2002年03月31日(日) |
Lord of the Ring |
むかし,ふとした拍子に買った「指輪物語」は読み終えるのが大変だった.なんて長いんだ!とばかりおもった.読んだけど.第2部くらいにならないとはまらなかったけど,べつに熱狂的なファンではない.が.
映画の指輪物語の終わり方はあれでいいのか.どん(←机を叩いた音)
っていわれてもなあ.いまの日本の税制だって,総合課税を原則としてかかげたうえでの十元的所得課税だもんなあ.納税者番号制度を導入して,現在の税制を簡素化すれば自動的に二元的所得課税になるとおもうんだけどな.
総合研究棟から経済学部棟への引越し第一弾が終了した.気がつけば同級生に予備的貯蓄をやりだしたやつがいた……とおもったのは勘違いで,カールソンパーキン法で検索でもかけたにちがいない.ま,それはそれとして,机周りも落ち着いてきたことだし,ちゃんとしなくちゃ.予備的貯蓄もね.
お引越しの準備を始めなくちゃならない.水回りがあるわけじゃなし,そんなに大変なことにはならないとおもうけど,休日を使うのは必至の予定.
日本人の金融資産のうち,かなりの部分が預貯金として保有されているということはそれなりに知られた事実なんだろうと思うんだけど,1400兆円とかいう数字はある意味で簿価なんだろうなあとおもう.つぶれるかもしれない銀行での預金はすでに安全資産ではなく,リスクを評価すると名目額より小さくなる,という意味で.この意味で,郵便貯金はやっぱり安全資産ではないのだろうなあ,とおもっていた.郵便貯金は昨年度まではほとんど財政投融資につぎこまれていたわけで,投融資,というからには,すべてが安全資産であるわけではない.公的年金資産だって,その運用先が財政投融資であって,第三セクターの破綻などに鑑みれば,その資産が実際のところいくらくらいあるのかわかったものではない,とおもう.じゃあそれっていくらくらいなんだろう,ということを考えるヒトがやっぱり世の中にはいて,エラクなると手法まで考えちゃうわけで,財政投融資の不良債権額というのの推計のはなしを聞いてきた.その推計によれば,おおざっぱにいって財政投融資の不良債権額は200兆円,実際に焦げ付く比率を25%とすれば,貸し倒れ額は50兆円になるそうだ.国家の信用であつめた資金の焦げ付きは,当然税金でまかなわれるわけで,ということは,50兆円の国民負担がすでに発生しているということのようだ.ほほお.
しかし実際のところ,個人資産1400兆円は預けた側の統計なんだろうけど,当然,その裏には実物資産が1400兆円分なくてはならない.民間銀行の不良債権とか,こういう郵貯・財投関係の不良債権を考えると,「1400兆円もあるから大丈夫だ(←なにが?)」という主張は,とつぜんその根拠を失うような気がするのだが,そういう推計ってどうやるんだろう?
MCPFの推計をしました.「国税庁統計年報」の1981年,86年,91年,96年を借り出している人はぜひ貸してください.おもしろそうな結果が出つつあるのに,データがないので推計できないのです(泣).まあ,「本格的な推計作業の出発点となるいくつかの推計値」を出したに過ぎないから,えばれるもんじゃないけど.理論的におもしろいわけでもないし.いや,そんなこといっちゃいけないな.
NBERのメールマガジン(?)によると,Daron Acemoglu and James A. Robinson [2002] "Economic Backwardness in Political Perspective"という論文が出たそうだ.なんとなくおもしろそう.要約しか読んでないけど.こんなことなら,冬学期の講義でまじめにPersson and Tabellini (2000)を読めばよかったとおもう.
MCPFの推計の準備に追われる.ああう.手入力かよ.泣きそう. あんまり詳しいことは書けないのだが,某所で財政の話をしていたら,学生に「借り換えってなんですか?」と真顔で聞かれた.国債の「乗り換え」はちょっとわかりにくいかなあとおもったんだけど,「借り換え」を聞かれるとは予想外でしたじっさい.はあ.
