五行日記
ガム
■
■
■
■
■
■
感情の雫。
大きく口を開けて胸一杯に息を吸う。
わだかまりのようにうねる『あくび』をするために。
ため息よりもゆっくりと吐く息は
感情のない涙を伴って世界をぼやけさせる。
そこに感情を一滴垂らしたら、どんな波紋が広がるのだろう。
2005年06月30日(木)
■
■
■
■
■
■
8時15分の真奈美。
その時間、彼女はいつも決まってそこでバスを待つ。
名前も行き先も知らない彼女に、僕は勝手に名前を付けた。
そして彼女の生い立ちについて、あれこれと想像してみた。
様々な物語がそこにはあって、職場に着くまでそれは続く。
僕的朝の連続テレビ小説。主人公は紛れもなく彼女だ。
2005年06月29日(水)
■
■
■
■
■
■
焼肉シュノーケル。
肉の日には1日早いけど有志で焼肉を食べた。
なんだかんだ言っても仲間で囲むテーブルは楽しい。
少し自分を解放してふざけてみる。歌ってみる。
息苦しさを感じ始めていた環境に小休止。
明日からまた深く潜ることができそうだ。
2005年06月28日(火)
■
■
■
■
■
■
ミルフィーユ・ライフ。
未来を食いつぶして今を生きる。
将来の後悔まで飲み込んだらもう怖いものはない。
守るべきものも置き去りにしたら一瞬にして過去のもの。
甘い考えという名のクリームを挟んで
積み重ねてきた辛酸が絶妙なバランスを保つ。
2005年06月27日(月)
■
■
■
■
■
■
跳躍のための準備。
ブラインドから差し込む光で目が覚めた。
いつも同じようにやってくる朝なのに
目覚めるときに思うことは様々だ。
湿っぽい空気がまとわりついたように体が重い。
昨日の帰り際の会話が胸の中で暴れ回ってる。
2005年06月26日(日)
■
■
■
■
■
■
あとひと味。
大根、牛蒡、人参、玉葱。
有り合わせの野菜で作った根菜スープ。
まあまあの出来だけど、何かあとひと味足りない気がした。
それが何かは分からずに最後まで飲みきったけど、
そんなふうな物足りなさは毎日のように感じている。
2005年06月25日(土)
■
■
■
■
■
■
晴れたらいいね。
2〜3日出張しただけで机の上が書類で山積み。
ため息で全て吹き飛んでくれたらいいのにって。
でももし本当にそうなったら却って大変だなって。
何だかよく分からないこと考えてるな。
明日天気になれ。せめて頭の中だけでも。
2005年06月24日(金)
■
■
■
■
■
■
ホームシックエイリアン。
こんなとこ住むとこじゃないと思った。
こんなとこで暮らせるほど強くないとも思った。
東京には来るたびそう思わせられる。
向かいに座った知らない誰かの背中を
色のない冷たい景色が流れていく。
2005年06月23日(木)
■
■
■
■
■
■
抱えきれない夜。
独りで食事するには、その店は余りに賑やか過ぎた。
急かされるように食べ物を口に運んだ。
慣れない街で自分の場所を見付けられずにいる。
満たされたような腹と、穴が空いたような胸。
抱えきれない思いが東京の夜に溢れた。
2005年06月22日(水)
■
■
■
■
■
■
旅で心の垢を落とす。
負荷のかかった筋肉が、
痛みを伴って一回り大きくなるように、
刺激を受けた心が、傷付きながら成長する。
そんな効果が旅にはあるようだ。
新陳代謝で剥げ落ちた心の垢が言葉になる。
2005年06月21日(火)
■
■
■
■
■
■
時々。
自分に求められているものは何だろう。
時々わからなくなる。
時々そんなことを考えて答えを出せずにいる。
考えないのが一番なのかもしれないけど
僕でいる以上どうしても考えてしまうことだ。
2005年06月20日(月)
■
■
■
■
■
■
太陽のせいじゃなく。
怖いくらいに天気がいい。
強い日差しに噴き出す汗。
当然のように焼ける額、首、腕、膝。
楽しんでもらえたのなら嬉しいけど
焼けた躰以上に心がヒリヒリしてる。
2005年06月19日(日)
■
■
■
■
■
■
今宵の月のように。
のどが渇いて近くのコンビニまで散歩。
夜の散歩には今ぐらいの気温が丁度いいなと感じる。
帰り道でときどき顔を出す月を見上げながら電話をした。
近況報告、これからの予定、明日の約束。
よく分からない照れくささがドキドキ顔を出した。
2005年06月18日(土)
■
