ひとりカーニバル
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2002年01月31日(木) |
ヒッチハイクの落とし穴 |
車で学校付近の道にさしかかった時、高校生がヒッチハイクしているのを見かけた。
授業も終わって生徒がわらわらと帰る中、学校を出てすぐのあたり。親指をびっと立て、明らかに車をつかまえようとしている男子二人組み。いつもの帰り道、変わりばえのない日常に彼らは自らカツをいれ、アドベンチャーを求め始めた。いつもの通学方法で帰れよおまいら。
しかも彼らは車を選んでいるようで、サインを出したり出さなかったりしている。前の方を走るでかいワゴン車にはサインを出さない。それは載せてくれそうなドライバーを見ているのか、それとも恥じらいなのか。今更感。
などと思っていると、わたしの走らせるシビックに向かってサインを出し始めたではないか。おいおい……命知らずな。彼らはわたしの運転技術が、人を乗せたとき、一層負の方向へ加速し始めるのを知らない。それを物語る、シビック後部のへこみ。
とりあえず、後ろ向きで彼らに近づいていきたい。
うち付近の道は通学路でして、小学生が 「や〜〜い、ブタゴリラ」 「うるさい焼肉のたれ!」 とののしり合っているのを耳にしました。
キテレツ大百科の“ジャイアン”的存在である「ブタゴリラ」は、その言葉のインパクトさゆえ、ののしり言葉として使われたのでしょう。ブタとゴリラのかけあわせは確かにごっついです。
しかし「焼肉のたれ」とは。
こういうののしり合いの場合、相手になんらかのダメージを与えると思われる言葉を投げかけるのが普通でしょう。「お前のか〜ちゃん、で〜べ〜そ〜」という有名なあのフレーズも、そうして生まれたものです。
「自分の母親が!」「でべそ…!」子どもにとってはショッキングであろうそのフレーズは、 けして「お前のと〜ちゃん、、、」に変わることなく時代を超えて語り継がれてきました。父ちゃん蚊帳の外。
さて、話がそれました。
では「焼肉のたれ」に潜む攻撃性とはどのようなものか?ということでありますが、実はこのフレーズが放たれる前。その小学生たちは男女入り混じっての、激しいののしり合いを繰り広げていたようでした。
「ターーーコ!」 「うるさいハーーーゲ!」
子どもとは残酷であります。「タコ」はよく使われるののしり言葉の一つですが、どこかおちゃめなイメージさえあります。しかし一を言われたら二を返す小学生。「タコ」がオブラートに「ハゲ」を包み込んでいるのに対し、「ハゲ」は動かしようもなく「ハゲ」であり、それをつきつけられた小学生はどうすればいいというのでしょうか。
一人の男の子が「バーーーカ」と言うと、 二人の女の子がハモって「バーーーーカ!!」と倍返し。
くやしくなって「あほーーー」と男の子ひとりが返すと、女の子、今度は三人がかり。まず一人「あほーーー!」言っといて、その後二人「あほーーー!!」とハモります。
これはイジメでしょうか。
そんなやりとりは止まることなく続き、悪意があるというよりはみんな、反射的に“やられたらやり返す”ということを延々と繰り返しているようでした。仲良いからこそやれる一種の遊び。でなければわざわざ一緒に下校しないって。
しかしその中で、ひとりフツフツと怒りが湧き上がっているているものがいた。名をエバラ君としておこう。最初は軽くやっていたものの、やったらやり返されるという勢いにのまれ、次第に本気になってきたエバラ君。『あーーっ、今ブタゴリラって言われたー!くそ〜〜、言い返してやる!それも含めて更におつりがくるぐらいの、悪いことを言ってやる〜、色々集めてー!』そしてとうとう、怒りMAX!
「うるさい焼肉のたれ!」
彼からとっさに出た言葉は、確かに色々ミックスされていた。にんにく、しょうゆ、etc.ゴマだって入ってたかもしれない。でも攻撃性は、本人が予想もしていなかったほどに少なく、むしろ意外な方向に進もうとしていた。
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