上野の東京国立博物館で「横山大観−その心と芸術」という特別展をやっていたので,とくにやる気になることもないし,とおもって出かけた.いきなり行列ができていたのでおおいに見る気が失せたのだが,なかに入ってみると,「ほんとに入場制限してんの?」というくらい混んでいて,「生々流転」などは,間近で見るためには館内でさらに行列せねばならないという惨状で,「屈原」や「瀟湘八景」とかもしげしげと眺めるよゆうもなく,そこそこに退出してしまった.ううむ.なんなんだありゃ.不忍池の向かいの横山大観記念館はたいして混んでないと思うのだが.行ったことないけど.ま,しょうがないので,よこにあった特別展はパスして,銅鏡とかハニワとかをしげしげと見て帰った.それはそれでおもしろかった.しかし,常設展示もおもしろそうだ.これで,大学生130円は安い.東京に住んでてよかった.
上野へ出たついでに,アメ横で買い物をした.午前中にぼけーっとみていたテレビでアメ横のなんともいえない値引きぶりをみていたからなんだけど,案の定,とーっても安かった.8000円だか10000円だかの本マグロがなんと1000円.日曜日の夕方だからなんだろうか.家へ帰って量ってみたら600gもあった.たべれんちゅうねん.しかしまた買いに行ってばくばくたべたいところだ.
布甸楽園のプリンを食べた.JR東日本と山崎製パンとの共同開発だそうだ.ちょっと高いけどそれなりにおいしかった.むふふふふ.
をしました.午前中はでかけなきゃいけなくて,午後は家事やってぼけーっとしていたら一日が終わりました.うう.
2002年03月15日(金) |
Switching OTC |
大手町に午前中からおでかけして,尊敬するコンサルタントやエコノミストとお食事を取って,コーヒーなぞ飲んでいたら,大学院の同級生に会った.スーツぐらい買え.それはそれとして,お引越しについてかなり急転直下な解決を見たようで,とつぜん部屋割りを大きく考えなければならないことになってほんとに困ったものだ.これも学内政治の影響を受けているのだろうか? 被説明変数がないときの推定方法はよくまなぶけど,説明変数が観測できないばあいなんてよくしらないぞ.なんなんだ.サンプルを全部落としちゃえ.というのは駄目なのかねえ.
2002年03月14日(木) |
Exogenous switching or program evaluation |
図書館で「都道府県の基礎統計2001」というのを借りてみたのだが,県民経済計算がのっとらんじゃないか.こまるなあまったく.符号条件は合わないし. やっぱりこれからは,動的最適化と数値解析なのかねえ….
2002年03月13日(水) |
MCPF under Progressive tax system |
国税庁データや家計調査を使って,累進課税制度の下でのMCPFを計算しようと思って,ごぞごぞとExcelやStataをいじっていたら,限界税率が負,とか,控除が負,とかいうあきらかにへんちくりんな結果が続出してやる気を失う.先生に相談したら,「やっぱり,こういう集計データをちょっとブレイクダウンすると,うまくいかないのかもしれませんねえ」という結論に達した.まあ,うまくでればそれはそれでおもしろかったんですけど残念でしたね,ということだ.よくあることだうんうん.シミュレーションっぽいアプローチが必要かなあ.それより,データをリバイスするほうを急がなくっちゃ.
2002年03月12日(火) |
WFTC or ICC or ETC |
というわけで昨日の続き.イギリスの児童控除のはなしである.フリードマンの負の所得税の考え方を利用しているらしい.けど,この論文というかレポートは,さらに新しく導入されるICCについて検討を加えていて,これまでの制度がどういう影響を与えたかを検証しているわけではない.限界税率みたいなものを試算して,勤労意欲を阻害する可能性がある,とは言ってるけど.まあ,税制と労働供給というのは計算しにくいのよねえたぶん.どうしても,縁辺労働力(?)というか,配偶者控除と主婦の労働供給,というはなしになっちゃいがちで.
Brewer, Mike, Tom Clark, and Michal Myck [2001] "Credit where it's due? An assessment of the new tax credits", The Institute for Fiscal Studies Commentary 86 を読まなければならないのだが,なあんとなく進まない.しかし,このIFSというところは,財政関係のいろいろな研究をしていて,こういうのをシンクタンクというのであろうなあ,とおもう.こういうところに比べると,日本の「シンクタンク」って…である.べつにいいんだけど. 昨日の興奮冷めやらぬというところなのであるかなあ.日焼けしたし.
久しぶりの観戦,だとおもったが,よく考えてみると,常磐と山口はなんのかんのいって観戦でした.日光と愛知の印象が強すぎ.
