

5時にはまた出動です。4時半にはでなければ。

え?そうなの?

メールチェックしたら、こんなことになったんだよ。

そう。時間ないね。

なので、脱がせてしまおう。

大丈夫なの?

それなりに元気です。

ファンヒーターをつけて、あたしとmasayaは裸になる。
前戯という前戯もなく、あたしたちは抱き合う。
ピルのプラセボ期に入って2日目のあたしは、もしかしたらセックスしてる最中に
出血があるかもしれないと、ちょっと気にはなっていたが
抱き合ううちに快感に飲まれて、そんなことも気にならなくなった。

短い時間なのに、快感の大きさは変わらない。
馴染んでいる身体。
繋がっている場所はすぐに音をたてはじめる。
少し粘質な水音がmasayaの動きに比例して徐々に大きくなる。
深く貫かれて一番奥を刺激されてあたしは泣きそう。
少し痛いようなそれでいてとても感じる。
もう入らないと思うのに、まだもっと奥へ奥へと、あたしの身体は動いて、彼を全部受け入れて、そのまま抱き着いて、目の前のmasayaの肩をあたしは噛む。
綺麗に隆起した筋肉をあたしは味わう。
少し加減して歯を立てる。舌が唇が歯が筋肉の存在を感じる。
もっと力を入れて噛みたい衝動にかられるが、masayaが大きく動き始めると
そんな衝動も快感を感じようとする気持ちにおされて消えてしまった。

正常位で何度かあたしはイッテ、今度は上になりたいと思う。
masayaの首に腕をまわすと、そのままあたしは引き上げられて、彼の上になる。
コリコリと当たる感覚。夢中で身体を前後に動かすと、時折下から突き上げられて思わず声をあげてしまう。

あっ。

どうした?

どうしたなんて聞かないで。知ってる癖に。
突き上げられる度に声が出てしまう。

当たるの、キモチイイノ…。

時間はもうない。
もう一度あたしが下になる。
masayaは激しく強く打ち付けるように動く。
あたしの頭はベッドからずり落ちそうになってしまって
でもそんなことは気にならなくて、感じられる感覚をすべて受け入れる事に
あたしは一生懸命になる。

イッテモイイ?

彼はいつもそうあたしに聞く。返事をする余裕は今日もない。
一番奥で彼がイク時がすごく感じる。最後のmasayaの痙攣する感じが
とても気持ちよく感じられるから。

短い時間なのに、あたしは何度果てたんだろう。
身体を離すと、あたしの中からたくさんの液体が出て来た。

あっ。

俺のじゃないと思うぞ。

そんなことないでしょう?

煙草を1本だけ取って貰って、火をつけてもらって
あたしは少しの間、ベッドでだらだらと横たわり、
もう出かけなきゃならないmasayaはテキパキと髪を整えたり洋服を着たりと用意をする。

裸で鏡の前で髪を整える姿はなんだか滑稽だ。
ぼぉっとそれを見ながら、綺麗な背中だなと思う。
肩幅はけっこう広くて、ウエストはうらやましいくらい細い。逆三角形だ。
masayaには無駄な脂肪がほとんどついていない。
そういえば、裸の後ろ姿って撮ってない。今度はデジカメで撮ろう。
そんなことをふと思う。

彼が用意をテキパキとするので、あたしもよろよろと起きて支度を始める。
下着をつけて、タンクトップとワンピースを着る。
急いで出ないと間に合わないらしい。

鏡の前で口紅を塗る時に、
あたしの中から、また液体が流れ出るのを感じた。
余韻が残る子宮が収縮する。

最後の煙草を吸ってしまって、一緒に外に出る。ドアを出る前に軽いキス。


ああ…なんか味がしたよぉ。

ん?シャネルはあまりしないはずだけど?

そんなことを言いながら、手を繋いで駐車場まで歩いた。
ほんの1時間程だったけど、逢えて良かった。
中高生みたいな短いセックスだったけどね。







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でもねぇ、本当は、もっとゆっくり外でデートしたいなぁ。普通のデートとやらには、最近御無沙汰しております。でも、masayaは忙しいので無理は言えません。



2002年02月19日(火) 火曜日/申し訳ない。

やっと起き出す事が出来た。

masayaからメールが来るまで、あたしからは出さないと思っていたけど
やっぱり不安なので、朝おはようのメールを入れる。


おはやうござひます。

おはやう。

昨日はしんどかったです。ちと復活。

あい。

愛想のない返事だなぁ。ちょっとくらい心配してくれてもいいぢゃん!


…嫌味ったらしいメールだ。
最低だ。あたしって。
もちろん、レスは来ない。
病人に大丈夫かと聞いたって、大丈夫じゃないことなんて
わかってるはず。
そんなメールをmasayaが出すはずないこともわかってるはず。

しばらくして、メールが来た。



雪だ。寒いよ。


相変わらずテキトーなメールかもしれない。
でも嬉しくて少し微笑む。
何度かのやり取りの後に、あたしはまた聞いてしまう。


今日も忙しいの?時間が開いたら電話などしてみて下さい。

午後から1日予定はいってます。もうしわけない。


…申し訳ないって言わせてしまった。
masayaが別に謝る事ではない。
あたしがいつも無理を言ってるのに。

なんで申し訳ないとか言わせてしまうんだろう。


情緒不安定に拍車がかかる。

春が近付くにつれ、どうしていいかわからない苛立ちと
不安がごちゃまぜになった感情を
あたしは自分でどうしてよいのかわからない。

ずっと続くであろう彼の多忙と
あたしはどうやって折り合いをつければいい?
どうすればあたしは、masayaの前で笑っていられる?

答えはどこにあるんだろう?






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2002年02月18日(月) 月曜日/メールがない。

あたしは風邪で寝込んでいた。

こんな時に限って、1通もメールが来ない。

あたしのことなど少しも心配しないんだろうか?
あたしからメールがなくてもぜんぜん平気なんだろうか?

