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2004年09月22日(水) :
 

もう武器は必要なかった。ロイヤルガードのシュミットとシュタインミュラーの姿を見ると、抵抗しようとしている吸血鬼たちは大人しく降伏した。後宮に入ると皇帝の女御達が何人か簡単に気絶させられ 大半は怯え泣いているだけだった。そんな人々を横目で見ながら奥へ奥へと進んでいく。関わる必要はない、彼らを保護するのは普通の軍の兵士がすることであって、VHSOFsはそんな事をするために来たのではなく自分達の任務を遂行するためにきたのだ。それに普通の人々に関わる事はない。
「なんだか デイブが死んだ気がしないや…」
奥へ進むたび、フランクには その確信が大きくなっていく。
「…彼は デイブ殿は恐ろしいですね…」
シュタインミュラーが口を開いた。
「先ほど、陛下に銃口を向けたので殺そうとしたのですよ。なのに彼は私たちの姿も見ずに銃とナイフを突きつけてきたんです。まったく手足が出なかった……さぁ、着きましたよ。」
「…陛下 陛下!!」
シュミットが声をあげた部屋へ皆が視線を注いだ。
「!!!!」
思わず目を背けたくなる光景だった。
床には頭を撃ち抜かれた死体、至近距離から撃たれたのだろう…その前にはVHSOFsに支給されるSOCOMが落ちている。死体には何かを打ち込んだような大きな穴と、首には喰いちぎられた痕―――心臓には杭を 首はくびり落す 吸血鬼の殺し方。
SOCOMを拾い上げる。一人一人の認識ナンバーが刻まれている所には、何も刻まれていない、左撃ちのSOCOM…ディビッド・ボーマンのもの。その近くでスコープの壊れたPSG-1も見つかった。
その横でマーティンが声をあげる。
「デイブの受信機とマイクだ…」
こんなにも証拠があるというのに、まだデイブが死んだとは思えなかったし、実感もなかった。
デイブの事だから、何も言わずにそのうちひょっこりと帰ってくるような気がするのだ。
暗く閉ざされた部屋に満たされた赤い光の中、壊れた窓から赤外線を取り払わない光が入る。
オットー・ルッツコフマンが少しずつ灰へと還っていく。

 ―――塵は塵に

デイブがよく口にしていた言葉だ。塵は塵に
「父親殺しのトラウマにならないかな…?」
FORTH10の紅一点、リンちゃんが泣いていた。彼女が泣いたのを見たのはこれが初めてだった。FORTH10の誰もが、デイブが塵に還ったとは思っていない。ロルフ・ボーマンが静かにリンを抱き寄せる。すると、リンは声をあげて泣き始めた。多分、彼もデイブが死んだとは思っていないのだろう。目が合った。人間でありながらも デイブの様に深い眼。
サンダー・ボルトやストーム・フォースから連絡が入り、王宮全てが鎮圧された事がわかった。
マーティンが詠唱を唱えている。牧師でもあるマーティンは戦闘の前に祈り、戦闘の後に祈る。何故牧師なのに?と聞いた事がある。矛盾してるけど 彼は答えた。 デイブがいるなら自分がいてもおかしくはない。 と。
「おい、フランク 大丈夫か?」
「え?あ、アル 何が?」
差し出されたラッキーズを口に銜え火をもらう。紫煙を吐いたアルフレッドは煙草でフランクを指した。
「デイブの事だよ。抱き枕がいなくなって」
アルフレッドはひねくれた言い方しかしなかったが、心から心配してくれているのだ。ぶっきらぼうでも本当はやさしい。デイブを守ってきてくれたのはアルフレッドとミハエルだった。デイブの癖はアルフレッドの癖そのものだった。デイブに振り向いて欲しくて いつもデイブの機嫌を損ねてきた。デイブはアルフレッドの背中しか見ていない。とも…。でも違った デイブはきちんと自分を見ていてくれた。最後まで気付けなかった。だけど…
「まったく、最後までわかんないよ。デイブは抱き枕じゃなくて大事なパートナー」
「…先に喰っちまって悪かったな。」
笑った。今のアルフレッドはデイブを弟の様にしか思っていない。
VHSOFsの仕事は終わり、SOFsが続々と入ってきた。それまでの間、FORTH10はロルフ・ボーマンやシュミット、シュタインミュラーといい友人になれた。多分、デイブが聞いたら怒るだろうけど、ロルフはデイブそっくりだった。何もかも全てが。彼がこれからこの国を統治するのだ。
SOFsに場所を受け渡す。オットー・ルッツコフマンは灰へと変っていた。
VHSOFsに政治は関係ない。戦いが終わったら それで任務は終わり。
ロルフとは硬い握手を交わした。
朝の光に満ちあふれている。
 ―――世界はこんなに奇麗なのに 何故
目の前にヒップフラスコが差し出される。誰かと思えばマーティンだった。
「飲めよ、主の血だ」
上等なワイン、本当はアルコールは苦手だが飲んだ。
「…デイブが言ってた事があったぞ。 フランクが死んだら俺はどうすればいい? だって」
「嘘だろ?」
「嘘なんかじゃない。アイツはそういうやつだよ。デイブに感情を与えたのはフランク、お前なんだ。それまでは自分を殺してまで任務を遂行する奴だったんだよ。死なないから弾の雨の中を平気で飛び出していくような。お前と組むようになってなくなったんだ。よっぽど大事にしてたんだよ、お前の事。」
フランクの目に、はじめて涙が浮かんだ。
今 やっとわかった。
デイブは自分を拒絶していたのではなく、どう接すればいいのか分からなかったのだ。不器用で甘え方を知らない子供だったのだ。
「……デイブは バカだよ…」

制圧された道路をアンジェル軍の人員輸送トラックがやってきた。
宮殿を一瞥したアルフレッドが最後に乗り込み、アンジェル軍最”凶”の戦闘犬たちが檻におさまり、戦いが幕を閉じた。



揺れるトラックの後ろから後ろへと流れる風景をただぼんやりと眺める。
アンジェル軍がいたる所にいる。これからヴィルト・イルバンはどうなるのだろうか?占領統治になるとは思えない。戦いの理由は闇の中のままだ。
煙草を弾く

 ―――おやすみ、デイブ





2004年09月21日(火) :
 

