シネマ*マシンガン
映画鑑賞言いたい放題覚え書き
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2005年05月20日(金) 【オーシャンズ12】嘘には嘘。

オーシャンズ11の続編というか、二本目の宿命的あらすじとして、前作の敵に脅され仕方なく第二の盗みを働く…っていうのは一応ありますが、基本的には「会話を楽しむ」映画になってます。
はっきりいって話そのものはグダグダですが、ヴァンサン・カッセル、キャサリン・ゼタ・ジョーンズが華やぎを加えてくれています。というかよかったのはこの新メンバーふたり、という印象。ヴァンサンカッセルおいしすぎー。

ジュリアロバーツまわりのエピソードについては笑えません。あんなん映画館で見たら金返せと言いたくなるわ。こんなことのためにブルースウィリスが出たのがまた腹立たしい。

話そのものも、最終的に一番大きな嘘で締めくくるっていうのはつまらないです。続編のジンクスを打ち破るものではなかった。辛めの点をつけたいです。


2005年05月10日(火) 【LOST IN TRANSLATION】泣き出したい

ソフィア・コッポラ監督第二作。前作同様、独特の空気感が漂う映像がわるくない。
まるで純文学の、文体の微細な手触りや言い回し、センテンスの差し出され方を味わうように見るのがいい作品。あらすじにしてしまえば三行で終わるが、実際見てもらわないことには、その感触をうまく言葉に置換することができない。

舞台は東京だが、外国映画の中での日本の扱われ方としてはかなり現代的なのでは。どうしても日本という国はイメージで捉えられすぎている。未だにハラキリ芸者フジヤマではなあ。(キルビルは監督のエキゾチック趣味(あくまで趣味)から極端な描かれ方がしていたが、特に)。イメージの域を出た、もう一歩つっこんだ映像が捉えられていたように思う。
そういう映像がおもしろいのかといえば、実はたいしておもしろくない。東京が特におもしろい、絵になる都市ではないのだから。それはそうとして、ストレンジャーが彷徨う街としての舞台装置を十全に果たしていると感じた。

新宿という街については、特によく描けていると感心した。ラストシーンが西新宿だったのはとても心憎い。スカーレット・ヨハンソンが泣き出したのを見て、胸のつかえがとれたような気がした。東京は世界一泣き出したくなる街なんだと思う。シャーロットもボブ・ハリスも、涙袋に刺せる針を持たない。
そんなこころもとない人間の寄り集まった場所として選ばれたのが新宿なら納得、の一本です。


佐藤りえ |MAILHomePage

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