体調の悪い時は不安になる。


masayaはとても頭が良い。
テキトーだと言いつつも、あたしに対してのスタンスをちゃんと持っているように思う。
テキトーなメール。
テキトーな会話。
テキトーなお相手。
あたしが動けば答えてくれる。
無理はしない。
それがmasayaのスタンスだ。

でもたまにふと淋しくなる時がある。今日みたいな日。
このままずっとメールも連絡も来なくなるかもしれない。
そんな不安感が押し寄せて来て、どうしようもなくなる。


テキトー。

彼が良く使う言葉。
適切なテキトーなら大丈夫。
でも、すべてがテキトーになったら
あたしはどうすればいい?

忙しいmasayaの事も考えないと。
そう思いながらも、不安は日ごとに大きくなる。

そして、
不安を隠せない自分がとても嫌になる。







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2002年02月16日(土) 土曜日/睡眠

土曜日朝。
朝の用事を済ませたあたしは
取る物も取りあえず、masayaの部屋へ向かう。

目的は一緒に寝る為。

ただそれだけの為に、あたしは車で彼の部屋へ行く。

我ながらなんてバカなんだろうと思う。
そんなことしないでも、家でゆっくり眠ればいいものを
わざわざ往復車を運転して行くなんて。

でも、忙しい彼は時間が取れないのもわかってる。
少しでも時間があれば一緒に居たいと思う。
今日の午前中は寝てるはずだもの。
きっと仕事になんて出れないはずだもの。

駐車場に車を置いて、あたしは電話をかける。

鍵開けておいて。

それだけを言って、電話を切って、足早に部屋に向かう。


鍵は開いていた。
中に入って、いつものように勝手に奥に進んで、
あたしは何も言わずに、服を脱いでTシャツと下着になって
ベッドに潜り込む。

外寒かったよ。

あい。

布団の中は彼の体温で温かい。
抱き合って冷たい身体を少し温めてもらって、
masayaの腕枕のまま、寝不足のあたしはすぐに眠りに落ちた。

ふと気付くと午前10時半。


ねぇ、10時半だよ。仕事いかないの?

まだ行けません。


それだけ確認すると、あたしももう一度寝てしまった。


また気付くと午前11時半。


ねぇ、もうお昼だよ。行かないの?

まだ足りません。

あたしはお昼には帰らないといけない。
すぅすぅと眠るmasayaが羨ましい。
身支度をして、帰るよと言って、布団の上から全体重をかけて乗ってみた。


帰るよぉー。重い?重いぃ?

あい。重ひ。

お仕事行かないのぉ?

もうちっとしたら行く。


だだっ子のようなあたしをなだめるように、
背中をぽんぽんと叩いて、取りあえずは起きて玄関まで見送ってくれた。


じゃぁ、帰るね。

あい。気をつけて。

玄関で抱き着いて、左の頬にぶちゅっとキスをした。
寝ぼけたmasaya顔にピンクのキスマークが
とても可愛くて、あたしはふふっと笑った。







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2002年02月15日(金) 金曜日/行ってもいい?

金曜日の夕方。
あたしはmasayaにメールを入れる。

今日も遅いですか?夜中に行ってもいい?

遅いかもだ。

じゃぁ、メール入れて下さい。


日付けも変わって、
深夜12時半を過ぎた頃、masayaからメールが入る。
やっと仕事が終わって帰るらしい。相変わらず忙しい事。
あたしは適当に出かける用意をして車で彼の部屋に向かう。

着いたのは午前1時半頃。
鍵を開けてもらって、靴を脱いで奥の6畳まで進む。
masayaはPCのウィルス駆除をしていたところだった。

別に何をするでもなく、あたしは通販のカタログなどを寝転んでペラペラとめくってみたり、masayaはあたしがバレンタインにあげたうさん臭いビールを飲んでみたりと、偽者のEMSの器械で遊んだりと適当に過ごす。
こういうダラダラとした時間が楽しい。

お風呂が沸いたので入ってくるよ。テキトーにしときたまへ。

masayaがお風呂に入る間、あたしはEMSを巻いて遊ぶ。
電気の刺激がピリピリと痛い。
効くのかどうかはよくわからないが、けっこう楽しい。
布団の中で器械と戯れていると、masayaがビールを連れて帰って来た。

どうですか?

テキトーに5分ずつしてみたよ。


さて、入ってみようかなぁ。

そう言いながらmasayaがベッドに入って来る。

うーん、脱がしてみよう。

そう言いながら、あたしの着ている物を脱がせる。
masayaはいつもそういう。照れ隠しなのか?ただの癖なんだろうか?

午前2時半。
青い部屋は小さな黄色い電球の灯りだけで
うっすらとした明るさ。
TVは灯いたままで深夜のテレショップの番組。

抱き合ってキスをして、はじまる。
masayaの舌があたしの身体を這うように動き出す。
唇と舌はどんどん身体の下に降りてゆく。
脚の間で、舌先が跳ねる。

ビクッ。
幽かな痙攣。恥ずかしくて脚を閉じようとするのに
強引に彼の腕はそれを遮る。
何度抱き合っても、その場所を見られたり、
舌で愛撫されたりするのは、とても恥ずかしい。
でもあたしは、その恥ずかしさが、快感に変わる事も知っている。
恥ずかしいと思いながら、愛撫に身を任せると
徐々に快感が大きくなる。
あたしが彼を愛撫する間もないまま
masayaはあたしの上に被いかぶさって、あたしの中に入って来た。
最初から激しい動きで、あたしは相変わらずすぐに果てる。
息つくく暇もない程、執拗に何度もそれは繰り返されて、
あたしは御願い止めてと言うが、許して貰えない。

何度か途中でインターバルを取って、
あたしはその度に彼を唇で舌で愛撫して、
少し落ち着くとまた彼を迎え入れる。
あたしは何度ももうダメだと言い、
masayaは何がダメなの?と問いかけ
あたしはダメじゃないと答え、
じゃぁいいんだろう?とmasayaは言う。
また繰り返される動き。
また繰り返される快感。

繋がったまま、テレビを見て笑ったり
前に手に入れたおもちゃを使ってみたりと
いろんな形でいろんな体位で
あたしは彼を感じた。

masayaがあたしの中でイク時にあたしは呟いた。

奥でイッテ。

彼の痙攣が心地よくあたしの中に伝わる。

もう少しこのままでいて、、。

そう言って、あたしは彼に抱き着いたまま余韻に浸る。



とても長い心地よいセックスだった。

午前4時を回っている。
煙草を1本彼に取って貰って、火をつけてもらった。
いいセックスの後の煙草はとてもおいしい。

このまま寝てしまいたい。本当にそう思う。
手早く服を着て、あたしは帰るとmasayaに告げる。

気を付けて。

あい。着いたらメール入れる。
朝来てもいい?