団体戦で男女ともにウィニングランができない秒差の接戦になったのはかなりめずらしいところではないかとおもう.しかも両方とも最後のパブリックコントロールからの最後の10数分での逆転.シード選手のすごさ,というやつですかねえ.東京女子大もえらくなったもんだ.いやじっさい.
走ったひとも,運営したひとも,この日に向けて準備してきたすべてのひとにとって,素敵なインカレになったらいいなあとおもう.結果が出なかったり,失格になったりした選手も「こういうこともあるのが世の中さ」となればいいなあ.
みんながんばりました.えらいえらい.
Dahlby [1998] を読んで,図書館で使えそうなデータをいろいろ見てみた.「賃金センサス」や「毎勤統計」には賃金と労働時間が載っているが,企業側からのデータなので世帯が意思決定主体だとすると扱いにくい.「就業構造基本調査」には必要そうなデータはそろっているが,年報ベースだと回帰に使えるほどのデータが集まるかどうか疑問.所得階層別にデータがないところもイタイ.「家計調査」は収支については細かいデータがあるが,労働時間のデータがほとんどない.「国税庁統計年報書」や,「民間給与実態統計調査結果」をとりあえず借りてきて,データを打ち込んでいたら,なんとなんと,Web上で公開されていることが発覚.官庁をなめすぎてました.あーあ.
労働供給の弾力性については感度分析をするとすれば,家調か国税庁統計が使いやすいような気がするな.Dahlbyさんはカナダのどんなデータを使ったんだろう?
というが,のほほんとしていたらあっというまに日が過ぎる.やなこった. 内閣府に行ったあとに,とりあえず論文を読んだ.Dahlby, Bev [1998] “Progressive Taxation and the Social Marginal Cost of Public Funds” Journal of Public Economics, 67(1), 105-122 なのである.Snow and Warren [1996] は実はけっこう一般均衡的なモデルを組んでいたのだが,それを部分均衡っぽくして,累進労働所得税のもとでのMCPFの公式を提示している,というもの.税収の使い道などはさしあたって考慮していないし,労働供給の変化にともなう賃金率の変化も考えてはいないけど,まあそりゃ無視できるだろうきっと.Royの恒等式とか,スルツキー分解とかを駆使して,推計できるパラメタを使った式に変形していくというのはけっこう苦手なんだけどなあ…. ま,それはそれとして,これをつかった計算について,同じヒトの Dahlby, Bev [1994] "The Distortionary Effect of Rising Taxes" in Deficit Reduction: What Pain; What Gain? edited by R. Robson and W. Scarth, The C.D. Howe Institute, 44-72 というのがあって,ぜひ見たいのだが,残念ながら本屋で売ってる類のものではないらしいうえ,94年とちょと古いので,PDFで落っこちているわけでもない.残念.どうにか入手できないものか.図書館にもないようだ. というわけで,なんとなく眠いので,医療データの整理なんかしてみた.Stataはえらい.けど,変数の数に制約があるなんて知らんかったぞ.2000も変数を使うことなんてないとおもうけどさ.
税制,というのは,むかしはいちおー担当分野だったし,いまでも専攻領域に極めて近いので注意してみるようにはしているのだが(ほんとか?),最近,新聞で税の特集をやっているようだ.こういうひとの嘆き?にあまり与するつもりはないのだが,はなしがどうも自己中心的過ぎて,公共的な視野がかなり欠けているように思えてならない.これといった対案があるわけではないのでえらそうなことはいえないのだが.
ああいった新聞マスコミが税について書くときには,最近では経済活力を伸ばす税制,という言い方をすることが多いとおもう.所得税の最高税率が高い,法人税率の実効税率は低くなったけど他の国々が引き下げをしているなかでは相対的に高くなっている,株式関連の税金が高い,といったもの.どちらもたしかにウソではないのだろうとおもう.昨日あたりの記事によれば,また,記事の根拠が尊敬する先輩のものだったのでこれもほんとうだろうとおもうが,所得税の課税最低限もじつはそれほど国際的にみて高いものではない,ということだ.いっぽうで,財政赤字の累増についても警鐘が鳴らされているようだ.
さて,財政赤字を減らすということが必要だとすれば(少なくとも増やさないことは不可欠だろうが),支出を減らすか,収入を増やすしかない.もちろん,財政の効率化を通じて,同じ政策的効果を少ない支出で達成することは必要だが,おそらく,現在の日本の財政はそれだけで対処できる状況ではない.増税は不可避だ.その手法・時期などにはいくらも検討の余地があるが.ところで,所得税が高い(少なくとも低くはない),法人税も高い,となると,どこで増税せよというのだろうか?土地をはじめとする資産課税や,相続税の引き上げもこのましくないらしい.では消費税(付加価値税)なのか?あるいは支出税なのか?
