五行日記
ガム



 バイバイ世界。

今年最初に掲げた目標は結局

何一つ達成することが出来なかった。

だけど沢山の新しいことに挑戦出来た。

目標は来年に持ち越して、挑戦は続けよう。

とりあえず少しの休息を挟んだら。

2005年12月31日(土)



 お家に帰ろう。

何年か前からそう感じるようになった。

独りのクリスマスより独りの正月の方が淋しい。

普段あまり帰ろうと思わない実家に

帰りたいと思う理由はただそれだけ。

なんか、こう、歳取ったかなって。

2005年12月30日(金)



 百薬の長。

鼻と喉の奥に感じていた違和感が、ようやく消え去った。

風邪をひいたなんてことになったら

何を言われるか分からないような職場だから

自分でも風邪だと認めず、みんなにもバレずに乗り切った。

毎日あれだけ飲んでよくまぁ治せたなって感心してみたり。

2005年12月29日(木)



 トゥーレイトショー。

ずっと立ち止まったままだった彼が、

この時期に来てようやく歩き始めた。

止まったままなら噂だけでも独り歩きさせるところだった。

彼はもっと適正に評価されるべきだと思った。

そう、今の彼は過大評価され過ぎている。

2005年12月28日(水)



 間違いなく間違い。

自分が全て正しいとは思わないけど

放っておくことは間違いなく間違いだと思った。

早い段階でそれを確認できていたのに

確信に至るまで時間を掛けすぎたかもしれない。

これ以上遅らせられないから僕はその禁忌を破った。

2005年12月27日(火)



 小さな約束。

ごく小さな約束が、もっと大事な何かを見失わせる。

か細い小指のような彼女のその名前が、

まるで指切りをするように記憶の引き金に絡まった。

そして、躊躇いもなく放たれた弾丸は、

僕の米噛みを撃ち抜いて、大事な何かを壊してしまった。

2005年12月26日(月)



 サカナヲサカナニクリスマス。

正直鶏はもういい。しばらくは食べなくていい。

そんなこんなで今日は魚。

子持ちはたはたを焼いて刺身の盛り合わせ。

今日こそ休肝日にと決めていたのに、それでまた一杯。

いかん、飲み過ぎ。明日こそは…。

2005年12月25日(日)



 トリヲサカナニ。

積もり積もった数日分の雪を掻いて買い出しへ。

流石にクリスマスだけあって様々なチキンが並んでる。

「鶏は昨日喰ったし…。」なんて思いながらも

雰囲気飲まれてつい手が伸びてしまった。

今日こそ休肝日にと決めていたのに、それでまた一杯。

2005年12月24日(土)



 諦め反省会。

また少し…かなり喋りすぎたかなって独り反省会。

自分の性格については分かってるつもりだけど

いつもこうだからある程度諦めてる節がある。

そんなんじゃ反省にならないけど

みんなの笑顔がアクセルを踏み込ませるんだよね。

2005年12月23日(金)



 受け入れ、受け止めること。

トラウマという言葉はあまり使いたくないけど

心の痛みとはなかなか上手く付き合えない。

久々に会った車椅子の後輩は相変わらず明るかった。

受け入れること、受け止めること。

彼なら何か知ってるような気がした。

2005年12月22日(木)



 インディゴブルー。

青は藍より出でると言う。

僕の青は愛より出でる。

少し色褪せた青を感じつつ、

今、新しい青が出でる愛はない。

いっそ全ての色が失われてしまえばいい。

2005年12月21日(水)



 光の中の後悔。

フラッシュを焚きながら何枚も写真を撮られているような

激しい光に何度も襲われるここ最近の僕。

楽しい出来事も思い出に変われば何故こうも辛くなる。

このままだとまたいつかの後悔の人。

考えることより感じることの強さを改めて実感。

2005年12月20日(火)



 飽食ニュース。

悲しいニュースならもう食べ飽きた。

どこに居ても、どこへ行っても、

振る舞われるのは後味の悪いそれ。

食べたくなくても無理矢理詰め込まれるからウンザリ。

嬉しいニュースなら、いくらでも食べられるのに。

2005年12月19日(月)



 ノイズのボーダー。

家にいるときはほとんど音楽を聴かない。

『ながら』で聴けるはずの音楽なのに何でだろう。

今日聴いたものと言えば雪を運ぶ風の音と

降り積もった雪を押し売りする除雪車の音。

心地よいノイズなら音楽のひとつなんだけど。

2005年12月18日(日)



 屋根の下の高い山。

機嫌の悪い空のせいでどこにも行く気がしない。

尤も、どこかへ行く予定は何も無いのだけれど。

出不精を決め込んだとたん何もかもが面倒くさくなる。

溜まった洗濯物も食器も日々の課題も山積みなのに。

ブラウン管に映ってる自分が情けなく感じた。

2005年12月17日(土)



 幸せな死について。

亡くなった著名人や殺された子供たちを

テレビで観ながらぼんやりと考える。

幸せな死なんて存在するのだろうかと。

残された者が悲しむなら、幸せとは言えない気がするし、

歓迎されるほど憎まれて死ぬのも、違うような気がするし。

2005年12月16日(金)



