ひとりカーニバル
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猪鍋味噌仕立て、スキヤキ風、焼肉と順調に食べ続けているが、冷凍庫に未だ使いきれぬ猪肉が入っている。
そして先日、今度は鹿肉がもらわれてきた。
冷凍庫には猪肉、鹿肉、豚肉、鶏肉。野性味あふれる我が家の食物庫。このような機会はめったにないので、新たなメニューに挑戦することにした。
それは、猪カレー。
前の日記で「猪鍋かつカレー」が、盆と正月がワッショイワッショイとやってくるようだと書いたのだが、ひろりんという方が「猪カレーはどうか」と返してくれたのでそれはいいと思い、やってみた。
結論、うまい。
カレーのスパイス独特のくさみを消し、噛むとホロリと身が離れる。これは…牛肉。そうだ、牛肉とそっくりだ。
我が家の食物庫にはない牛肉が突如現れたような感じ。ひょうたんから駒の心境だ。
親戚の葬式があった次の日、うちのお隣でも葬式があった。
近所の人は葬式の手伝いに繰り出し、公民館では炊き出しが行われた。その家族、親戚を中心に、関わった人達のお昼を用意するための炊き出し。
その中のメニューに、必ず入っている白菜の白和え。
白菜、ニンジン、山菜などが混ぜ込まれたそれは、味が大変まろやか。私が作るしっかりした味付けの白和えとはまた、全然違うまろやかさ。婦人方が作っているのだが、どこの家の味付けだろう。これを食べると、優しい気持ちになれるような気がする。
悲しみに暮れる時、精神的に圧力がかかる時。その時に口にするものは、少しでも皆の気持ちを和らげるものであって欲しい。その要員のひとつとして、白和えがあるのだと思う。
親戚に不幸があり、お通夜・葬式に出席するための準備でバタバタしていた。
香典を用意する時、父が新しい香典袋を取り出して、外装ビニールを歯で引きちぎり開けようとする。ギチギチ!
それを見ていた母が「汚い!」と袋を取り上げる。
汚いと言われ、ガックリとうなだれる父。しかもその外装ビニールは、裏にちゃんと開ける場所があった。
指摘されて、二重にうなだれる父。
飼い猫の定期検診に、動物病院へ行った。
待合室の一画に置かれた机の上には、ペットグッズの冊子や、病気のことが書かれているパンフレットなどが置いてある。その中にあった、「あなたのペットを主人公に、絵本が作れます!」という触れ込みの商品の見本。
写真とコメントを送れば、絵本に仕立ててくれるというメモリアル商品だ。犬と猫と二冊見本があり、猫のを手にとって開いてみる。パラパラとページをめっくていると、こんなコメントが。
「きゃんたま、とれちゃった」
とれちゃったんだ…。見ると、エリザベスカーラーをつけた猫の写真。術後、患畜が患部を触らないように首周りにつけるやつだ。
去勢されたのか…。
一冊5千円ちょっとということもあり、流す程度に見ていたが、絵本侮りがたし。雄の去勢とはそういうことなのだという現実がゴゴゴと迫ってくる。
だいぶ前に、確か郵便局が企画した“何年後かの未来の自分に向けた手紙を送ろう”というのあっただろう。
10年後の自分に向けて、何かメッセージを送るとしたら。あなたは何を送るだろうか。
今日、白菜の一夜漬けを漬けた。
白菜・にんじん・ゆずの皮の千切りを、塩こんぶと浅漬けの素をふりかけて、ザックザックとまんべんなく混ぜ合わせる。少ししんなりしたら、容器に入れて重しをかける。一晩ねかして出来上がる、私の好物のひとつだ。
バリバリもしゃもしゃと、食べ出すと止まらない白菜の一夜漬け。漬物を漬けるという作業は、後の楽しみを作る作業でもある。
10年後の自分へのメッセージは思い浮かばないが、明日の自分へメッセージを送る。
「白菜の一夜漬けが食べれるよ」
今年もゆず風呂の季節がやってきた。
黄色い果実がぷかりぷかりと湯に浮いているのを見ていると、昔読んだ童話を思い出す。カニの親子が川の中で、泡を吹きながら(死んでいるのではない)川に落ちてきた果実を…とかそんな感じの話。
断片しか覚えていないので、あれは本当にカニだったか、それともザリガニだったか…などと思いながら、ゆずを手にとって風呂の時間を過ごす。
童話を思い出したことで、童心に返ってゆずでお手玉をする。4つぐらい回したいところだが、2つまでしかできない。仕方がないので片手に2つずつ、合計4つ持ったところでなんとなく満足。
童心に返ったとか言って、妥協することで心の平穏を保とうとする大人のズルさは忘れない。
2005年12月03日(土) |
ふたりのビッグショー |
晩飯が、カレーライスと猪鍋だった。二大スターが共演してしまった、という感じ。
しかも、猪鍋はスキヤキ仕立て。少々クセのある猪肉だが、砂糖・醤油・酒という調味料と野菜のエキスにもまれて、しっかりスキヤキの具の一員としてできあがっている。
本来ならカレーライスならそれメインで、猪鍋ならそれメインで集中して食べたいところだが、仕事から帰ってきてフラフラとあるものを皿によそったらこうなったのだ。
カレーライスをがつがつと食べながら、ゴボウと猪肉をつまんで食べる。ご飯が欲しくなる味だ。カレーライスは大きめのじゃがいもがいい感じで、おかわりをしたいくらい食べたいし、スキヤキ味の猪鍋はいっそタマゴでとじて丼にして食べてしまいたい。でも、そんなに食べられない。幸せがいっぺんにきても、丸ごと受け取れるようには出来ていない。
二大スターが共演してしまうとギャラも相当かかる恐れがあるが、幸い猪肉は戴きモノ。それぞれに使った野菜の半分以上は自家製だし、カレーの肉は豚バラだ。
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