支出税はその実行可能性が乏しいらしいというのをどこかで読んだ記憶がある.では,消費税(付加価値税)か?しかし,消費税は,実質的な所得を減らすから,単純に考えれば所得税とほぼ同じ効果を持つ.むしろ,逆進性を持つために公平性に望ましくないとさえされている.公平性が問題なんじゃないか,と思うかもしれないが,それは所得税の修正によって対処したほうがわかりやすいようにおもえる.課税最低限は引き下げませんが消費税は上げますよ,というのは所得税を引き上げるのと同じなのではないか?ひとりひとりの事情を勘案できる分,所得税のほうが望ましいのではないだろうか?もちろん捕捉の問題はあるから,所得税だけにする,というのは現実論として難しいだろうけど.
やっぱり,消費税を引き上げるしかないよなあ,というふうに世論を誘導しているのか?
あ,そうか.
所得は消費に比べて変動が激しい,というか,消費は平滑化される傾向が強い(マイクロな話)からか.累進課税制度で,年度の所得に課税するという方式を採っている限り,一度にどーんと稼ぐヒトのほうが,おんなじような所得を稼ぎ続けるヒトよりも,生涯所得が同じだとすれば,納める税金は高くなってしまう.これは不公平だが,消費を課税対象にすればこういう問題はかなり解決される.なるほど.能力主義(?)給与体系が浸透するなか,所得の変動が大きくなるヒトが多くなるから,累進課税制度のこういう問題点が大きくなってしまうのか.なるほどなあ.
って,そんなに深い話なのか? むむむ.
なんで消費税率がマイナスになるんだ?
建仁寺→ばんさいはせがわ→四条でうろうろ.茶道といえば大徳寺,なんだけど,お茶を伝えたのは栄西さんだったようだ.どんなおちゃだったんだろう.建仁寺の近く,というか,祇園の交差点のところに,楽焼の専門店があったんだけど,そこのご主人が「楽美術館に6000万で長次郎を売りましてなあ」とか,「裏千家のいえもとさんに1億3000万で売りましてなあ」とか「三笠宮さんに呼ばれまして…」などとひょいひょいというのでびっくりしてしまった.なんなんだいったい.ギャラリーフェイクか?(まさか) 特別公開ということで,等伯とか海北友松とか狩野派とかの絵をいろいろみたり,庭をいろいろみたりしたんだけど,ううん.いいなあ.とおもうけど,絵の区別はつかない.あたりまえだけど.背後のおはなしを見るほうがおもしろいなあ.
大徳寺芳春院→大仙院→高桐院→瑞峯院→京茶藝館→玉林院→今宮神社→楽美術館→ト一.芳春院でお茶を飲んだ.しかしよく出てくるなあ小堀遠州.大仙院は案内のおじさんがいたのだが,よくしゃべるし,わりと早足だし,そこらへんはあんまりすきにはなれなかったけど,説明はちゃんとしてくれた.でも住職の本を売ろうとするのはどうかとおもうぞ.高桐院はふだんから開いているせいか,あんまり混んでなくてぼけーっとできた.竹林と苔の風情がよいなあとおもう.細川家のお寺だそうだけど,細川護煕(おっ一発変換)もくるんだろうか?楽美術館は閉館直後だったので,門の前で所在なさそうにうろうろしていたら入れてくれた.いいひとだ.ト一はKansai Walker だかKansai一週間だかでみつけたんだけど,べつに京都料理屋でもなんでもない.京都料理とは高価なものと見つけたり.いやまったく.
京の冬の旅ということで,そうだ 京都 行こうとばかりに,ぷらっとこだまででかけた.得浄明院→知恩院→高台寺圓徳院→高台寺.知恩院三門の羅漢像とか,高台寺圓徳院の秀吉像とか,特別公開モノに弱いのでうろうろしていたら拝観料がえらくかかった.やるなあ京都.
Stataはやっぱりすごいなあ,とおもったりおもわなかったりなんだけど,マイクロデータの整理には強いようだ.テキスト固定長形式はちゃんと読み込んでくれる.しかもかなりカンタン.おそるべし.
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