 凡庸右左。

誰にしたって右は右で、左は左。

ただ、そこに辿り着くまでの道のりは人それぞれ。

距離も違えば順路も違う。

辿り着けない人や途中で立ち止まる人もいるだろう。

右は右で、左は左。僕にしたって同じことだ。

2005年12月15日(木)



 はなうたららら。

融雪剤を撒いた道路の雪がさらら。

色とりどりの屋根から垂れ下がるつらら。

童話の挿し絵のような世界の中にぽつん。

雲の切れ間からのぞく夜空に星がきらら。

思わずアッパーな鼻歌がららら。

2005年12月14日(水)



 ウインタータイム。

職場行きのバスは早すぎるか遅すぎる。

丁度いい時間のバスがないから歩いて出勤。

約3キロの雪道を足の裏で鷲掴みにしながら歩く。

未除雪の歩道は一本道で先頭が遅いと後が詰まる。

列の最後尾で「集団登校みたいだな」って。

2005年12月13日(火)



 ペンより強く。

少しくたびれた喩え話と血気盛んな抑論。

剣より強いペンを振りかざすだけで

戦わないヤツらが何を言う。

ペンを振り下ろして刺し違える勇気も持たずに

そこに居るだけなら貴方達は必要ない。

2005年12月12日(月)



 低気圧男。

冬型の気圧配置が続いてるとは言え

僕の周りだけ極端に気圧が低いんじゃないかと感じるくらい

気持ちの沸点がどんどん下がっている。

チョットしたことでイライラしたり怒ったり。

でも本当に些細なことなんだろうかと疑ってみたり。

2005年12月11日(日)



 連続だるま。

今日も明日も予報はずっと雪。

タイヤを替えてない僕は何処へも行けず、

アパートで風と雪をじっと遣り過ごす。

このまま雪が溶けなかったらどうなるんだろう。

春までここで膝を抱えるのも悪くないけど。

2005年12月10日(土)



 妥協のマーブル。

上から、下から。右から、左から。

押し寄せる色を防ぎ切れず、ただ、飲み込まれる。

溶け出して、混ざり合って、元の色を忘れる。

誰の色が入り込んで、僕の色は何処へ行ったのか。

もうこのくらいにして、染めきれない妥協の色。

2005年12月09日(金)



 届かない声。

何馬鹿なこと言ってんだよ。

道路特定財源の一般財源化?

特定財源が不要なら暫定税率を引き下げるか

税そのものを廃止してしまえよ。

それが筋ってもんだろうが。アホか。

2005年12月08日(木)



 30秒と5行。

毎年見たいとは思っていながら叶わなかったイベント。

CMフェスティバルを何年かぶりで見ることができた。

30秒という短い時間で伝えたいことを表現する手法は

限られた行数のこの日記にも参考になるものが少なくない。

ここにはもっとユーモアがあってもいいのかもしれない。

2005年12月07日(水)



 鳥肌ソング。

久しぶりに鳥肌が出るほどの曲と出会った。

正確に言えば出会ったのはずっと昔。

曲名を調べ上げ、ようやくCDを手に入れた。

先日スタジアムでも感じた人の声の力強さ。

聴いてるだけで力がわき上がるのを感じる。

2005年12月06日(火)



 黄昏ツリー。

そんなつもりはないんだろうけど

出窓や庭先に飾られたクリスマスツリーに

どういう訳か少なからず悪意を感じてしまう。

それを見て走るまではいかなくても

早足になってしまう師走の黄昏。

2005年12月05日(月)



 昨日と今日とヘソ曲がり。

昨日食べ損ねたラーメンを今日も食べたいとは思わない。

今日はもう別のものが食べたいんだ。

同様に昨日欲しかった返事は今日求めてるものとは違う。

気持ちは真っ直ぐ前を向こうとしてるのに

曲がったヘソがそれを許してくれない。

2005年12月04日(日)



 大きな白鳥の中で。

荒れに荒れた今季のJリーグを象徴するような最終節。

新潟と浦和の試合をビッグスワンで観戦した。

天候、会場、プレー、応援など、様々な熱を感じ、

寒さや熱さに何度と無く鳥肌を立てた。

ある意味歴史を目撃し、少しだけ特別な日になった。

2005年12月03日(土)



 刺激を受ける旅がらす。

初めて乗る新幹線で初めての街へ行った。

想像以上だったもの、想像以下だったもの、

想像すらしなかったもの、想像できなかったもの。

漫然と日々を過ごしていては得られない刺激を受け

ここにはない五臓六腑が疼くのを覚えた。

2005年12月02日(金)



 夢は見るもんじゃない。

夢は買うもんだろって、小さな夢を買った。

今日、3,000円で買った300円の夢は、

一ヶ月後、どれだけ大きな夢になっているだろう。

そんなに期待してる訳じゃないけど、

この程度の夢なら見たってバチは当たらないだろうよ。

2005年12月01日(木)
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