DOTFAMILYの平和な日々
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2009年06月22日(月) コミュニティ・カレッジの危機

日本も不況らしいが、アメリカも不況である。予算カットは貧乏人の味方、コミュニティ・カレッジにも多大な影響を及ぼしている。まず、クラスの数がど〜んとカットされた。特に4年制大学に編入するための一般教養のクラスは半分位に減らされた。しかも、家の近くの州立大学が予算カットのために夏期講座を全てキャンセルした。すると、そこの学生がコミュニティ・カレッジに流れて来る。アメリカは(少なくともカリフォルニアは)一般教養はどこの大学で単位を取っても良いからである。そのため、益々クラスが取りにくくなる。

夏期講座に登録しようと思っても、自分が登録できる日にはもう一杯になっていて、入れない、という現象は以前からあったのだが、それが益々酷くなる。もちろん、優先権は既にコミュニティ・カレッジに登録している人にあるのだが、その人達ですら入ることが出来るクラスがないのである。するとどうするか?当日登録をするのである。コミュニティ・カレッジというのは、誰でも入れるだけあって、ドロップアウトする人も多い。働きながら通っている人が多いので登録したものの、仕事の都合で来れなくなったりすることもある。そこで、登録していても初日に来なかった人は自動的に落とされるので、空きが出来る場合が多いのだ。これまでだったら、大抵のクラスには当日登録で滑り込めたのだが、今後はそうも行かなくなるようだ。

愚息も登録出来なかった口である。で、初日に片っ端からクラスを回るつもりで早朝に出かけていった。幸い、二時間目、10時半からのクラスに入れたそうである。彼は既に登録している学生であるので、当日登録でも、他の大学の学生や新入生よりは優先権がある。が、愚息の友人で、近くの4年制州立大学に行っている子は、突然夏期講座がキャンセルされるは、コミュニティ・カレッジに登録する優先権はないはで、困っていた。もうこの際一般教養ならなんでも良い!ということで日本語のクラスを取ることにしたそうだ。日本語のクラスというのは比較的人気がない。この辺りはメキシコ系や中国系が多い。彼らは当然楽をしようと思って中国語やスペイン語を取る。日系だって楽しようと思って日本語を取るのだが、何しろ人数が少ない。全く日本語がわからない日系は結構いるのだが、彼らは何語をとっても同じだから、特に日本語にはこだわらない。というより、スペイン語や中国語を学んだ方が利用価値が高い。日本語を取るのは楽をしようと思っている日本語がわかる日系人とアニメおたくくらいである。

で、愚息の友人もJapanese 1という初級クラスに入ろうとした。実は愚息もこのクラスに入ったことがあった。が初日に日本語がしゃべれることがバレて、上のクラスに動かされた。おかげで楽勝単位を4単位も失った。日本語がわかるくせにJapanese 1を取るコツは、とにかく前半はひたすら黙っていることだそうだ。先生から日本語で何か話しかけられても、出来るだけ英語で返事をする。これは結構大変らしい。後は、日本語が全くわからない子と一緒に取ることらしい。で、その子と英語でしゃべりまくる。が、日本語がまったくわからないが日本語を学びたいという子はアニメおたくが多く、愚息の仲間とは気が合わない子が多い。(愚息のお友達は格闘おたくだもん。)という訳で、愚息は失敗したのだが、愚息の友人は、一人で頑張ったそうである。そこで、休み時間に、愚息がやはり日本語が話せる友人と一緒に、彼のクラスに押しかけ、彼に日本語で話しまくってみたそうである。「何言ってるのか全然わかりません。」と彼は必死で抵抗したらしい・・・その後、どうなったのかは知らない。

でも、そのクラスを追い出されても上のクラスに行かされるだけで、上のクラスはもっと空いているので、夏期講座が取れなくなるという心配は無いことだけは愚息の名誉のために書いておこう。自分が楽できなかったからお前も苦しめ!という感じですな。流石は朝日学園のお友達・・・朝日学園(文部省認定日本語学校)では、自分だけ辛い思いをするのが嫌なので、励ましあって(?)ドロップアウトさせまいとするのである。おかげで卒業しても絆は強い。しかも、読み書きは兎も角、日本語会話だけはちゃんと出来るようになる。


さて、来学期もこの調子でクラスの数は減ったままだそうである。というか多分益々少なくなるらしい。コミュニティ・カレッジと言えば、勉強が出来る/したいがお金が無い子達や、高校までは勉強なんて全くしなかったけど、これじゃいけない、今からでも頑張ってみよう、という人達に勉強する機会を与える素晴らしいシステムだと私は思っている。教育レベルは決して低くは無い(だからドロップアウトが多いのだけど)。私が通っているコミュニティ・カレッジのコンピュータ・セキュリティ・チームは、コンピュータ・セキュリティを争う大会で、カリフォルニアの有名な4年制大学をなぎ倒し、ダントツ一位になった位である。貧乏人や頭の悪い子人達が上に上がるチャンスが無くなっていくというのは実に悲しいことだ。もちろん、これはコミュニティ・カレッジに限られたことではない。州立大学だってUC系の大学だって、このままじゃ金持ちの子しか行けなくなるじゃないか!私立ならともかく、それはやはりマズイと思う。