ん?どーぞ。

じゃ、来るから鍵開けてね。

寝てるかもだ。寝てたら起こしたまへ。

寝てたら起こす。ではおやすみなさひ。


そう言って、あたしは青い部屋を後にした。






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2002年02月14日(木) 木曜日/バレンタイン

バレンタインだ。
あたしは相変わらずイベント好きで
忙しいmasayaを付き合わそうとする。

午前中にチョコレートを買いに行って、でも目当ての物がなくて
少し落胆したけれど、小さいグラスに入った小さいチョコと輸入ものの変わったビールを用意した。

masayaからメールが入る。
忙しいらしい。
手渡すだけでも。
だって、家に置いておくわけにはいかないから。

半ば無理矢理のように、持っていくと伝えた。
取りに来てくれるだけでいいから。
バレンタインのチョコなんて今日渡せなければ意味がないもの。

ではコーヒーでも。

忙しいのに無理矢理時間を取ってもらった。
少し悪いなと思う。



午後4時少し前に待ち合わせの珈琲店に着いた。
ちょうど満席だったので、少し待つ。
席に案内れて少しすると携帯が鳴った。

どうすればいい?

店の中にいるよ。

下らない会話をして、チョコを手渡す。
手作りでもなんでもない、小さなチョコレートがふたつ。
masayaはその場で開けて食べた。

甘ひよ。

甘ひ?

うむ。甘ひねぇ。

もともと甘い物が好きではないmasayaは
一口食べる度に大袈裟に甘い甘いと言う。
そういうmasayaを見るのが好きだ。

きっかり1時間。
珈琲を飲み終わって、masayaは2枚の小さなチョコを食べて
そろそろ戻る時間。

あたしの車でmasayaの車を止めてる駐車場まで移動。
車の中で、少しのキス。
少しの悪戯。

駐車場まで送って、もう一度キスして別れた。

帰り道で彼から携帯にメール。


今日はどうもありがとうでした。

忙しいのに時間取ってくれてありがとう。素敵に御機嫌です。

それは良かった。


本当にいつも付き合ってくれてありがとう。
心から感謝。







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2002年02月12日(火) 火曜日/おはよおはよおはよーーっ!

朝から何度かメールを送るがレスがない。

午前中、あたしは出かける用事があったので
その用事が終わってから、masayaの部屋まで行ってみることにした。

もちろん、少しだけ期待して。

もしかすると、連休後なので早くから仕事で忙しいのかもしれない。
いなかったらいなかったでいいや。
そんな気持ちでハンドルを握る。
駐車場が見えて来た。
masayaの車が停まっていた。

ああ、やっぱり寝てたのか。

電話をかけてみる。出ない。
家の電話にかけてみる。もちろんこれも出ない。
メールを2通いれる。
あたしが来ていることを伝える為に。

その後にもう一度携帯に電話をかけた。
何度かの呼び出し音の後に、やっとmasayaが電話にでた。


おはやうござひます、、。

おはよおはよおはよぉー。もうお昼だよ。起きないの?

うーん。もうちょっと。

顔だけ見に行く。開けといて。

それだけを言って、電話を切り
あたしは自販機で煙草とカフェオレを買って足早に向かう。
=青い部屋=へ。


何度この道を歩いただろう。

ふとそんなことを考える。
ああ、そんなこと考えるとまた感傷的になってしまう。
打ち消すかのように、小走りで部屋まで走った。

ドアはもちろん開いている。
そっと入って、奥まで進む。

おはよぉ。もうお昼だよっ!起こしに来てみたよ。

…あい。

布団にくるまるmasayaは起き上がる気配がない。

ファンヒーターを勝手につけて、買って来たオーレを飲んで
あたしはmasayaの顔を見ながら、畳の上にころがってた彼の煙草を1本吸う。

起きないの?仕事は?

あい。起きれなひよ。すぐにお仕事なんてできません。


いつもならすぐにあたしも布団に入るところだけど
あまりにも気持ち良さそうなので、少し遠慮してみた。
ベッドにもたれかかって、畳の上に座る。

masayaの手が伸びて来て、あたしのTシャツの首から胸のあたりに入って来た。


取りあえず触っておくよ。

あい。取りあえずね。出したままにしなひでね。


いつも思うけど、なんて気持ち良さそうに寝るんだろう。
まるで子供みたいだなぁと思う。
masayaの指先はしばらくあたしの乳首を弄んでまた布団の中に帰ってしまった。

masayaが掛け布団を持ち上げて言う。


寒いからおひで。


そう言われて嬉しくて、あたしは彼の横に滑り込む。
ベッドの中は彼の体温でいっぱいだ。
あったかい、、、ていうか暑いよ。笑。

背中に回った手がブラのホックを外す。

あ。外されちゃった。

あい。外してみました。

…おかへり。

うむ。ただひま。


あったかいベッドの中であったかい気分になる。
相変わらずmasayaの唇は柔らかくてとても気持ちがいい。
抱き合ったまま、彼の手はあたしのジーンズの中で遊びはじめる。


お尻を触ってますね?

あい。触ってみてるよ。

…そこはお尻ではなひです。
遊ばれてますか?

うむ。不思議にぬるぬるしてるので遊んでみたよ。

きゅぅ、恥ずかしひです。


いつもながらに、変な会話。
いつもそうなので、もう慣れちゃった。
普段の会話ひとつひとつが変な受け答えなので楽しい。


さて。脱がせてみやう。

脱がせるの?

脱がせるよ。嫌なら良いですが。

いへ、嫌ではありません。
でも起こしに来たんだけどなぁ。

俺も脱いでみやう。

あい。

嫌ならいいが?