 隊長のミハエルが銃を構えながら室内へと入ると、親衛隊別隊の制服を着た男たちが手を挙げ 築いたバリケードの影から立ち上がった。ミハエルの合図で室内をくまなく探索してから銃をおろす。
「助かりました…」
 FORTH 10の誰もが驚き、一斉に声の主を見た
「デイブ…?」
 ミラーが思わず声を上げた。それも無理はない、声も姿もデイブそっくりの男が立っていた。…吸血鬼のデイブそっくりの 違うのは、短く刈り込んだ髪と目の色だけ。そのほかは、背の高さまでデイブと同じだった
「皇室親衛隊 別隊のロルフ・ボーマン大隊指揮官…あなたがたの階級で言うと ”少佐”にあたります。弟が、デイブがお世話になっていたようで?」
「デイブの?」
 前に聞いた事があった。デイブには兄がいて、憎んでいると。目の前にいる男は、デイブそっくりでも正反対の人物だった


「デイブにはすいぶんと嫌われましたよ」
 笑いながらロルフは皇帝―オットー・ルッツコフマンの生活する住居区へと導く
 あれからTHUNDAR VoltとStorm Foceが合流し、別隊の者たちが案内役を買って出て宮殿内を捜索する事となったのだ。FORTH 10の任務は 皇帝に近づくこと オットー・ルッツコフマンの居住区に行ったことのあるロルフ少佐が我々を案内することとなった
「Freeeeze!!」動くな
 一斉に銃口があがる。闇の中にレーザーポインターの赤いすじと、赤外線ゴーグルのredEye...
「アンジェル共和国軍 VHSOFs FORTH 10だ!名を名乗れ!」
 暗闇の中、redEyeがかすかに揺れる
「皇室親衛隊 ロイヤルガード 親衛隊・国防軍総司令 イシュタトゥーん・シュミット、後ろは副指令のゲルハルト・シュタインミュラー。オットー・ルッツコフマン皇帝陛下の命により、ロルフ・ボーマン…いえ、ロルフ・ルッツコフマン皇太子殿下をお守りにまいりました」
 ミハエルがあごをしゃくると アルフレッドとマーティンが走り出て、ボディチェックをはじめる。2人とも背の高さは190cm以上で、FORTH 10のアルフレッドと変わらなかった。相手は吸血鬼、しかもロイヤルガードには、Sランクの者しかなれない、今この状態でもFORTH 10を殲滅することが出来るはずだが、そんな様子は微塵もない。ボディチェックからは何も見つからず、ミハエルは待機の合図を出す。懐からマイルド・セブンを取り出しくわえると、二人に向かって差し出した。redEyeがふれると、二人は闇から出てきて煙草を受け取った。
 戦場での煙草は、人間関係の潤滑剤である。敵に煙草を差し出すのは、「危害を食われるつもりはない」の合図だ。これを受け取らなかった場合は……言うまでもないだろう
 長身の二人の赤外線暗視装置の組み込ませていない方の眼鏡の奥の眼も、紅く 氷を思わせるように鋭く光っている。
 ミハエルは見上げる形で煙草に火をつけてやる
 彼らは、皇帝に絶対服従を誓っており、”ロルフ・ボーマンを警護せよ”という命令を受けたのなら、ロルフ・ボーマンがFORTH 10に従っていても 彼を傷つけない限り攻撃を仕掛けてくることはない。しかしそうなってしまったら… 考えたくないだろう。煙草を吸い終えた二人はロルフの前に膝まづく
「これより先は、我々がお衛りいたします」
「ちょっと待ってください!何故 陛下が私を…」
 上官の言葉にパニックを起こしかけたロルフをなだめるようにシュミットは続けた。
「デイブ殿からお聞きになられませんでしたか?陛下が皇位継承者にロルフ様を…様付けで失礼します ロルフ様をお選びになりました。陛下からのご命令です」
「・・・・わかった」
 ロルフの表情から、納得していないことはよくわかった。ロルフが振り向きフランクを視線がぶつかる。
  ―−デイブ そっくりだ
 先にロルフが視線をはずした。しかしフランクはロルフを見続ける
「フランク どうしたの?」
 FORTH 10の紅一点 リン・サカイ(日系アンジェル人)が微動だにしないフランクに声をかけた。心配そうに見上げるリンの髪をくしゃくしゃとなでる
「何でもないよ?」
 なんでもない訳がない。でも、そう言うしかなかった。
 アルフレッド・ミラーはその様子を、密かに見守っていた




親衛隊:親衛隊は、3つの部署からなる
・皇室親衛隊 吸血鬼からなる。ロイヤル・ファミリーを警護する
・親衛隊別隊 人間貴族からなる。警察軍の上に当たり、人間と吸血鬼の橋渡し的な役目がある 人間のロイヤル・ファミリーを警護することもあるが、事務的なことをこなすのが彼らの役目である
・ロイヤル・ガード 皇帝直属の皇帝を護るための組織 Sランクの吸血鬼にしか、入る権限がない 皇帝を邪魔するものは、ロイヤル・ファミリーであっても容赦がなく、「死神」として恐れられる

日系人:War the whole World前から欧羅巴大陸に移住していた日本人の子孫たち 工学技術や組み立てなどの手先の器用さを要する分野に秀でていた為、欧羅巴連合に雇われて移住していたと思われる。今の世界でも、日系人たちのほとんどは マイスターと呼ばれる人達の集まりであることが多い
日系人は、欧羅巴のどこででもみられるが、独自の町を作っていることが多い
アルフレッドも、爆弾の製造を日系人の元に従事し覚えたもののようである




2004年09月16日(木) : seen=2 フランク・ミラー
 

 目が覚めたのは王宮突入の為の出撃30分前、M.A.S.Hの簡易ベットの上だった。
 俺が眠っている間に何が起こったのかはミハ-隊長-が話してくれた。勿論、ミハが話さなくても、デイブが何をしようとしていたかはわかっていた…

「デイブ?デイブか!?」
 FORTH 10のテントの前に立つ人影にミハエルは声をかけた。金髪の、暫く見ていないデイビット・ボーマンが、問い掛けに振り向いた。ミハエルが口を開く前に、腕の中で眠るフランクを渡した。
「こいつを預かってくれ、夜明けまでには目を覚ますはずた。それと
ウォルフに、日の出と共に王宮に突入を開始するよう伝えてほしい。必ず 日の出と共にだ。」
 少しの間の後、ミハエルは口を開いた
「デイブ、まさかっ まさか死ぬ気じゃ…」
「この戦い-人間と吸血鬼の戦い-は 俺が決着をつけなけりゃならないんだ
死ぬ気じゃなきゃ、あの男-皇帝-は殺せない」
 背を向け歩き出す
「デイブ!お前は『FORTH 10』の隊員だからな!仲間なんだ、ちゃんと帰ってこいよ」
 わかっていると言わんばかりにてを振ったデイブは闇の中へと消えていった…

