私的正論。

2003年02月20日(木) それでも死んじゃダメだ。

生きているからこそ良いことがある。

生きていればいつか良いことがあるかもしれない。
しかし死んでしまえばそこで終わる。

生まれて来たのは生きるためだ。
生きているからこそ全ての生き物には価値がある。

死ねば忘れられるだけだ。
誰もが忘れていく。
忘れないと誓った人間も全て死に、そして誰もが忘れていく。

生きているからこそ意味があるんだよ。

生きている今だからこそ意味がある。




死者に価値がないとは言わないが、その価値はあくまで残された人間だけのもので。
死者には、やはり「今」は無いんだよ。

だから死んじゃダメだ。

どれほど罪深いと感じる時でも。
どれほど自分に価値なぞないと感じる時でも。

死を選ぶな。

生まれて来たことにだけ集中すればいい。
生きているからには全てを選ぶことが出来るのだと。

希望と共に挫折や落胆を手にすることになったにせよ。
それは「無」ではない。

確かに手にした、何かではあるだろう。



俺は魂を冥土に引かれながら生きている。
俺はいつも俺の影の。
生まれて来なかった命を感じながら生きている。

だからこそ死んだらダメなのだと生きている。



誰かが俺に価値を与えてくれたから生きているわけじゃない。
生きるために生きている。

だから明日死んでもいい。
その時ゃ、まあ精いっぱいやったと笑って死んで行けるだろう。

生きるってことは、まあ苦しいことだし、清々もする。
それほど見返りも多く無いのが人生。


けど、それでも死んじゃダメなのは。
明日届くかもしれない贈り物のためじゃ無ェんだよ。



そこに居なければ会わなかった人たちが居る。
ここに居なければ会わなかった人も。

それを喜ぶ。
ありがとう。

そして。それはそれとして、だ。
まだ見ぬ誰かに会うために明日まで歯ァ食いしばって生きるちゅうんも。
俺にとっちゃ、間違いだ。


何のために生きるかってことすらオーダーメイド。
苦しいのは自由だからで。


なあ。楽そうに息してる連中とおんなじような目に。
あんたはなりたいか。


俺はなりたくない。

だから冥土に魂を引かれながらも。

今日も今日とて生きているというわけなんだよ。



2003年02月04日(火) 見出されないことを嘆くなよ。

死んでないよ。

さて。

この年になると、いい加減友人どももこなれてくる。
みんないい感じで生きている。
彼らと話すと、たまに、こういう話になる。
俺は私は早熟でなくて良かった、というような話だ。

いっぱしにクリエイターなぞ気取りたい人種ていうのは。
往々にして若い頃から負けん気ばかり強ェもんで。
自分より若いか自分と同じぐらいの人間が脚光を浴びると。
悔しい。

けど。

この年になって飲んで。
じゃあお前新人賞のひとつも欲しかったかよと話すと。
みんな首を横に振って、いらねえいらねえ、と笑うよ。


見出されなかったからこそ今があるから。
下積みの貧乏で知り合った男や女やツレが居るから。
早熟の才なんてもんは要らねかった。

欲しくは無かった。
どのみち無かったしな、とは笑うが。

人生に負けちゃぁいない。
いつも、いい酒だ。



なあ。

見出されないことを嘆くなよ。

あんたの先の十年には宝物がイッパイで。
そいつを台無しにされたくなかったら。

見出されることをこそ怖れろよ。





長く生きてると。ミジメってのも。
いい風合い。

悔しさも。
かみしめて酒のツマミに出来るようにもなったりヨ。
するから。


中途半端にあんたの才を見出し。
あんたを消費しようとする世の中のほうにこそ気を付けろ。

その先の十年の方に絶対に。


あんたにしか見えないもんが、詰まってるから。

くさるなよ。



ダイジョウブ。

生きてるから。


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桜木



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