…嫌ぢゃなひです。


前戯はもういらない。
裸になるとすぐにmasayaはあたしに被いかぶさるように
少しずつ入って来た。

徐々に入って来る。
その度にくちゅくちゅという音がする。


音がしてるよ。

ほんとだ、、、。恥ずかしい。


最後まで、彼の全部を受け入れて、いつもならすぐに動き始めるのに
今日はmasayaは奥まで貫いたまま微動だにしない。
それでもあたしは感じはじめる。
膣の収縮と子宮口に当たる感じと
動きのないもどかしさと、時折感じる小さな痙攣にも似た彼のペニスの動きで、あたしは勝手に感じている。
たまらなくて、声をあげる。
それでもまだ彼は動かない。
masayaは何を感じているんだろう?
とても深い箇所に彼を感じながら、あたしは勝手に果てる。


やっとmasayaが動きだした。
新たな快感があたしに生まれる。
焦らされて抑えられてた感覚が、急激にたかまる。
一度イッてしまうと、あとはあたしは簡単に何度もイクようになる。
幸せな身体だと自分でも思う。
masayaの動きはいつも激しい。
奥まで突かれると、痛いようなそれでいて甘い感覚が溢れ出てくる。
水音が大きくなる。ぴちゃぴちゃという音がしてる。

彼の首に腕を回して、あたしは上になりたいと切望する。
引き上げられて、そのまま上になって、あたしは動く。
どこに当たればあたしが感じるのかは
もちろん彼にはわかっているので
あたしはやっぱり簡単に何度も果てる。

一度のセックスで、いつもあたしは何度もエクスタシーを感じる。
回数を重ねる度にそれは少しずつ大きくなる。
だから、あたしは何度も彼の上に倒れ込んでは少しの休息をとり
もう一度感じたくて、また少しずつ動き始める。
その繰り返し。
時間さえあれば、途中で休憩さえ入れてくれれば
何時間でもできるんではないかと自分で思う。

masayaの上で思う存分に感じて、
座って抱き合った体位で、また感じて
最後にまたあたしは彼の下になる。

肩を押さえ付けられて、一番奥まで貫かれて
もうそれ以上は入らないと、masayaに伝えてみて
それでも、まだ奥へ奥へと彼は入ってくる。

動きはほとんどないのに、いつもすごく感じる。
激しく突かれている時とは異質の快感。

指を噛んで声を抑えようとするが、ふいに突かれるともうダメ。

うっ、あっ。ダメ、ダメ、、、っ。


一番大きなエクスタシーが来る事がわかる。
masayaがあたしの中で痙攣するのがわかる。
しばらくの間は余韻でいっぱいになる。


起こしに来たんだけど、あたし。ねぇ、目が覚めた?

あい。覚めましたね。今また寝ろって言われたら眠れるが。


はぁ、、、。

溜息をついて、あたしはベッドで煙草を吸う。
セックスの後の煙草って、どうしてこんなにおいしいんだろう。

ふぅぅぅ、、、。



masayaは煙草を吸い終わると例の物を持って来た。
今話題のEMSらしいが、正真正銘のパチモノ。
うさん臭いねと笑いながら、ひとしきりそれで遊んでみる。
裸で、『スリムベルト』を巻くmasayaはお間抜けだ。

なんか、それってすごい間抜けだよ。

そか?

うん。腹筋が動くにつれて、下も動いてるよ。

ん?じゃぁ、止めてみよう。

スイッチをオフにする。
ピクピク動いていたのが止まる。


あはははははは。ほら、止まるじゃない。

そうやって、いろんな筋肉に『スリムベルト』を巻いて
遊びながら帰り仕度をした。

帰省のお土産のうなぎパイVSOPもちゃぁんといただいて
あたしは御機嫌で帰って来ました。


うなぎパイVSOPはとっても素敵な味です。
ありがとう。
2/14、バレンタインは逢えるかなぁ。






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2002年02月11日(月) 月曜日/帰阪

masayaが帰って来る日。
大阪は朝から寒くて、日中も雪がちらついている。

日中何度かメールを入れるが
相変わらずレスがない。
あたしはイライラと待つ。
待つことに疲れて来ると、また下らないメールを入れる。

帰って来れるんだろうか?

高速道路は積雪で渋滞。
帰れないかもしれないと、不安にかられる。
別にあたしの元に帰って来るわけではないのに。

全くメールに返信がないので、あたしはまた携帯からメールを入れてみる。
相変わらずしつこいと自分でも思う。
あたしは、状況がわからなくて待つのがとても苦手なのだ。
妄想とか想像とか悪いことばかりを考えて
ぐずぐずと落ち込んでしまう。
状況さえ把握できれば、落ち着いて待てる。
いつもあたしはそうだ。

やっとmasayaからメール。

名古屋は雪だよ。

ああ、もうそんなところまで帰って来てたのね。
インターネットで道路情報を見てみると
そこからが延々渋滞。
たまに来る、他愛無いメールであたしは落ち着く。

日付けが変わって、午前1時過ぎに
今どの辺りかを聞いてみた。

SAで休憩中。

電話をかけてみる。

お疲れー。

疲れたよ。

渋滞してた?

してたよ。

あと、1時間くらいで着くね。

そんなもんかな。


長くは話していられない。
小さな声で、ぼそぼそとそんな会話をした。
取りあえず着くまで待っておこう。

1時間後。

もう着いた?のメールに近所のコンビニの名前。
ああ、やっと落ち着いて眠れる。
とにかく無事で良かったと、そう思った。






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2002年02月09日(土) 土曜日/電話可?

お昼頃、一応メールを入れてみた。
思った通りレスはない。

少しだけ落胆する。
でも帰省中だもの、仕方ないと自分に言い聞かせる。

本当なら、昨日の夜も、今朝も
あたしはmasayaと逢うチャンスがあったのに。
それなのに、「帰ったら?」なんて言ってしまうあたしは
お馬鹿さんなのかもしれない。
そう思って苦笑する。


夕方くらいにやっとレスが来た。

「おはやうござひます」

いつまで寝てるの?
でも、なんでもいい、メールにレスをくれたのが
とても嬉しい。

ありがとうとまた返信する。

起きたのでふらふらと出てみたよ。

ふらふらと彷徨っているらしい。
どこに行くんだろう?

