水野の図書室
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2018年08月06日(月) |
荻原浩『月の上の観覧車』 |
荻原浩の短編集「月の上の観覧車」(新潮文庫)の八番目で表題作『月の上の観覧車』を読み終えました。 これが最後の物語。一番心に沁みます。
夜の観覧車にひとり乗るのは、このリゾート施設の社長。 ゴンドラが昇っていくなかで、これまでの人生を振り返ります。 家族のこと、仕事のこと、青春時代の夢。
そして、月の光が観覧車を包むとき 出会う一瞬の奇跡。
神秘的な月光と非日常の観覧車という組み合わせが、とても印象的です。 絵画のような美しい情景をよびます。
人生に二周目があればいいのに。 そんなふうに、後ろ髪を引かれる思いで、過ぎていくのが人生なのです。 悔やんでも、過去に戻ることはできません。
新しい明日が、やってくるのです。
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