シネマ*マシンガン
映画鑑賞言いたい放題覚え書き DiaryINDEX|past|will
2004年01月21日(水) |
【顔】地上最強の生物 |
某殺人逃亡犯の女性から発想を得た話。妹を殺したいけてない女性が逃亡し ながらさまざまな人と出逢い、さまざまな生死と関わりながらも逃げ抜く姿 を追う。藤山直美マンセー。「こんな役をさせるなんて!」という意見も時 々見かけますがいやいやこれは彼女だからできる役どころと思われ。
主人公・正子が逃亡する先々で少しずつたくましくなっていく過程がおもし ろいといったらあれなんですが不思議とリアルな感じが出ていました。土壇 場で少しずつ何かを克服していくのがまったくヘンテコですがいいです。自 転車に乗れるようになったり、泳げるようになったり。監督はどんづまりの 女を「地上最強の生物」として恐れているんじゃないかなんてことも思った りしました。そしてそれは案外当たっているとも思う。
大楠道代(バーママ)、岸部一徳(ラブホ店長)はいい味出てました。岸部 一徳とは『ゲロッパ!』で夫婦役やってますね>藤山直美。
2004年01月20日(火) |
【クリムゾン・リバー】紅の谷は謎だらけ |
※ネタバレ注意!
山あいの街で起こった猟奇殺人を追うふたりの刑事はたいへんいい感じなの ですが、謎がすっきり解決されずに終わってるような気が…。なぜあんな発 見できないかもしれない場所に死体を隠すのか?とか、惨殺しなければなら ないのか?とか。 映像は奥行きのある感じでよかったです。映像はフランスっぽくて脚本がア メリカっぽかったのだろうか(^^;ヴァンサンカッセルの好演がうまく話 に生きてなくて残念でした。
やはり最大の謎は犯人がなぜ双児?ってことにつきるかな。いやいいんです けど双児でも。ただまったく伏線なかったのでは。あったとしてもわかりに くすぎ。メインテーマは大きくてタイトルともあってていいんですけどね、 話が大掴みだったかなあ。やってることが最終的にはあまり生産的ではない と思えてしまうのもなんだかなあ。村人さらってきても、あまり意味ないの では…?
2004年01月19日(月) |
【ギルバート・グレイプ】呪縛が根に変わる時 |
アメリカ中西部の寒村で、知恵遅れの弟と肥満で身動きがとれない母親の面 倒を見る青年。ある来訪者との出会いから自分の人生を見つめ直す、という 地味な話。しかし丹念なエピソードの積み重ねと美しい映像、音楽に支えら れてグッとくる「ある一家の物語」に仕上がっている。
主役のジョニー・デップももちろん、主人公の複雑な心境を微妙に、巧みに 演じきっているけれどやはりレオナルド・ディカプリオはすごかったなあと ちょっと感心。この後の出演作品を凌ぐ演技だったのでは?(しかしこれ、 もう10年以上前の作品なんですね)
主人公にとって家や家族は呪縛でしかなかったのだけど、それが自分の根幹 でもあることに気づいたのが唯一の救いだったかなあ。 家族鑑賞に耐える近年稀な作品。
2004年01月16日(金) |
【SNATCH】かっぱらったのはそいつだ! |
SNATCHはひったくるとかかっぱらうとかそういう意味だそうです。 最初は登場人物が多くて(しかもその説明も超スピーディで)誰が誰やらと とまどうのですが、次第にそのテンポに慣らされていく感じ。 展開がどうも漫画チックでおもしろい。漫画っぽいのがお好きな方にはいい かも。銃火器やらナイフやらがばんばん出てきますが残酷描写はけっこうマ イルドで、血や内臓が苦手な方にもいいかもしれない。
ストーリーは都合よすぎな点も否めないけれど、後半はテンポのよさで一気 に見せます。賭けボクシングの元締め(名前が覚えきれない)の薄気味悪い 存在感が印象深い。というか、ほぼ全員が「悪役」。みんなもうけを狙って いる奴らなのになにか憎めなく描かれている点が珍しく魅力になっている作 品。ブラッド・ピットの成分はこれぐらいがちょうどいいんじゃないかと個 人的には思います。 結局誰が得をしたんでしょうねえ。
気の利いた冗談が好きな方へのお薦め度 ★★★
2004年01月15日(木) |
【イル・ポスティーノ】詩を生きる |
実在の詩人、パブレ・ネルーダの実話をベースに作られた物語。 イタリア、ナポリ沖の小さな島に、チリから亡命してきた高名な詩人パブロ・ネルーダが 滞在することになった。ネルーダ専門の郵便配達夫になったマリオはいつしか詩人とうちと け、かすかな交流が始まる。 マリオの結婚後がこの映画の本領ともいうべき部分かと思う。フィリップ・ノワレ演ずるマ リオはついに詩を書くことはなかったけれど、詩を生きたともいうべき後半の表情が素晴ら しい。
撮影後まもなく亡くなったというマッシモ・トロイージの渋い演技もにくい。静かに沁み てくる作品。
なんか疲れちゃったひとへのお薦め度 ★★★★
2004年01月03日(土) |
【Cyber Heads】びっくりした。 |
実はこの作品、日本では劇場公開されてません。地上波の深夜放送で偶然見た。 とある悪の組織が開発した新型核兵器、それは人!ショッカーなみの技術を駆使して 人間の内部に超小型の核爆弾を搭載し、遠隔操作で起爆スイッチを入れるといか入れ ないとか、いちどスイッチが入ったら止める回路はないんだとかで、その爆弾男を愛 するヒロイン(必須要素だね)と爆弾男が、組織と対決するという筋書きなのです。 が、どーもその恐怖をあおる部分は限りなくローテクで、ひたすら組織(セット)の 中で死闘を繰り広げたり、組織の強化人間ナンバー2やナンバー3とぽかすか殴り合っ たり、なんていうか危機感がない。
爆弾男はとにかくスイッチ押されちゃったんでもう助かる見込みゼロ。この人が主人 公じゃないの?一緒に死ぬわ、という恋人をヘリで逃がして無事(?)爆破、えーと その、核爆弾じゃなかったんですか?そんな近くにいたら被爆するのでは?
そしてヒロインも結局まったく報われません。いったい何がしたかったんだ…。 役者さんが真面目に熱演しているだけに、どうしたんだ!と声をかけたくなる一本です。
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