あたしが行ったこともない場所。
通り過ぎたことはあるかもしれない。
masayaの故郷。
どんなところだろうと、少し想像してみる。

しばらくするとまたメールが入った。

『電話可?』

あい。

返事を返してすぐに、携帯が震えた。
マナーモードなので着信音はならない。

もしもーし。こんにちわ。

どーも。
いやぁ、売ってたんだよ。パチもんだよ。

え?

ホームセンターみたいなところで、みつけたんだよ。
その感動を伝えたくて、電話などしてみました。


みつけたものは、今流行のEMS。
それの類似品?値段もとっても安いらしい。
あたしが前から欲しいと言ってたし、masayaも興味があるみたいだった。

買おうかなぁ。5980円だよ。

安いねぇ。買っちゃえー!

そんなくだらないことを話す。
masayaは電話をしながら、商品の箱を開けてみているらしい。
あたしはインターネットで、その商品名を検索してみる。

みつからないなぁ。

そか?うーん。どうするかな。

しばらくああだこうだと話をして、
じゃぁ、買って試してみようと言うことになった。

試したら経過を教えてね。


電話を切ってしばらくすると、メールが入っていた。

低周波治療器状態です。泣。

騙された?笑。

戻ったらタイミングジッターいじって電圧もあげてやるか。


うーん、やはり改造とかしてしまうのですね。
楽しみです。

なんかとっても下らない電話だけど
とってもとっても嬉しかった。
相変わらず、あたしは単純です。







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2002年02月08日(金) 金曜日/帰省

昨日、masayaと逢ったあたしは何気なく口にする。


ねぇ、3連休だよ。帰らないの?

ああ。そうだな。帰ってみようかなぁ。

masayaは年末年始もずっとこっちにいたので
もう長い間実家に帰っていない。
そろそろ帰る頃だろうと思っていたし
連休なんて、どっちにしても逢うことも出来ないので
それなら帰ったらと、提案してみた。

午後6時半から何通かメールを送るが返事はない。
9時半頃に、もう高速道路だと返事があった。

サービスエリアについたら電話を入れて。

10時頃に一度、masayaから電話が入る。
あと2時間程で着くだろうとの事。
気をつけてね。事故しないようにね。
もう一度連絡を入れてくれと、一応伝えてみた。

…電話はない。

メールを入れてみたが、配信確認が来ない。
電波が届いていないか、、、、電源を切ってる?

もしかしたら、一緒なのかも。

masayaには待っているひとがいる。
だから帰省したら逢うのはわかりきった事で
あたしもそれはわかっているつもりだ。
そういう付き合いだもの。

逢ってるかどうかなんて、あたしにはわからないし
ただの思い込みかもしれないけど。

前にも書いたけど、あたしはヤキモチを妬かないわけではない。
妬いても仕方がないことだと、自分の中で認識しているだけだ。

でもこうやって、メールが着かない事を目の当たりにしてしまうと
気持ちがザワザワとしてしまう。


帰れなんて言わなければ良かった。

そう思うあたしも本当はいる。
強がってみた。
あたしは大丈夫と強がっている【あたし】。
ちゃんと帰らないとダメだよといいながら、
フツフツとくすぶった気持ちを抱えている【あたし】。
あたしに何かを言う権利は当然ない。

こういうことで、あたしは
masayaがあたしの彼ではなく、【彼女】の彼だと言うことを
きっちり認識する。

だから、帰ってみたらと言ってみた。

それは当然キツイ作業であって
避けて通れるなら通ってしまいたいくらいだけど
避けてしまえば、忘れてしまいそうになる。
それもわかりきったこと。

知らないと余計にキツイのかもしれないなと
ふと思ってみたりする。

今から逢うからメールはするなとか
今日明日は連絡を取れないとか
そういうことをあらかじめ知っておけば
少しはキツイのがましになる。



配信確認の来ない携帯を気にしながら、
あたしは今、これを書いている。

今日は…痛いな、結構。
予想はしてた事だけど。

でも、きっとあたしは
帰省から戻ったmasayaに笑顔でちゃんと言えると思う。

『おかへり。』

一緒にいられる間は、もう長くはない。
だから、その間は笑顔でいたいと
あたしはいつもそう思っているから。






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2002年02月07日(木) 木曜日/『切ない』はいらない。

木曜日か金曜日に時間を取ってくれると、masayaは言っていた。
朝、いつもうつらうつらとあたしは2度寝してしまうので
その前にいつ連絡が入ってもいいように、携帯のマナーモードを外す。

午前10時半頃にあたしはやっと起き出す。
携帯を見ると、朝のおはようメール以後は何も入ってない。

ああ、ダメかも。今日も忙しいかも。

メールで確認を取ると、まだわからないという返事が来た。
じゃぁ、電話を入れてとメールを返す。

あまり期待しないでおこう。

自分で言い聞かせて、あたしはそれでも出かけてもいいような服装に着替えてみた。
そのまま、ぼぉっとテレビを見て、遅い朝食とも昼食ともわからないような食事を取る。

ふと気付くと携帯が鳴ってる。masayaだ。


さて、出かけてみようかと。

あい。じゃぁ、途中まで行く。

嬉しい嬉しい嬉しい。
まだノーメイクだったあたしは、急いで化粧をして、車のキーを握って家を出た。


待ち合わせ場所に着くと、まだmasayaは来てない。
店内で少し暇を潰していると、携帯が鳴った。着いたらしい。

車に乗り込む。昼間に逢うのはとてもひさしぶり。
このあいだの、風邪の時以来。
他愛のない会話をして、どこに行くとも何も言わないのに、
masayaが借りている駐車場に着いた。


