水野の図書室
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皆さま体調に気を付けて今日も良い一日でありますように。
胡瓜(きゅうり)の馬とは、お盆のときに仏壇にお供えする精霊馬(しょうりょううま)のこと。 胡瓜で作った馬と一緒に、茄子の牛も置きます。 馬と牛はご先祖様の乗り物。 足の速い馬で来てもらい、帰りは、ゆっくり戻ってもらうために牛なのだそうです。
荻原浩『胡瓜の馬』── お盆の帰省を象徴するようなタイトルですね。 お盆休みに妻子を家に残して、ひとり故郷に帰省する主人公。 40歳を越えて、人生を振り返りたくなる時期に、高3のクラスの同窓会の案内が届けば、思い出さずにはいられないことがあります。
故郷の駅。 懐かしい空と山。 幼なじみの女の子との思い出があふれてきます。 もし、あのとき、連絡が取れたならと考えても、あの日には戻れない。
人生は一度きり。 もしもは、ないのです。
2018年07月25日(水) |
荻原浩『ゴミ屋敷モノクローム』 |
先日、名古屋の「ゴミ屋敷」に強制執行が行われ物品撤去というニュースがあった。 テレビニュースで見た、その家は悲惨な状態で、よくまぁこんなになるまで……と驚き、せつなくなった。 『ゴミ屋敷モノクローム』を読んだばかりだった。
荻原浩『ゴミ屋敷モノクローム』は、苦情を受けた市の生活環境課の職員が、ゴミに埋もれた家を訪れるところから始まる。 家の中の様子と老婆の受け答えが妙に生々しい。
撤去の日。 ゴミが取り除かれていく。 徐々にあきらかになっていく本来の家の姿。 そこには喜びに満ちていたはずの思い出があった。
家の中は、こころの中でもある。
スッキリ片付けられるのは、幸せなことなのです。
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