 たいていのヴルト・イルバンの兵士は、アンジェル共和国軍のVHSOFsのエンブレムをつけた兵を見ると抵抗をやめ、武器を差し出し降伏した。自分たちの負けは明らかで降伏した者達だ、彼らは自分たちの武器-きば-を差し出したのだから殺す必要はないし、いまさら殺すこともない。例え、それが吸血鬼であってもだ。もちろん抵抗は2つ3つあったが、すぐに片付けられた。王宮突入にあたっても、人間貴族が入れる前宮でも抵抗は皆無。武器を構えていた者達も、VHSOFsの文字時を目にした途端 降伏の姿勢を見せる。何の抵抗もなく、後宮に続く長い廊下を 奥へ奥へと進んでいくと、銃声が聞こえてきた。進むにつれ、音は大きくなる。
 ある扉に吸血鬼たちが群がり進入しようと足掻くが、結界が張っているらしく扉の内側に入ることだ出来ないでいる。床には大量の灰が積もっており、中から撃たれた弾に当った吸血鬼が悲鳴とも絶叫ともつかない声を上げて灰へと還った。
 そしてちょうどいいことに、吸血鬼たちは FORTH 10に気付いておらず、大量の銀の弾を浴び灰へと還っていった。
「大丈夫か!?」



2004年09月14日(火) : 休息
 

 今現在の気象データを入れているNATを見ながら、喫煙の許されている本部で伍長は煙草を吸っていた。隣にはこれまたNATの作業を見ながらお茶をすするヒトダマがいる
「なぁヒトダマ、お前ゆかた着たくなかったのか?」
 ヒトダマはほにゃ?っと伍長を見た
「あのですね、浴衣を着ると、妙なくびれができてしまうので、それはどうかと…」
「いや、そうじゃなくて 元の姿で着たくなかったかって」
 また、ほよ?っと体全体を傾けると、湯飲みをおいた
「えーとですねぇ…着たかった事は着たかったんですけどぉ…」
「着たかったんだな?」
 別に伍長は怒っていた訳ではないのだが、どすが効いた声(元々)にヒトダマははっきりと答えた
「はい…」
 垂れ目が細められ、伸びてきた手がヒトダマの前髪をワシワシとなでる。伍長は何か考えているようであった
「そうだな……七五三でもするか?NATも一緒に」
「七五三…ですか?でもあれは」
 髪をなでていた手が背中に移り、ムニムニと揉み始めた。こそばゆさにヒトダマが身をよじる
「年なんざぁ関係ねェさ 俺が父親って事にしてよ」
「父親」と言う言葉にヒトダマは全身を傾けた
「伍長さん、父親というより誘拐犯に間違えられそうですぅ…」(9/14)

 ぎゅ!っと背中がもにられると、ヒトダマから悲鳴ともつかない声と電気が走ったかのように下から上へ震えが伝う
「お前なぁ…」
「ご、ごめんなさぁい でも、いいんですか?」
「子供が心配するこたぁねえんだよ」
 子供…といっても、見かけだけで ヒトダマは伍長の何倍…いや、何十倍もこの世に存在している。しかしそのファンシーな姿からは子ども扱いしてしまう方が、当然と言っては当然なのかもしれない
「ありがとうございますぅ」
 伍長の手の中でヒトダマがぺこりと頭を下げた。伍長はヒトダマをイスに戻すと 空になった湯飲みを引き寄せる
「もう一杯飲むか?」
「はい、いただきますぅ。伍長さんが入れたお茶、すごぉくおいしいですねぇ(ほのぼの) あ、もしかして 料理も出来るんですか?」
「まぁ、喰える程度にな」
 ヒトダマと自分の湯飲みにお茶を注ぐと、ヒトダマの前に置いた
「楽しみにしてますねぇ」
 どうやらNATがセッティングを終わらせたらしく、こちらに来た。
さぁて、とつぶやいた伍長は 普段はあまり浮かべない普通の笑みをこぼしたいた

Fin(9/15)




2004年09月11日(土) : フランク・ミラー
 

その1:お名前は?
  フランク・ミラー
その2:画像などありましたらおねがいいたします。
  なし
その3:ご活躍の作品名(ありましたら)
  小説を見ればいいと思うよ
その4:ジャンルを教えてください(アクション、ラブコメ、伝奇ものなど)
  戦争、アクション、SF
その5:そのあらすじなど。(ありましたら)
  長くなるから、小説を読めばいいかな
その6:主人公ですか?サブキャラですか?
  サブのメイン主人公(ややこしいね)
その7:どんなポジションですか?
  主人公のデイブの相棒です
その8:あだ名ありますか?
  そのまま フランクって呼ばれてる
その9:普段はなんて呼ばれていますか?
  フランク
その10:身長、体重、性別
  190cm 78kg 男

その11:年齢、あれば生年月日も。
  28歳
その12:出身地はどちらですか?
  アンジェル共和国
その13:髪の色、瞳の色、肌の色は?
  金髪、緑、白
その14:人種(人外のかたは種族など)は?
  ブリトン系アンジェル人
その15:利き手どっちですか?
右 でも、左も使えるよ
その16:眼、いいですか?
  兵士の中で普通の方、夜目は利くほうだよ
その17:ご職業は?(学生さんは学校名、学年をどうぞ)
  軍人さん?
その18:今の職業(学校)に至った理由は?
  家業と似てたからかな でも、こっちの方がよっぽどいいよ
その19:今の職業(学校)好きですか?
  家業よりはね
  それ以外は出来ないだろうし
その20:自分を動物にたとえると何?
  なにになるかな

その21:特技ありますか?
  デイブ発見
その22:ご趣味は?
  デイブ観察
その23:好きな色は?
  青?
その24:好きな花は?
  タンポポ
その25:ついやっちゃうクセありますか?
  デイブの頭をなでてしまう
その26:文字、綺麗な方ですか?
  普通
その27:得意なスポーツ(もしくはそれに類するもの)ありますか?
  射撃?
その28:自分はギャンブラーだと思いますか?
  石橋をたたいて割ってしまうタイプだね
その29:必殺技なんかありますか?
  必殺技!みたいなのはないよ
その30:食べ物の好き嫌いはありますか?
  塩辛

