シネマ*マシンガン
映画鑑賞言いたい放題覚え書き
DiaryINDEXpastwill


2005年03月03日(木) 【トーク・トゥ・ハー】正常と異常の間に降る雨

ともに愛する女性が昏睡状態に陥ってしまった男性ふたりの物語。ひとりは交通事故によって4年間意識の戻らない、バレリーナを目指すうら若き女性。彼女を愛する男は介護士の資格を持ち、4年間献身的な介護を続けてきた。もうひとりは競技中の事故で病院にかつぎこまれたばかりの女闘牛士。恋人である男性は失意のうちに、かけつけた元カレを見て、彼女との関わりを断ち切ろうとする。意識のない女性に語りかける介護士と関わるうちに、男性は「語りかける」ことをしなかった自分を悔いたり悩んだり。ふたりの女性の生死がわかれ、やがてふたりの男性にも転機が訪れるが…。

一方通行の愛とか理解するって何だとか、純粋な愛情って何だとかいろいろ考えてしまう映画ですが、誰が正しくて誰が間違っていたかを当てるのはこの話を感受するにあたってあまり「当たり」の方法ではないかもしれません。
後半、電話で話しながらふたりの男性はお互いの窓から雨を見ています。このシーンが劇中もっとも心に残りました。饒舌だった介護士は、この時はじめて自分は孤独だったと打ち明けるのです。異常とされた彼の行為とは何だったのか。彼を見捨てることのできない闘牛士の恋人は、物語の最後にどんな言葉を「彼女」に語りかけるのだろうか。うーん気になる。


2005年03月01日(火) 【キッチン・ストーリー】おやじとおやじの素敵な関係

'50年代にノルウェーで実際に行われたという「独身男性の台所での行動パターン調査」をヒントに生まれたという映画。家事の効率化を図るべく、独身男性の生活動線をつぶさに観察、記録する仕事に就いたのもオッサンなら、観察されるのもオッサン。95分間のうち女性が登場するシーンは1割あるかないかという、フケ専にはたまらない作品です。

気心知れるまでのやりとりも幼稚なら、親しくなった調査員と調査対象に(なぜか)嫉妬してしまう友人(これもオッサン)も幼稚というか一途というか。細かい突っ込みどころを探す気を起こさせない、童話めいたストーリーながらどこか孤独な味わいが醸し出されてくる小品。男同士(くどいようですがオッサン)がトイメンでもなく、並んで、誕生日ケーキをつついてほほえんでる姿を見るのがこんなうれしいとは思わなかった。ともすればどろっとした愛憎に傾きかねない内容をさらりとまとめてあり、好感を持ちました。


佐藤りえ |MAILHomePage

My追加