大学進学だけが人生だとは思わない。学歴が大切だとも思わない。大学なんて行かなくっても全然構わないと思っている。が、大学で勉強したい人は、金が無くても頭が悪くても行けるような世の中であって欲しい。

ちなみに、私は夏休みと冬休みは稼ぎ時なので、お勉強はお休み。


2009年06月11日(木) それはそれはご親切に

私が通っている大学はコミュニティ・カレッジと言って州立の誰でも入れる大学である。授業料がとても安いので、ここで一般教養を取ってから4年制大学に編入する人が多いのだが、実用向きコースもある。私はその実用向きコースを取っている。編入コースだったら、もう単位は取り終わっているのだけど、4年制大学に編入する覚悟が出来ないので、取りあえず実用向きコースで卒業してしまおうという次第。

話は変わるが、編入コースの単位を取り終えると、色々な大学からお誘いがある。ハワイ州立大学とかコロンビア大学(私立)とかからも奨学金の申し込み案内とかが送られて来た・・・行かねぇって!

私はComputer Information Systemで取りあえず短大卒業資格を取ろうと思っている。専攻はC++プログラミングである。C++プロフェッショナル証明書は今学期頂けるのだが、これは証明書であって卒業証書ではない。卒業証書ということになると、「これ、関係ないんじゃない?」という科目まで取らなくてはならない。その一つにSystem Analysis and Designのゼミがある。ゼミというくらいだから普通の授業ではない。System Analysis and Desingのクラスを取った後に取るのだが、大学に登録する前に、教授に直接申し込んで承諾してもらわないと取れない。嫌いな科目なので、後に後にと伸ばして来たのだが、もう限界。という訳で、担当教授に申し込んでみた。

とても親切で、授業も分かりやすく、多分、この大学で取った中では一番良い教授だと思うのだが・・・なんか苦手なんだよね、あの人。

申し込むといっても、Eメールでお伺いをたてる訳だが、直ぐに返事が来た。説明会を行うので本日大学に来い、とのことであった・・・期末テストの真っ最中ですぜ、今!

でも、Windows Vistaのクラスは全然わからないが、テストは自分の家から受けるオープン・テキストだし、C++はテストに重点が置かれていないので(プロジェクト重視)、なんとかなるだろう、とお呼び出し通りに大学へ行ってきた。

来学期このゼミを取るのは私ともう一人中国系(台湾だけど)の男の子だけだった。説明と言っても、ゼミの説明が書いてあるウェブ・ページを読んで、質問があったらする、というだけだから、すぐに終わる。説明会というよりも、顔合わせだったようだ。教授との顔合わせではなく、学生同士の顔合わせ。

そもそも、このゼミは、会社が何かの目的があって新しいコンピュータ・システムを導入することになった時、システム構築、目的に合ったデータ・ベース、プログラムの作成を含め、調査、計画、実行、メインテナンスまでのサイクルを全てやってみる、シミュレーション・ゼミである。実際にやる場合は、これは当然一人の仕事ではないので、チームワークやコミュニケーションのスキルも要求される。という訳で、チームを組んでやるのだが、2人しかいないんだからチームというほどのものではないですな。それでも、話し合いながらプロジェクトを進めていかなくてはならない。で、顔合わせ。しかも、本来、最初からシステムを作り上げていくには、調査と計画だけで1年はかかるものを、18週間でやろうというのだから、無理がある。(定期的な授業をいうものはなく、段階を踏んで報告書が出来上がる度に教授にアポイントメントを取って発表するという形式で授業は進むらしい・・・つまり、教授がクライアントということですな。)私達2人が一つのプロジェクトを一緒にやる、と同意した時点で、プロジェクトを渡すから、夏休みの間にスタートしろ、という教授のご親切な計らいであったのだ。同意したらって・・・同意しなかったら出来ないじゃないか!

夏休みは私の稼ぎ時である。すでに仕事は始まっている。とてもじゃないが、勉強をやっている時間は無い。もう一人の子はというと・・・彼は台湾系二世だそうなのだが、夏休みは台湾で過ごすことになっているらしい。(親が台湾語を学ばせたいのだろう。)もちろん、最初の方はコミュニケーションはメールで充分なので、彼が台湾にいても特に問題はない。

「夏休みの間にスタートする?」
「するべきだよね。」
「うん、したい?」
「ううん。」
「新学期に入ってからにしようか。」
「うん。」
と、最初から実に気が合うパートナーであった。

さて、教授からは早速プロジェクトが送ってきた。夏休み中でも、大学で会うから、いつでも連絡をするように、というご親切なメールであった。

実に有難いことですが・・・新学期にお会いしましょう!


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