青い部屋だ。
あたしが好きな青い砂壁。
畳。
少し散らかった部屋。
カーテンが閉じていて暗かったので、少しだけ開けてみた。
部屋の中がほんのり明るくなる。

買って来たコーラをmasayaはグラスに注いでくれた。
あたしがクリスマスにプレゼントしたバカラのタンブラー。
少し重くて、でも手に馴染む感じがする。


並んで座って、キスを繰り返す。
そうしていると、ベッドに引っ張りあげられた。
脱いでしまう。全部。あたしもmasayaも。
背中から抱き締められて、耳朶に、うなじにmasayaのたくさんのキス。
舌先が跳ねる度に、あたしは溜息を漏らす。

左の肩の後ろは、彼がみつけたポイント。
ほんの一点だけ、異様に感じてしまう箇所がある。
そこにキスされると、鳥肌がたって、身体が震える。
逃げたくて、でも後ろから強く抱き締められて逃げられなくて
あたしは泣きそうな声をあげてしまう。
充分に濡れているあたしの中に、masayaの指が入る。
小刻みに震える指先。溢れる出てくるのがわかる。
小さな水音が、あたしの中から聞こえてくる。

くすぐったいような、焦れったいような感覚の愛撫がどれくらい続いただろう。

あたしも彼に愛撫を返す。
たくさん感じて欲しい。
どうすればmasayaは感じてくれるんだろう。
そう思いながら、唇と舌をあたしは動かす。

唇を離すと、masayaはいきなりあたしの上に被いかぶさった。
あたしはすんなりと受け入れる。
そのまま激しい動きで責められる。
逃げようとすると、両足を抱えて引き寄せられて、
奥へ奥へと彼が入って来る。
壊れるくらいに貫かれて突かれる。
でも、やさしさがあるセックス。
温かいセックス。

あたしが哭くような声をあげると、masayaは動きを止めて聞く。

どうしたの?

…聞かないで…。

嫌か?

嫌じゃない…



色んな体位で何度も訪れる快感。
様々な大きさのエクスタシー。
時には身体の震えが止まらなくて
時には彼の上に倒れこんで
それでもあたしは、もっと感じたいと思う。

masayaが終わりをつげて、あたしの中に彼の精液が放たれる。
この瞬間が好きだ。とても感じる。

そのまましばらく抱き合ったままでいて、
それから、ふふっと笑って、そぉっと離れる。
ベッドシーツに染みを作らないように、気をつけながら。


ひさしぶりにゆっくりとした時間なので、
あたしはmasayaに悪戯をする。
相変わらず、彼の筋肉を噛んでみたり、
小さくなった彼の物を口にふくんで、首を左右に振ってみたりして遊ぶ。

ああ、遊ばれてるよ。

そだよ。遊んでるの。いいぢゃん。ひさしぶりなんだし。

そうして、遊んでいると、徐々に彼は硬度を持ってくる。
口の中で、あたしの舌の動きで、変化してゆくのはとっても楽しい。
だいぶ固くなったペニスから唇を離して、あたしはmasayaに言う。

ねぇ。入れてもいい?

どうぞ。

でも入らないかも。

そう言いながらあたしは彼の上に跨がって、腰をしずめる。
1度目の余韻と、あたしの中から流れ出た体液とmasayaが放った精液とで
あたしは充分潤っている。
だから、なんなくすんなりと入ってしまう。

心配なんていらないぢゃん。

masayaが笑う。そだね。ほんとだぁ。
彼はベッドで寝転んだまま。あたしは静かに前後に動き出す。
ゆっくりと上昇して行く快感を味わうように
ゆっくりゆっくり動く。前後に動かしたり回転運動をしてみたり。
どんどん上昇してゆく。
目を閉じて、masayaと両手の指を絡めて、あたしは感じることに没頭する。
激しいセックスとはまた違うゆったりとしたエクスタシー。
何度かイッテ、えへへ勝手にいっちゃったと笑ってみた。

そのまま動きを止めると、段々小さくなるのがわかる。
masaya2度目以降ははイク事には執着しないのも
最近ではわかってきた。


あ、今どれくらいかなぁ。小さくなるのがわかるね。

そか?

うんうん、わかるよ。楽しい。

ちょっとだけの悪戯を終わらせて、あたしはまた彼の腕枕の中に納まる。
抱き締められると、あったかくて、安心して、すぐにウトウトとしてしまいそうになる。
…幸せだ。



でも。
今日は少しだけ泣いてしまった。
絶対泣かないって、あたしは決めてたのに。
少し話しをして、少し泣いて、抱き締められて、また涙が出て。

あまり言わないでおこうと思ってた言葉を言いたくなった。
でも、顔を見ては言えなくて、背中から抱き締められたまま、
青い壁を見ながら、あたしは言う。

…masayaくん…大好きだよ…。

ありがと。
俺も、ゆうちゃんのこと、大好きだよ。


耳もとで囁かれて、嬉しくて、また少し涙が出た。



えへ、なぁんか恥ずかしい。バカみたい、あたし。
大好きと言うのがこんなに恥ずかしいなんて、ひさしぶりだなと思った。
でも、たまにはmasayaから言ってくれたっていいぢゃん!ともちらっとだけ思った。


ベッドの上で抱き合っていると、時間はすぐに過ぎてゆく。

もうそろそろ、いかなくちゃだね。

うん。そだね。

惜しむように何度もキスをする。
masayaはあたしの耳朶を噛む。
余韻の残る子宮がきゅっと収縮する。

元気になったので、もう一度入れようかと思いますが。

え?

