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■ 「スチームボーイ」
昨日の「4人の食卓」に続いて、今日も映画の話。
今日は「スチームボーイ」。
19世紀のロンドンを舞台に繰り広げられる物語。 科学とそれを扱う人間の葛藤といった、永遠の テーマを扱ったものだ。
一見の価値あるアニメーション映画だった。 そいでは感想を含めた意見をちょっと。
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人間は火を使うことを覚えて以来、科学を進化 させてきた。そしてそれは今のところ限界を見て はいない。
科学は人の生活を豊かにする。しかし一方で戦争の 兵器にもなる。むしろ近代では軍事兵器の進化が 人々の生活を豊かにしてしまっている面もある。
たとえば、米軍はユーゴを空爆した際、GPSという 装置を使い、誤爆率0.1%未満という驚異的な数値 をたたき出した。
みなさんご承知のとおり、このGPSというのは現在 カーナビや携帯に応用されている。
さて、どうだろう。
科学とは何のためにあるのか。
人を幸せにするためなのか。
それとも不幸にするためなのだろうか。
その両方か。
ただひとつ言えること。
それは、
科学は後戻りすることはないということ。
僕らが行き着く先は、天国が地獄か。
僕にはわからない。
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映画自体は「スチームボール」という高密度の 蒸気を凝縮させた玉っころをめぐるお話だ。
「AKIRA」の大友克洋監督。 主人公レイの声が鈴木杏というのがウリだった。
何が善で何が悪なのか、偏った表現をしない ところが、この人の特徴だと思う。
確かに、よく映画やアニメで使われるように、 「二項対立」ってのはまず物語にしやすいし受け手も 理解しやすいんだけど、現実の世界は二項対立 なんかで構成されているわけではない。
単なる善と悪じゃない。善の中の悪、悪の中の善。 善の中の悪の中の善。悪の中の善の中の悪。
いろいろなんです。
なんも考えなくても面白いと思える映画だし、 なんか考えても面白いと思える映画だと思った。
2004年10月21日(木)
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