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■ 初取材
普通に日々を送っていたら、この日記を更新する ことをすっかり忘れていました。
いかん。
僕は4月から記者という特殊な仕事をしているの ですが、先日やっと配属部署が決まりました。
「運動部」です。
告げられたときは、「え?」と思いました。 「社会部」とか「経済部」とかになるかと思って いたので。
僕は運動は大好きですが、運動関係の記事を 読んだり書いたりしたことはほとんどないので、 うまくやっていけるかどうか、とても不安ですよ。
来週で勤務についてからちょうど10日目になるの ですが、やっと仕事のペースが読めてきた感じです。
いまは内勤と呼ばれるデスクワークを主体に しているのですが、5月からはプロ野球を担当 することになっています。
しかも、巨人担当です。
先日、見学がてらに巨人戦に行き、初めて記者 席から試合を見させてもらったのですが、これが かなり興奮ものでした。
まず、試合前にグラウンドに下りて、選手と話が できたりするのです。(もちろん僕はまだできない けれど。)
スコアをつけながら試合を観戦し、その日は巨人が ヤクルトに勝ちました。
終わったとたん、先輩の記者が火がついたように 飛び上がって、グラウンドに向かっていきました。
僕も慌てて彼のあとを付いていきました。
選手がたくさんいるグラウンド上で、彼は僕に 言いました。
「オレは監督行くから、お前はキヨ行ってこい」
キヨ?と最初は思いましたが、何秒かしてようやく 清原だということを思い出しました。
でも、僕が清原に行くとは?取材??
わけもわからないまま、僕は清原選手を探し、彼の 周りに群がる記者の後ろにくっつきました。
彼はその日に2本のホームランを打っていたので、 ヒーローインタビューを受けていました。
彼のコメントをメモしようとしたとき、僕は紙を 持っていないことに気付きました。
慌ててポケットに手を突っ込むと、自分の名刺が 何枚か出てきたので、余白にカリカリとメモを 取っていきました。
清原選手の声は想像以上に小さく、僕は断片的な 言葉しかメモすることができませんでした。
あと、緊張で手も震えていました。
インタビューが終わると、記者たちは清原選手の あとをゾロゾロと追いかけ、その中の1人の人が 何か清原さんと話していました。(あとで聞いた のですが、彼は清原さんと仲がいいそうで、いつも 単独でコメントをとっているそうです。)
球団関係者以外入ることが出来ない場所まで 清原さんに付いて行ったのですが、結局全く声は 聞き取れず、僕はどうしていいかわからなくなって しまいました。
このままだと怒られる。
すると、記者たちが集まって、何か話し合っている のに気付きました。近づいてみると、「メモ合わせ」 と呼ばれるコメントの確認をしているところでした。
僕はその輪に入り、清原さんのコメントを次々にメモ していきました。その後、別のメモ合わせにも加わり、 小久保選手のコメントもゲットしました。
変なシステムだなぁ、と思いました。
各社が率先して、情報の共有をしている。 便利だけど、果たしてそれで競争していると言える のかな、と。
とにかく、僕は記者席に戻り、先輩に清原選手と 小久保選手のコメントを伝えました。
「お前、自分の名刺に書いたのか?バカだなぁ」 と言われました。確かに。
そしてそのコメントなどを元に先輩は数分で記事を 書き上げ、会社に送っていました。翌日の朝刊に 載せる記事です。
これが僕の初取材でした。 わけもわからないまま始まり、終わった初取材。
少なくとも1年間は、こうした取材が続きそうです。 来年の4月からは、地方に転勤になる可能性が 高い。
僕のキャリアはこうして始まりました。 先のことはまだわからないけど、自分の理想の 姿を現実にするために、日々精進して行きたいと 思います。
楽しい人生になればいいな。
2005年04月24日(日)
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