今度は後ろから入れてみようかなぁ。

ダメだよ。そんなのいきなり入らない。


と言い終わらないうちに、あたしは後ろから貫かれた。

「そんなことないぢゃん。入ってるよ。」と彼が笑う。

あたしにはもう笑う余裕なんてない。
後は快感に飲み込まれるだけ。
声を抑える余裕も、もう、ない。

何度かイッて、ベッドに蹲るあたしを残して、
masayaが立ち上がった。
と思うと帰って来て、あたしはまた四つん這いにされる。

あ、、また、入って来る、、、。

目を閉じて、快感を受け止めようと思った瞬間
いつもと違う感覚が身体に走った。
何がなんだかわからなくて、しばらく声を上げていたと思う。

違う、違う、、いつもと違うもの、、、。

そう思いながら、あたしは果てる。
でも…もう、タイムリミットだ。

masayaは動きを止めて、あたしの中から引き抜いて
悪戯っ子みたいに笑う。

『中期完了型にしてみたよ。』

あ…。んもぉ、バカっ。いきなり何かと思ったよぉ。びっくりした。
うーん、なんていうか、勝手にそいうことするのは、反則だと思うんだけどな。
でもきっと知ってたら、まぁた、ただの異物感で終わってただろうなとも思った。


今日はちょっと切なくなったりしたけど、
やっぱり最後は笑って終わるのね。
でも、そうやって笑わせてくれるmasayaはとってもいい男だなと、そう思った。
あたしは、もう『切ない』はいらないもの。


でも、いらなくてもいらなくても
勝手に切ない気持ちはやってくる。
だから、困るよね。






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2002年02月06日(水) 水曜日/浮気心

水曜日にあたしはメル友とアポを入れていた。
masayaと付き合いだしてからは、結構、真面目な日々を送ってたのに
このところ、ずっと彼が忙しくて、やっぱり淋しいのもあったのかもしれない。

いつもなら、写真を貰って、確認してじゃないと逢う事なんてしない。

その人からレディスのブーツを貰う。

仕事の関係でたくさん余ってて、もう処分するんだよ。
ゆうちゃんがいるなら持って行くよ。

単なる言い訳かもしれない。
その証拠に、あたしはメル友との予定が入っていてもmasayaに言わなかった。
言ったとしても、彼は何も言わない事もわかっていたから。

テキトーに任せる。

きっとそう言われる。
masayaはあたしに執着しない。いつもそうだ。
少し距離を置いたスタンスであたしに接している。
メル友と食事に行くと言っても、きっと笑って行っておいでと言われるような気がして
そうすると、淋しいのがもっと淋しくなるような気もして、
あたしはmasayaに何も言わずに、メル友と逢う事にした。


期待は何もしていない。
ブーツを貰って、食事をして帰る。
ただそれだけだ。
3
0分も遅れて現れた人は、あたしの最も苦手なタイプで
一緒にいるのも嫌だなと、ふと思う。

車に乗っている時に、その人がいきなりこう言った。
「ゆうちゃん、ホテルに行かない?」

…行かない。

どんよりとした気分で答える。

当たり障りのない会話をこなしながら、食事をする。
仕事の話しが一番多い。
これくらいの年齢の人が一番乗って来る会話だ。
幸い、あたしにはその人がやっている仕事に関する知識があった。
テキトーに相槌をうちながら、テキトーに作り笑顔で微笑む。
また帰りに変に誘われたりしないように、あたしはタイムリミットぎりぎりまで
ゆっくりと時間をかけて珈琲を飲んで、煙草を吸った。

帰る前に洗面所に立って携帯を見るとメール着信。2通。
友達からと、masayaから。
朝メールのレスが来なかったのに、こんな時間に来るのね。
タイミングいいんだか悪いんだか。

「さて、御飯でも食べようか」

それだけが、ディスプレイに表示される。
ふふっと笑ってしまう。
と、同時に、あたし何やってんだろ。とそう思う。

どんなに高級な食事をしても、楽しくないんだもの。
仕事の会話とか政治の会話とかなんて、あたしはしたくないんだもの。
ほぉんと、あたしってば、バカ。


何食べたの?

まだです。

ラーメンを食しています。

粗食だね。笑


普通の会話。でも楽しい。
忙しくて頻繁に返事が来なくなっても、
masayaはたまぁにこういうメールを入れてくれるじゃない。
帰りの車の中で、masayaにメールを送信しながら、あたしはそう思った。

「ゆうちゃんって、寂しがり屋でしょ。」メル友がふいにそう聞く。

そうよ。構って構ってって言うの。惚れたら一直線だよ。怖い女だよ。

「俺には惚れてくれるかな?どう?」

悪いけどそれはない。言ったでしょ。彼氏いるって。
あたしはひとりいればそれで充分。

車を降りる時にその人が言う。

「ゆうちゃん、またね。また付き合ってね。」
『ありがとう。ごちそうさまでした。ブーツもありがとうね。じゃ。』

あたしは、2度と逢わない人にはまたねとは言わない。

masayaにとっても逢いたかった。
でも、今日も忙しい。そんなことはわかってる。
でも、逢いたい。




夜、仕事から帰って来たmasayaのメッセンジャーがオンラインになる。

ただひま。

おかへり。

あたしは今日の出来事をmasayaに話す。
別に言わなくてもいい事なのかもしれない。
でも、どうしても言っておきたかった。
ごめんなさい。と。

一通り今日の出来事をあたしは彼に話す。

はぁ、そういうことだったのね。

そうです。


masayaは適当にレスを返す。
もちろん、あたしにとやかくは言わない。


何も言わないの?

いい大人がすることなんだから、何も言わないです。そういう人だから。

そだね、いい大人だもんね。


masayaは別になんにも言わないけど。
言わない事はずっと前からわかってるけど、
でもね、たまには、言って欲しい時もあるんだよ。


今週は忙しい?

逢いたくて、あたしはもいちど聞いてみる。


木曜日か金曜日と思っていたが。

あい。期待してる。

そか。期待しといておくれ。


ちょっとだけ期待して、でもあんまり期待しすぎないようにしよう。
一緒に居られるもう少しの間は、もう浮気はしません。
ちゃんと約束するぅ。






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2002年02月02日(土) 土曜日/ひさしぶり

風邪がすっきり治らないのに、masayaは相変わらずの多忙。
携帯に送ったメールのレスも滅多に来ない。
あたしは大丈夫といいながら、やっぱりとても淋しい。

土曜日の夜、時間を開けて。

先週そう伝えていたが、もしかすると出張があるかもといっていたので、少し不安だった。

最近の彼は土曜日も日曜日もほとんど関係ない。
いつも仕事をしているみたいだ。
先週末から風邪で休んだので、余計に忙しいのかもしれないと
そう思いながら、あたしは自分に言い聞かせる。


予定がどうなるかはわからない。

何時に終わりそう?