その31:自分の声に似ている声優さんいらっしゃいますか?
  …
その32:気になる人いますか?
  デイブ
その33:恋人いますか?(おられない方は好みのタイプなど語ってください)
  好みはね…バキ!←殴られた
その34:家族構成は?
  父 母 弟一人 妹3人 
その35:尊敬する人は?
  アル、ミハエル
その36:ペットいますか?
  デイブをペットに出来たらなぁ うふふふふ
その37:親友いますか?
  隊の仲間はみんな親友だよ
その38:友達多いですか?
  どうかなぁ
その39:敵(もしくはライバル)いますか?
  ミハ、アル、デイブ
その40:上司(先生でも師匠でも親方でも・・)をどう思いますか?
  尊敬してるよ

その41:そのヘアスタイルは床屋?美容院?それとも・・
  自分で
その42:ONの時のファッションは?(画像でも可)
  戦闘服
その43:OFFの時のファッションは?(画像でも可)
  普通の服
  誰かみたいに服持ってなくはないよ
その44:何着て寝てますか?
  下着
その45:自分のチャームポイントはどこだと思いますか?
  えっとぉ
その46:もし、違う世界(ストーリィ)にいけるとしたら何がしたい?
  別に何も ぐふ
その47:座右の銘(もしくは決めゼリフ)ありましたらどうぞ。
  一石三鳥
その48:これだけは我慢できない!ってことありますか?
  デイブが殴ること・逃げること・無視すること
その49:自分がゲームになるとしたらジャンルは何がいい?
  ならなくていいよ
その50:今一番ほしいものなんですか?
  デイブの(以下自粛)

その51:カラオケで何歌いますか?(ない世界の方ももしあったらということで)
  いかないなぁ
その52:自分のテーマソングみたいな歌あったら教えてください。
  −−
その53:過去について語ってください。
  色々と ね?
  そのうち作者が書くって言ってるよ(そのうちなの?)
その54:将来について語ってください。
  …デイブが後ろでPSG-1を構えてるから、また今度ね
  (デイブは本気で撃つもん)  
その55:現在の悩みありますか?
  デイブがねぇ なかなか素直にならないんだよねぇ
その56:占いって信じますか?
  いいことだけ信じて、悪いことは知らない
その57:神様はいるとおもいますか?
  いると思えばいるしいないと思えばいない かな?
その58:しみじみと幸せを感じる時ってどんな時?
  デイブと寝られた時
その59:百万円(貨幣価値の違う世界の方はそれぐらいの金額だと思って)あったら何に使いますか?
  この部隊にいると、お金って使わないから そんな大金もらってもねぇ
その60:用をたしたばかりのトイレに500円玉を落としてしまいました!拾う?拾わない?
  拾わないよぉ

その61:現在の設定では絶対にムリなんだけどやってみたいことってありますか?
  普通に生きてみたいかな
その62:愛用品(武器とか小物とか)ありますか?
  SOCOM USP …銃をよく使ってる
その63:名作童話のお芝居をすることになりました。どんな物語で何の役がいい?
  え?え?  
その64:今度生まれてくるときは異性がいいですか?同性がいいですか?
  普通の生活が出来るのなら、どっちでもいいよ
その65:自分が主役のエロパロ(もしくはやおい)同人誌を見つけてしまったらどうしますか?
  今も あんまかわんないよね
その66:自分にファンっていますか?
  いないでしょ
その67:読書はしますか?どんなもの読みますか?
  気になったのだけ読む
  話題書は読まないなぁ
その68:音楽は聴きますか?好きなジャンルは(異世界の方は近いと思われるものを)
  クラシックかな
その69:最近泣いちゃったことありますか?そのわけは?
  ないなぁ  
その70:最近ムカついたことはありますか?そのわけは?
  この間、デイブに無視されてさぁ
   (省略)
  でね、
   (中略)
  だったんだよぉ

その71:自分って子供だなぁと思うのはどんな時?
  いつもだよ  
その72:自分ってオトナぢゃーん?って思うのはどんな時?
  ないね
その73:最近年くったな・・・と感じるのはどんな時?
  あんまり感じないかなぁ
その74:肉体的なコンプレックスってありますか?
  背が高い アルより小さいから、まだいいけど
その75:精神的なコンプレックスってありますか?
  あるね
その76:まだ発表されていない秘密データってありますか?
  あるよぉ いっぱい
その77:時間には几帳面な方?
  几帳面 だね
その78:料理ってしますか?得意なメニューありますか?
  アルやデイブよりは下手だけど、作れるよ
その79:お酒飲めますか?強いですか?酔うと何上戸?
  アルコールはダメ 一口で倒れる  
その80:タバコ吸いますか?日に何本くらい?あれば銘柄を。
  West F1
  
その81:これがないと生きていけない!ってものありますか?
  デイブ
その82:同性、異性、どっちが好きですか?
  あ、俺 ゲイだから  
その83:初恋はいつですか?
  忘れちゃったなぁ
その84:相手は誰ですか?今どうしてますか?
  −−
その85:初体験・・いつですか?
  16の時だったけど
その86:相手は誰ですか?今どうしてますか?
  誰だっけ? もしかしてさぁ…あ、違う?よかった
その87:唐突ですがあなたの一番大切な人がゾンビになってしまいました!もう相手を滅ぼすか、自分もくわれて共にゾンビとして生ける屍となるくらいしか道はないようです。あなたならどうする?
  相手を殺すでしょ デイブでも
その88:宝物ってありますか?
  いっぱいあるから
  順番なんて決められないし  
その89:世界を滅ぼすほどの力を手に入れたら何がしたい?
  いらないよぉ
その90:自分ってボケだと思う?ツッコミだと思う?
  ボケだけど、デイブの突っ込みは殺人…

その91:ズバリ!弱点は?
  みぞおち アル「当たり前だ!」
その92:作者についてどう思いますか?
  おもしろいひとだよね
その93:作者さんへ質問/このキャラ好きですか?
  一番動かしにくくて、暴走しますが 好きです
その94:作者さんへ質問/その理由は?
  私の心を 伍長が書いてくれているものですから
その95:作者さんへ質問/キャラ作りで参考にした他作品のキャラクターっていますか?
  ないです
その96:作者さんへ質問/自分と似ているところってあると思いますか?
  似ているところはそっくりです
その97:作者さんへ質問/メディア化されるとしたらアニメがいい?実写がいい?
  いや、できないっすよ…内容的に
その98:作者さんへ質問/現実時間でこのキャラが初めて世に出たのはいつごろ?
  高1・2ころですね
その99:作者さんへ質問/メインの発表媒体はネット?同人誌?
  ネットです
その100:お疲れ様でした。最後にこれを読んでくださった方に対してキャラとして何か一言お願いします。
  お疲れさまぁ






 ↑この質問は、こちらのサイト様からいただきました







2004年09月10日(金) :
 

