水野の図書室
Diary目次|過去を読む|未来を読む
皆さま体調に気を付けて今日も良い一日でありますように。
「1冊の本の後ろには100冊の本がある」と言われるように、 本は書き手も読み手も読書歴が大きく関わってきます。 たくさんの本を読んでいることで、書き手が伝えたいことを読み手は汲み取れる力がつくのです。 それは読書の楽しさに直結して、心に響く物語になるんですね。 厳しい言い方をすれば、読書の楽しさは自分次第。 たくさん本を読むほど、物語の世界を飛べる翼は大きく強く、時に繊細になります。
北村薫『解釈』は、「遠い唇」(角川文庫)の四番目のお話。 これまでと少し雰囲気が変わって、とってもユーモラスでお茶目なお話。
『走れメロス』『人間失格』『蛇を踏む』『吾輩は猫である』 ─これらの本がどんなふうに解釈されるのか、 エッ!という場面転換が唐突すぎて、置いて行かれそうになりました。
挿画がいいですねぇ〜和田誠さんでした。
2020年02月13日(木) |
北村薫『パトラッシュ』 |
北村薫の短編集「遠い唇」(角川文庫)の三話目は『パトラッシュ』。 パトラッシュといったら、アニメ「フランダースの犬」に登場するセント・バーナード犬の名前。 少年ネロの「パトラッシュ…」に続くセリフが反射的に出てきますが、そのパトラッシュのことかしら? と思ったら、はい、そのパトラッシュをイメージさせる大きな背中の男の人と 同居する女の人のお話です。
謎解きにもいろいろあるんですねぇ。 ふたりの暮らしの中の、ちょっとした謎解き。
帰宅したときにお風呂場で感じた違和感からの推理はお見事。
ふたりの出会いの頃の描写もいい感じ。
とても短いお話なのに、心温まりました。 ほのぼの。
|