メールを入れるがレスはない。…ダメかな?少し落胆する。
期待しないでおこうと思いつつ、やっぱりどこかで期待している。
夜10時前に、もう一度メールを入れる。

いつでもいいので、電話してくださひ。

「もう少ししたら、電話する。」と返信がやっと返って来た。

少しの安堵。でもまだわからない。


やっとmasayaから電話がかかってくる。

今どこ?

ん?帰る途中。飯食いに行って、少し飲まされたよ。

大丈夫?

うむ。で、どうしたらいい?

じゃぁ、迎えに来て。


久しぶりに逢ったような気がした。
この前は、病人だったから。
あたしは温かい部屋で、masayaとゴロゴロと過ごす。
抱き着いて、ひさしぶりだと伝える。
そうだね、久しぶりだね。
ちゃんとキスするのもひさしぶり。
ちゃと抱き締められるのもひさしぶり。
masayaがあたしの胸を触るのもひさしぶり。
【起動】するのもさせられるのもひさしぶり。

ごろごろしながら、時折、あたしは彼の顔を見る。
ん?どした?

ううん。ひさしぶりだなと思って。
そう言いながらまたキスを繰り返す。


こうしてるのが気持ち良ひです。

あい。そですね。

淋しかったよぉ。

それは申し訳なひ。


いつも彼はテキトーに答えを返す。
淋しかったり怒ってたりするあたしの気持ちから、ふっと力が抜ける。
うーん、テキトーにいなされてるなと、自分でも思う。
でもそれでも、一緒に居られる時はとても幸せな気分になる。


相変わらず、彼の指先はあたしの乳首を弄ぶ。

ダメだよぉ。

そか?ダメか?


そういいながら、あたしは彼に身体を預ける。
ジーンズのファスナーが降ろされて、ショーツの中で指が遊ぶ。

あっ、、。

焦らすようにいじわるのように、指が跳ねる。



確認してみたよ。

あい。確認されました。


確認しなくてもわかってることじゃない。
しばらくの間、あたしはmasayaの愛撫に身体をまかせて
徐々に高まって行く快感を味わう事に専念していた。
あたしの身体はもう恥ずかしい程反応している。


脱がせてもいい?

ふいにmasayaがそう聞いた。
脱がされて、ジーンズも脱いでしまって、あたしは裸になる。
masayaも裸になる。
毛布にくるまって、抱き合う。
彼の唇が、あたしの乳首を軽く噛む。
あたしの身体から透明な粘液が溢れ出るのが自分でわかった。

彼の上に馬乗りになって、あたしはキスを繰り返す。
唇を吸い、舌を絡めあって、そのまま唇と舌を彼の身体に這わせていく。
masayaの綺麗な首筋や彼の小さい乳首、胸の筋肉。思うままにあたしは愛撫する。
そして、あたしの大好きな綺麗な鎖骨に歯を立てる。

彼自身を口に含む。
最初は回りに舌を絡ませて、ねっとりとした愛撫を続ける。
全部は入らない。それでも喉の奥まであたしは彼を飲み込む。
口のなかで、時折感じる痙攣。
頭を撫でられて、嬉しくて、
ああ、気持ちいいよと囁かれて、嬉しくて、
もう少しもう少しだけと、あたしは彼を愛でる。
あたしの我慢が限界になるまで…。

ふぅっ、、。と溜息をついて、あたしは彼から唇を離した。
脇の下にmasayaの手がはいって、ふっと引き上げられる。

入れて。

珍しく彼がそう言った。
上になったまま、あたしは彼をあたしの中に導く。
彼と抱き合うのはひさしぶり。
ゆっくりと感じようと思ってたのに、masayaは激しくあたしを突き上げる。
彼の両手とあたしの両手。
両指を絡めあって、あたしは彼の上でみだらに腰を動かす。

すごい、イイの、、。あっ、。

あっけなくあたしは声を上げてイク。
それでも、masayaは動きを止めない。
何度か騎乗位で果てて、あたしたちは体勢を入れ替えた。


彼のしたで組み敷かれて、あたしは目一杯彼を感じようとする。
激しく突かれながらも、もっともっとと、身体が要求している。
快感は底なしなのかもしれない。
身体の一番奥に達すると、少し痛いような、
それでいて、とても甘美な快感をあたしはいつも感じる事ができる。

ねぇ、すごいの。

そう囁いて、キスを交わす。
彼の溜息。もういきそうだとmasayaがあたしに告げた。


…ダメ…まだ、イカナイで。

貪欲なあたしは彼にそう伝える。
まだ、もっと。御願い。

バックからも激しく突かれる。
おかしくなりそう。
嫌だとかダメだとか否定する言葉ばかりが口から出て来る。
でも嫌じゃない、ダメじゃない。
どうして、女は感じるとイヤだとかダメだとか言ってしまうのだろう。

立ったまま、テーブルに手をついて、
後ろから貫かれる。当たる箇所がきっと違うんだろう。
いつもとは違う快感が、あたしを襲う。
立っていられなくなって、あたしは床に崩れ落ちるが
激しい動きは止まらなくて、もう一度masayaはあたしに終わると伝えた。


痙攣と快感。

何度セックスしても、いつもすごく感じさせてくれるのは
とても幸せなことだなとふと思う。

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明日、急に出張なんだよ。

そなのね。仕方ないね。


本当はオフ会があったので、masayaも一緒に参加する予定だったのに。
でも仕方がない。そういうところで、愚痴をいってもはじまらない。

明日の新幹線が早いから、もう帰らないと。

後、5分だけ。ね。御願い。


腕枕でmasayaの体温を感じられる時間がもう少し欲しかった。
モウ、スコシダケ。


そういいながら、いつしか抱き合ったまま眠ってしまった。
気付くと午前3時。
3時間も眠ってたね。

ねぇ、忙しいよね。来週も。

あい。わからんなぁ。

テキトーでいいです。お茶にでも誘ってくださひ。

あい。テキトーに誘うです。

大人しく待ってるから。ね。

あい。テキトーに、ね。

はい、テキトーで。



あたしとmasayaはふたりして、そう言って抱き合って
もう一度キスをして、笑った。






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 < past  INDEX  will>


~*Yuu
エンピツ