「ごめんなさいです ごめんなさいですぅ」
「あー 先に言わなかった俺が悪いんだ」
フランクをソファに寝かすと、伍長がするより先にデイブが水を飲ませ、怒ったような視線を伍長に向けた。
「わざとじゃないって」
「…アルがそんな事するとは思ってない」
 ――あ、デイブさんはじめてしゃべりましたねぇ
心配そうに二人の成り行きを見守っていると尻尾をつかまれた
「にょ〜〜〜!!」
「おもったとおり、いいねごごちぃ」
出来上がったミハエルがヒトダマを枕にしている…
「くすぐったいですぅ」
んな叫び声など酔っ払った人間に聞こえるわけもない
「ミハが眠るまで我慢してろ…」
やれやれと伍長がため息をつく。感触が良すぎてビーンズクッションと間違われているヒトダマだが、れっきとした女の子 ……んなこと考えるより寝るか
伍長もそろそろ限界が近かった
外を見ると空が白み始めている
眠ったミハエルの頭からヒトダマを引き抜くと、少し萎んでいる

今日はかなりもにられており、いつもはすぐに膨らむような凹みなのだがなかなか戻らない
「寝るぞ」
「あああ、それより先に片付けしたいですぅ」
「一度寝てスッキリしてからでいい!俺は眠みぃんだ」
有無を言わさず小脇に抱えるともがくヒトダマを連行する
と、デイブと視線が合った
  ――こ、怖いなんてものじゃないですぅ
ヒトダマの震えにか、それともデイブの視線にか 伍長は振り向いた
「デイブも一緒に寝るか?」




「だ・か・ら 何で火花が散ってなきゃいけねぇんだ?あ?」
ベットの上で伍長は叫んだ
ヒトダマとデイブが ぢー っと睨み合いを続けているのだが、伍長の言葉に二人は キッ と睨み付けた
「ヒト ダマ…」(こ、こえぇ 寝るに寝れねぇじゃねぇか)
ヒトダマにはいつも寝ているからいいじゃねぇかとか、デイブにはいい年こいて何張り合ってるとか言えなくなってしまった
  ――まさかデイブがやきもちやくとはなぁ… フランクにべったりとばかり思ってたんだが
ひょいとヒトダマをつまみあげる
「お前は俺の右側、デイブは左側 いいな?おやすみ」

うとうとしてきたなぁとまどろみはじめたヒトダマは急にもにゅりとつかまれ放り投げられてしまった
「???」
キョロキョロとまわりをみまわしてベットを見ると、デイブが伍長にくっついてヒトダマを見ていた
「ムムム 卑怯です」
パッとデイブの前にあらわれたヒトダマは、驚くデイブに頭突きをくらわせる
思ってもみなかった攻撃にあごをおさえ、涙目になったデイブの前でヒトダマはエヘンと胸をはる
「どーですか、これでおあいこ ほにゃぁ!!」
デイブがヒトダマのほおだと思われる辺りを左右に引っ張って手を放した
「あうぅ(泣)ムー そっちがその気なら」
………
ベットの上でギャァギャァピーピー喧嘩を始めたのだが
「うるせえ!黙りやがれっ
眼鏡が外れて本来の姿に戻ったヒトダマとタガが外れかけ金髪の姿に戻りかけたデイブがつかみあったままピタリと動きをとめた
ダース・ヴェイダーのテーマをBGMに伍長がゆらりと起き上がる
「アル ごめ…」「伍長さぁん あああの…」
必死の訴えは無視され、首根っこをつかまれた二人は床に放り出された
「静かにねれねぇんなら外で寝ろ!」
伍長の言葉に出来ない恐ろしさにおもわず二人は抱き合って震えをとめようとした。しかし、半分覚醒状態だった伍長はそれ以上何も言わずにパタンと倒れた
思わず顔を見合わせると、ヒトダマの頭に スコーン とメガネが投げつけられた
ため息をついて床に落ちメガネを拾ったデイブは、ヒトダマにメガネを渡すとクッションを枕にして横になる
「あのぉ、伍長さんの所に戻らないんですか?」
メガネをかけながらデイブに尋ねると、またにらまれる
「……アルが怒ったら、次に気持ちよく目が覚めるまで許してくれない
 今度はきっと 窓の外に放り出される」
身震いをしてヒトダマを見た
「…お前、吐きたいのか?青いぞ…」
「い、いえ リアルに想像しちゃいましたぁ」
何を思ったのか、デイブがヒトダマを掴んだ
「ああのぉ 私、マシュマロみたいにおいしくないですぅ」
「? …ほんとにいい感しょ く…」
言い終わらないうちにすやすやと寝息を立て始めたのだが…
「きついですぅ せっかくふくらんだのにぃ(泣)」
せめてもの救いはデイブさんが固体さんに似ていることですねぇ
本当に今日はとんでもない日でしたぁ
と、鳥の鳴き声を聞きながら ヒトダマも眠りの世界に入った


次の日、デイブの腕のなかで しおしおになったヒトダマが発見されたのは言うまでもないし、伍長とデイブ以外が二日酔いで動けなかったのも言うまでもない

The End






2004年09月09日(木) :
 

「何って なぁ」
「さっきあんなに驚いたってのに言って大丈夫か?」
「やばいんじゃないの?」

「あのぉ〜?」
3人がちらりとヒトダマを見ると、またため息をついた
「あのなぁ…」
フワフワ浮かぶヒトダマを見ると、真剣な話をしようとすればするほど力が抜ける
「血ぃ飲みにいったんだよ」
「血ですか?ああ、吸血鬼さんですもんねぇ って血ぃ!?」
やっぱりな ため息をつく。(30分ほどの間に何回ついただろうか?) 先ほどの騒ぎっぷりよりは いくらかはましだろうが…
「半年ほど飲んでなかったんだ。だからさっき具合が悪くなって廊下でへばってたんだよ。俺のだけじゃ足りなかったみたいでな…」
伍長は喋ってから余計なことを言ったと視線をそらしせきをした。
「じゃぁ、私に噛み付こうとしたのも…」
陽気にマーティンが口を挟む
「たぶん、お腹の空きすぎでマシュマロに見えたんだよ きっと。デイブ、マシュマロ好きだから」
「「血じゃなくて!?」」(伍長&ヒトダマ)
「血もだけどさ、どちかってーとマシュマロみたいでおいしそう ってのが98%を占めてると思うよ」
 ………
「伍長さん 私、マシュマロみたいですか?マシュマロみたいですかっ?」
大量の涙を降らせ伍長の胸座あたりを掴んでみるヒトダマ
伍長はというと、またもや視線をそらせ 咳き込みながらフランクが吸っていたWestF1を取り一口吸う
「……言われてみると、マシュマロ みたいだな  特大の…」
「ひど「たっだいまぁ〜!」
ヒトダマの言葉がフランクのどデカイ声にかき消された(哀れ)
「デイブが放してくれなくてさぁ 本当に困ったよ ってあれ?」
「お前なぁ…空気読めよ」
くっついたままのデイブごと座ったフランクはあははと笑い声を上げる
戦闘センスはピカイチでも空気が読めないフランクは、伍長に掴みかかったままのヒトダマの尻尾を掴んで引っ張った
「ほぎゃ!!」
「うふふふふ♪ アルぅ やっぱりヒトダマちゃん頂戴ぃ」
「お願いですから尻尾だけは勘弁ですぅ」
「デイヴのものは俺のもので、デイヴのヒトダマは俺のもんだ!お前にはデイブがいるだろ!」(違!!)
フランクはぢっとヒトダマを見つめ
「…なんだがヒトダマちゃんてマシュマロみたい」

