死んだ人のせいで思い煩うのは、 死んだ人をののしるのと似て、 あさはかなまちがいが多いのであろうか。 死んだ人は生きている者に道徳を強いはしない。
『千羽鶴』川端康成
現実のほかにどこに真実があるかと問うことなかれ。 真実はやがて現実となるのである。
『目に見えないもの』湯川秀樹
苦痛を共にした家庭は、安息の快楽を共にする事が出来る。
『胡頽子』伊藤左千夫
人間はな、 人生という砥石でごしごしこすられなくちゃ、 光るようにならないんだ。
『路傍の石』山本有三
使い捨てされる前に、 捨てるべきものはわたしから捨ててやる。
『唇の飢餓』落合恵子
人を使おうと思えば、 自分があまりものを知っていてはいけない。
(山下亀三郎/実業家)
経験ばかりにたよるのは、消化力を考えずに食物ばかりにたよるものである。同時に又、経験を徒らにしない能力ばかりにたよるのも、やはり食物を考えずに消化力ばかりにたよるものである。
『侏儒の言葉』芥川龍之介
満足した豚であるよりは不満足な人間である方がよく、 満足した愚か者であるよりは不満足なソクラテスである方がよい。
(ジョン・スチュアート・ミル)
人間の人間たる価値は、 敗北に直面していかにふるまうかにかかっている。 敗北とは、決して屈服ではないのだ。
『誰がために鐘は鳴る』ヘミングウェイ
男と交際のない女は、だんだん色あせる。 女と交際のない男は、だんだん馬鹿になる。
『手帖』チェーホフ
私にとって絵を描くということは、 誠実に生きたいと願う心の祈りであろう。 謙虚であれ。素朴であれ。 独善と偏執を棄てよ、と泉はいう。
『泉に聴く』東山魁夷
結婚は雪景色のようなものである。 初めはきれいだが、 やがて雪解けしてぬかるみができる。
『夫婦げんか』山本有三
人生のすべてのドアをノックするのは不可能だとしても、 自分の窓を開けておくことはできる。 僕の知らない僕を、みんなが見つけてくれるから。
(ジョン・カビラ)
誰だって、 ほんとうにいいことをしたら、 いちばん幸せなんだねぇ。
『銀河鉄道の夜』宮沢賢治
粗暴さとは、弱者による強さの模倣品である。
(エリック・ホッファー)
本当に幸せになる人は、 どのようにして奉仕するかを探し求め、 そしてそれを発見した人だけだ。 われわれは何かを得る事によって生活しているが、 人生は与えることによって豊になる。
(アルバート・シュバイツァー)
妻たちは決してその良人のためには化粧しない。
(萩原朔太郎)
私も青春のことを懐かしみ、若い人を羨むことがあるが、 しかし、もう一度若くなって世の中を渡ってこなければならぬと思うと、 何よりも先に煩わしい思いがする。
(正宗白鳥)
冒険で死んではいけない。 生きて戻ってくるのが、絶対、何よりの前提である。 冒険とは生きて帰ることなんです。
(植村直己)
男の性格の半分は、女からの影響だ。
(正宗白鳥)
愛というのは、 執着という醜いものにつけた 仮の美しい嘘の呼び名かと、 私はよく思います。
『変容』伊藤整
知識を与うるよりも感銘を与えよ。 感銘せしむるよりも実践せしめよ。
『文芸と教育』坪内逍遙
親であるということは一つの重要な職業だ。 しかし今だかつて、子供のために、 この職業の適性検査が行われたことはない。
(バーナード・ショウ)
はじめは人が習慣を作り、 それから習慣が人を作る。
(ドライデン)
天才とは、蝶を追っていつのまにか山頂に登っている少年である。
(ジョン・スタインベック)
若いときに苦い水を飲まなかったやつは、肥立ちが悪いよ。
(山本有三)
いつも「できない、できない」とか「無理だ、無理だ」と思ったり、言ったりしている人には、当然のように障害が現われ、結果としては「やはりダメだった」ということになるのである。
しかし、どんなに窮地に追い込まれていても、いつも「是非したい」とか「できる、できる、絶対できる」と思ったり、言ったりしている人には、そのうち、「願望の磁石」が自然と出来上がり、やがて障害は消え、援助者が現われ、ついには本当にできてしまうことになるのである。
(謝世輝/東海大学教授)
古名画は、みな技とともに心を持っていたもので、 「絵はどこまでも心で描く」 ということを忘れてはならぬと思います。 富士を描くことは、 富士にうつる自分の心を描くことだと思います。
(横山大観/日本画家)
幸福には、明日という日はありません。 昨日という日もありません。 幸福は、過去のことを記憶してもいなければ、 将来のことも考えません。 幸福には、現在があるだけです。 今日という日ではなく、 ただいまのこの瞬間があるだけです。
(ツルゲーネフ)
その動機は善なりや、私心なかりしか。
(稲盛和夫)
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