〜〜〜〜〜

フランクの言葉に萎んだヒトダマが復活し、何も知らないで 酔った勢いでフランクが見ていない間にコップに一の蔵・無鑑査を注ぐ
マーティンは「主の血だからお酒じゃない〜」と10本ものワインを空け1番最初に潰れ、フランクはそれを見ていて ヒトダマは空になったコップを満たしてやったというわけだ
デイブは部屋の隅で、コニャックをストレートでちびりちびり飲んでおり、時折 フランクと伍長の間に座ってヒトダマを睨むだけで一言も喋らなかった
伍長はキッチンでつまみを作っているらしく、いいにおいと焼ける音が聞こえてくるが 伍長もそうとう飲んでいる
こそっ「私、デイブさんに嫌われたんでしょうか?」
きっとデイブに睨まれ脅えながらランクに耳打ちしてみる
「そんなことないよ。あいつ 特定の人間としか喋らないから…1週間ぐらい一緒に暮らせばなんとかなるようになるよ?」
「い いえ、いいですぅ マシュマロみたいって食べられちゃいますぅ」
「あはははは ありえるね デイブ、どう?」
自分の名前が呼ばれたので顔を上げたデイブはすぐにそっぽを向く
「ヒトダマちゃんに焼きもち焼いてるんだなぁ かわいいなぁ」
ぐい とコップと煽る
「!?」
ばったーーん!とすごい音を立ててフランクが倒れた
「フランク!?」
ミハエルが体を抱えるがピクリともしない
「ほ、ほにゃぁぁぁ」
床には倒れたフランクに巻き込まれた のしマシュマロ げふん 失礼、のしヒトダマが出来上がっていた
「ヒトダマ!なに飲ませた!!」
伍長もあわててキッチンから飛び出してきて、ヘロンとなったヒトダマをつまみ上げ左右を引っ張って空気を入れる(流石に人前だから…)
「何って 一の蔵ですぅ」
あー、と頭をかく伍長
「ワリィ 言ってなかったけな。フランクはアルコールは駄目なんだ……もう遅いけどな」

先に言ってくださぁい とヒトダマの声が響き渡ったのは言うまでもない




えっとぉ…
もう一回だけ続きます…

えへ





2004年09月08日(水) :
 

宴会場と化したリビングにデイブをつれた伍長が戻ってきた
「なんだ、お前 いける口かぁ」
「はぁい、特に日本酒はどぅわ〜いすきですぅ あ、伍長さぁん 先にいただいてましたぁ」
ほんのりピンク色に染まったヒトダマは もう3人と和んでいた。と、伍長の後ろにいる人影に気付きふよふよと漂ってくる
「そちらの方は?」
少し呆れ顔の伍長はチラリと後ろを見た
「ああ、デイビット・ボーマン 俺の弟みたいなもんだ」
もにゅりとヒトダマの背中を掴み、デイブの手の中に落とす
  ――わぁ…固体さんそっくりですぅ あ、目は赤いんですねぇ ?
デイブは、手の中のヒトダマの感触を楽しむわけでもなく見下ろしていたが、スッと目が細まると 何を思ったのか口が開きヒトダマを持ち上げた
その口の中には 鋭い牙が光っている
「ーーーーーー(泣) ごちょうさん た たた…」
デイブの手からヒトダマがむしり取られると同時に、伍長のけりがデイブのみぞおちに入った
「フランク、まだ足んねぇんだとよ。俺は限界だ」
かごに入っていた鍵を取り上げ、フランクに向けて投げる
「部屋の鍵だ デイブを連れてけ」
フランクははにかんだ笑みを浮かべると、咳き込むデイブを連れてリビングを出て行く
伍長は何事もなかったかうように座に混ざり、酒盛りを始める。手の中にいたヒトダマを隣に置き、コップに浦がすみをなみなみとついでやる
喜びながらもコップを手にするが、今の出来事が何だったのかを聞いていないことに気付いた
「伍長さん!デイブさんて 何なんですか!?」
ちっ 騙されネェか… デイブはなぁ…」
チラリとピンク色のヒトダマを見る。霊体であるヒトダマなら、デイブが何者であるか言っても大丈夫だろう
「はぁ デイブは吸血鬼だ」
予想は大きく外れる
「○×△□▽@*☆●♪■▲×〜〜〜!!!?」(何語?)
すっパ〜ン!!
伍長がどこからともなく取り出したハリセンで、ヒトダマを野球ボールに仕立てる
上手くキャッチしたミハエルがにっこりと微笑んだ
「霊体の方が よっぽど怖いと思うよ?それに、怒らせなければ害はないし…」
「はぁい…あうう」(目が、目がすわってますぅ・泣)ガタガタプルプル
「お前って、幽霊に遭っても騒ぐだろ?」
ハリセンをしまいながら伍長が訊ねる
「こわくないですかぁ?うらめしや〜なんて言われたら…」
「表は蕎麦屋 って答えてやれよ」
  ――だ、誰も私の存在ってものを疑ってないですぅ
    それどころか、上がいましたぁ
何かのネタにできるかな?と頭の隅においておくヒトダマだった
「ところで、フランクさんは何しにいったんですか?」

3人が固まったのは言うまでもない

続く(まだ続きます)



2004年09月07日(火) :
 

「にゃ?伍ちょ ふが!もごもご」
「ちょっくら黙ってろ…!! 寝たふりするぞ」
 ぐわば!と布団に潜り込むと同時にリビングのドアが開き、先程の男達が入ってきた。
「アル?寝てんの」
 鍵を空けた長身の男が明かりをつけ、ロールカーテンを捲くり上げる。
「やっぱり抱き枕抱いてる…いい歳こいてぇ!」
 ミシリとヒトダマを持った右手が男の顔にめり込み、ヒトダマごと吹っ飛ぶ。伍長は寝起きで機嫌が悪いせいか まったくの容赦がない(ごめんヒトダマ)
「何か抱いてないと寝られなくて悪いか!!」
「いたたたた…ひどいなぁうわっ触り心地いい アル、これどこで買っの?」
 目を回し自分の顔から剥がれ落ちたヒトダマをもにゅもにゅもにる。と、気付いたヒトダマが声をあげた
「ほにゃ!ほにゃあああ そこそこはダメですぅ」
 声を上げ、両手を振り回すヒトダマをさらにもにる
  ――あうぅ、伍長さんみたいですぅ
 それもそのはず、ヒトダマをもにる彼は 伍長のいとこであり、ミラー家の本家(伍長は分家の嫡男)の嫡男、フランク・ミラーなのだ
「え?電池は?」
 その手の中からヒトダマを摘み上げた伍長は、自分の頭の上にのせた
「伍長さんひどいですぅ」
「はっはっはっ、こいつは生物(なまものと読む)だ。で、何しに来たんだ?」
「何って、仲間でこっちに来たから遊びに来たんだよ、ホラ」
 酒が入った袋を差し出す。それをよけ、伍長は溜息をついた
「…ホテル代浮かせようって魂胆か」
 よく見ると、四人とも大荷物である
「あのぉ伍長さん、こちらの方々は…」
「ああ、そうだったな
  ヒトダマを摘み、自分の腕にのせる
 昔いた隊の仲間だ。
 今ぶつかった(ぶつかったのではなく、ぶつけられたの間違いではあるが、突っ込まない方が賢明かと…)のが いとこのフランク・ミラー こっちが隊長だったミハエル・チェカ(少し髪が長く、明るい茶色)、こいつはマーティン(細目の赤毛) これでも牧師、で こいつは…あれ?デイブはどうした?」
「ほえ?」
 デイブという名前にヒトダマは伍長を見上げた。まさか固体さんではあるまい
「ちょっと持っててくれ」
 ヒトダマをフランクの手に預けるとリビングを出ていった
「う〜たまんないなぁこの感触♪」
 フランクにもにられるヒトダマをマーティンが奪い取る
「和むなぁ …見たところだと、悪ではないみたいだねぇ…でも聖って感じもしないなぁ」
 感触体験会と化す
――あうぅ みなさん、伍長さんみたいですぅ 特にフランクさん
「ところで、何でアルのところに?」
 ミハエルが突っ込む
「あうぅ、それは聞かないでください…話せば長くなります って、お腹はダメですぅ」
 フランクにもにられながらも疑問がわいた
「でもみなさん、私のこと突っ込まないんですねぇ 伍長さんもそうでしたけど」
 ファンシーな姿でも、やはり霊体であるヒトダマに 恐れもなく何かした者達など、数えるくらいしかいない。誰でも最初は、遠巻きに見ているのが普通で、そこから”仲良く”に発展する方も少ない
「まぁ、俺は職業柄ってのもあるし、隊の者も そういう仕事…ちょっと違うけど 似たような仕事だし…」
 マーティンの視線を受けてフランクが言葉を続けた
「それに、デイブに比べたら ね?」
 3人で納得しあう
「にしても さわり心地いい…」
「ぼぎゃ!」←フランクにぎゅーっと抱きしめられたのと、ミハエルに尻尾を握られた
  ――だ、大魔王が 4人も(泣)
 デイブさんが普通の人でありますように と願うヒトダマだった


続く








2004年09月06日(月) : ヒトダマの災難
 

 男たちが4人、廊下を歩いているのだが、4人ともごついコンバットブーツであるのにもかかわらず 足音がしないし、手にはビニール袋を持っていて 中の酒のビンやカンがぶつかって音を立てているというのに人間の気配はしなかった。
 そして何より変だというのは、この平和な街でそれぞれがカバーしあえるように間隔をあけて歩いているということだ。
「ここだな…」
1001 アルフレッド・ミラー の門札を確認した男が呟くと、後ろにいた長身の男が鍵を取り出した
「アルってさ、高いトコ駄目なくせに 高いトコに住んでるよね」

  一方 中では…

「ご、伍長さぁん 私、潰れちゃいますぅ!(泣)」
「ぅう〜ん」
 只今 一ヶ月間無料レンタル中のヒトダマが 寝返りを打った「伍長」ことアルフレッド・ミラーの腕の中で潰れまいと必死に格闘していたが、一度寝てしまえば決めた時間まで起きない伍長が目を覚ます気配はない。とうとう根負け(?)したヒトダマは ぷち! と小気味よい音を立てて潰れてしまった…(汗)
「…?」
 ヒトダマの ぽにょぽにょ もにゅもにゅ という気持ちのいい感触がなくなったことに気づいた伍長は、目をこすりながらヒトダマがいるはずの自分の腕の中を見た。
 「……」
 ふらふらと起き上がり PCデスクの上に置いてあったばんそうこを取ると、へロン と空気の抜けたヒトダマにあいたの穴を見つけ息を吹き込みばんそうを貼る。(ちなみに穴はしばらくすると閉じるらしい) その様子は手馴れたもので、何度かこんな事があったということがうかがえる。目をまわしたままのヒトダマを抱くと また眠りの世界へ入ろうとしたが、玄関が開く音が聞こえた
 ――こんな真夜中(A.M.2:30)に…鍵が開いたって事は敵ではねぇな……



2004年09月05日(日) : ヒトダマの災難……その前に
 

伍長の部屋をご案内

これがないと、話がわからなくなることに気がつきました
話は 次のページに移しました

場所:ネオ・コウベシティのどこか(固体さんの事務所の近く)

マンションは伍長が所有者(え!?) 全戸南向き
なので、1001号室(最上階の一番東側)
中は自分が好きなようにレイアウトしたので、とんでもない部屋割りになっている(他の部屋は標準のレイアウト)

玄関:2/3をKawasakiKLX250cc(オフロードバイク)が占める
   右手側にウォークインシューズ入れ(半畳ほど)
     ↑いろんな種類のコンバットブーツがほとんど
右手側:唯一の部屋 8畳のフローリング
    仕事用(ミリタリー)の服や道具が入っているとっても危険な部屋
    MP5・MG34・MG42・SOCOMなどの銃器、爆薬がここに
    窓は共用部の北側にのみ
左手側:北側から風呂・洗面所 トイレ キッチン(対面式)
    風呂はこだわって広い
南側:リビング・ダイニング 25畳ほど
   そのうち西の窓の前にダブルベット(広い方がいいらしい)
   しきりのように低い棚があり、その上にPC
   ロールカーテンがあり、寝るときや人が来たときには降ろす
   ベットの奥(北側)にはこの字型に本棚があり、リビングのドアを開けると右手側に本棚の壁があることになる 服(といってもかなり少ない)もここにおいてあるようだ(下着は洗面所)
   ベットがある方はベランダから1mほど下がっていて、サンルームがある高い所が駄目な伍長は このサンルームに洗濯物を干す ベランダにはほとんど出ない
   キッチンがある左手側がリビングダイニングになるが、食事はカウンターでとっている 一応、ソファはあるが、床のいたるところに酒瓶や脱ぎ捨てられた服が落ちている

・オーナーなので最上階に住んでいるが、高いところは駄目
・料理は好きで、かなりうまいらしく 一ヶ月間無料レンタルに貸し出されたヒトダマが帰ってきたときには さらに丸々と肥えて帰ってきたらしい
・"ふけつ"のミラーのあだ名の通り、片付けが苦手&機雷嫌い
 レンタル初日のヒトダマは 片付けおばさん状態だったようだ
 ヒトダマ「伍長さんひどいんですよ!私が片付けた先から散らかしていくんですぅ。でも、下着を洗ったときはすごぉく怒られました 固体さんは怒らないのに、何ででしょう?」
・リビングにベットがあるのは、いちいち移動がめんどくさいから
 ヒトダマ「最初は驚いたんですが、意外と便利なんですよぉ」
 伍長「だろ?」

です
他に何かあればBBSまでどうぞ



2004年09月04日(土) :
 

 VHSOFsの特別棟―吸血鬼等の化け物について研究する施設がある所だ。VHSOFsの人間であっても各隊の隊長・副隊長以外は入る事ができないし、入るに当たって幾重ものセキュリティを通らなくてはならない。しかも研究棟へ入る道はただ一つ、センターと結ばれた地下の長い渡り廊下だけで、研究棟自体も地下にある。捕獲された化物達は、更に独自のセキュリティで守られた独房に入れられる。デイブが入れられているのは、その中でも凶悪な化物を入れる為の牢だ。牢の入口に立つ二人の警備兵に確認を取り 看守長に、ミハエルはIDカードを渡す。
 「悪いなミハ。あんただってわかってても仕事だからな」
 これで5回目の身体検査をうける。難無く通ったミハエルに、カードを受け取った男は呟いた。
 「…今日は全員俺の部下だ。ビデオは編集したヤツに切り替えた」
一番奥、厳重な扉を開けてもらい中へと入る。本来なら警備兵は面会者と共に入らなければならないのだが、一つ目の扉で待機する。
 椅子へと座るとデイブと向き合った。目をそむけたくなる様な光景が、そこにはあった。ガラス張りの不自然に広い部屋、プライバシーという言葉はそこにはない。明かりが煌々とついて、他の独房の様に、闇に紛れて生活する事も出来ない。まるで動物園の人間版のようだ。上半身が起こせるタイプのベットから垂れる4本の鎖は部屋の左端に集められ、コンクリートの床に埋め込まれ、デイブとミハエルの間を仕切るガラスまで届く長さはないが 多少の余裕はあった。頭には、吸血鬼の能力が使えない様、能力を使うと 直接毒が脳に投与されるようにセットされた沢山の管、口にはデイブの食事である血液が流れるチューブがとめられている。
 そして、至る所にある包帯とテープでとめられた脱脂綿。能力が使えない為に傷はすぐに再構築しない。
 この隠れた傷は、自分がここに来る前、牢の管理者に渡されるまでの間につけられたものだろう。
けだるそうに紅い眼がミハエルの動きを追う。能力を使えないが、血を飲まされているデイブは今、吸血鬼だった。あどけない顔つきで じっとミハエルをみている。だが、デイブは甘え方をしらない。人に甘える変わりに、自分の殻に閉じこもってしまう。アルフレットと一緒にいた時は多少良くなったのだが、一人になるとまた元に戻ってしまった。
 あどけない表情はすぐに消え、いつもの無表情な顔に戻ってしまったデイブはミハエルから目を外した。
 「…デイブ、これからは飛び出すな」
 無反応
 「デイブにだけ負担をかけたくないんだ。誰も……限界 なんだ」
 「…血を飲め と?」
 「違う!そうじゃない デイブが能力を使わずに闘う方法が…」
 苦痛に顔を歪めながらデイブは体を起こし、ベットの縁に座る。上掛けに隠れて見えなかった下半身にも 多くの傷を隠した包帯と脱脂綿があった。手足につけられた鎖が音をたてる。
 「わかってる。俺がこれ以上、FORTH 10に負担をかければ周りがまいっちまう。  
  PSG-1が欲しい ありゃぁ連射が出来るし長い分役にたつ」
 ミハエルはデイブの眼を見た。表情のない獣の眼を見つめると、心の中を覗かれた様な感じがするのだが、だからこそミハエルはデイブに向き直ったのだ。
 「ああ、手配する」
 デイブが目をそらした。
 「…その方が俺も楽だ」
 気まずい空気が流れる。
 どちらとも視線を外したまま、無言の時が流れる。先に口を開いたのはミハエルだった。
 「悪い…」
 デイブが顔を上げた。
 「いや、自分で自分を止められないだけだ」
 ――右手を口に持って行き、牙でブツリと皮膚を裂く。ギリギリと指を噛み、顔をしかめた。口から指を放しても傷は再構築せず、血を流す。だが、まったく再構築しない訳ではなく、能力が使われているとわからない程度のスピードで、ゆっくりと再生していくのだ。
 ――そうやって自分を傷付けてまで 自分‐カンジョウ‐を殺してまで人間‐メイレイ‐に従う…
 「あんたが気にする事じゃないさ」
 身体がボロボロになっても 人間から血を吸わず、そのせいで ますます苦しみを大きくする…
 しかし、自分達にはデイブをボロボロにする方法でしか止め方を知らない…
 誰か、本当にデイブの心を開いてくれる者があらわらないかぎり、デイブはこのまま 人間という化け物に喰いつくされてしまうだろう。
 デイブをこの独房へ戻すことのない者……そんな人間がいるのだろうか…
 どうしてデイブをとめられないのか

 「―――デイブ
   俺達のエゴを許してくれ―――」


Fin.
















Past : Index : Will



Photo : Festina lente
Design : 素材らしきもの の館