■
■
■
■
■
賞賛の嵐。
足りないと思っていたリスペクトを手に入れた試合。
試合後は相手チームの監督からも握手を求められた。
「今日のゲームは全部君にやられたよ」と。
勝つことはできなかったけどゴールは許さなかった。
全てのシュートを弾いた掌に勝ち点1をしっかりと握った。
2005年06月17日(金)
■
■
■
■
■
■
我慢のとき。
仕事関係の飲み会で上司から指摘される。
「お前、短気だろ?」って。
こっちに来てからおくびにも出してないつもりだったけど
時々表情に表れるらしい。
我慢我慢。今はまだ我慢のとき。
2005年06月16日(木)
■
■
■
■
■
■
シングルライフ。
独りの部屋に戻ってシングルCDを聴く。
シングルのスーツを脱いでリラックスする。
買い置きのトイレットペーパーもシングルだ。
シングルベッドに仰向けになって明日を考える。
嗚呼なんて素晴らしいシングルライフ。
2005年06月15日(水)
■
■
■
■
■
■
あばたもえくぼも。
確かにね、その時はそうだったよ。
その時は、そのあばたがえくぼに見えてたんだ。
でも今は違う。えくぼだってあばたに見えるんだ。
いや。正確に言えば、あばたもえくぼも見えない。
興味がないから何も見えてこないんだ。
2005年06月14日(火)
■
■
■
■
■
■
数字の迷路。
「無理はするなよ」って言葉だけで手伝ってはくれない。
時間どおりに帰るみんなを尻目に数字の迷路に入り込む。
出口を探しながら、ふと前任者のことを考えた。
こんなことが続いたからいなくなったのかもしれない。
出口が見えてきたけど、もう少しここにいよう。
2005年06月13日(月)
■
■
■
■
■
■
空に掲げる勲章。
試合毎に1本ずつ増えていく突き指。
無失点に抑えた試合はそれが勲章になる。
箸が巧く使えないことを除けば問題はない。
雨に打たれて熱も下がった。
雲の向こうの青空が見えた気がした。
2005年06月12日(日)
■
■
■
■
■
■
熱が下がってからにしよう。
「きっといい人が現れるよ」と何の慰めにもならない言葉。
その言葉をくれた彼女も十分にいい人だけど。
そうなんだ。いい人は現れるけど、いい人は僕を選ばない。
その彼女を遊びに誘ってみたけどやっぱり空振り。
んー。今考えるのは止めよう。余計に熱が上がりそうだ。
2005年06月11日(土)
■
■
■
■
■
■
何かの病気かもね。
喉が痛いわけでも、鼻が詰まるわけでもなく、
ただ昨日からなんだか体がだるい。
計ったら38℃の熱。だるいわけだ。
そういえばもう2週間続いてる腹痛はこの伏線だったのか。
医者に行くのはある意味怖いし、何より面倒で。
2005年06月10日(金)
■
■
■
■
■
■
雲運ぶ微風、想い零す微熱。
今僕が見上げているこの雲が形を変えることなく
遠く離れた君のもとまで流れていけばいいと思うように
今僕が抱いているこの想いが誤解を受けることなく
実は近くにいる君に伝わってくれたらいいなと思う。
少し熱っぽかった頭の隅から零れた想い。
2005年06月09日(木)
■
■
■
■
■
■
雲雀風船。
ときどき糸が切れた風船みたいに
ふわーっとどこかに飛んでいってしまいそうな自分がいる。
そこに留まりたいと思う気持ちとの綱引き。
宙ぶらりんの僕は空を舞う雲雀と同じ目線で考える。
彼らは何を見て何を訴えのるか、なんてことを漠然と。
2005年06月08日(水)
■
■
■
■
■
■
呟きを閉じこめろ。
心の隅っこにある日の当たらない場所。
そのジメジメとした場所にそいつは住んでる。
そいつは僕にしか聞こえないような声で
僕が口にできないような酷く汚い言葉を呟く。
誰かに聞かれたらどうすんだって何故か僕が緊張する。
2005年06月07日(火)
■
■
■
■
■
■
チーム1の葛藤と憂鬱。
さっきと同じ、指先に感触を残してネットを揺らすボール。
煮えくりかえるような悔しさが毛穴から吹き出す。
触ったのに止められなかったこと、3点とられたこと、
チーム1の走力とスタミナがあるのにキーパーをしてること、
頑張れば頑張るほど馴染んでしまうこと。
2005年06月06日(月)
■
■
■
■
■
■
君のいる場所。
少し大袈裟に言えば、作りかけのジグソーパズルに
別のパズルのピースをぶちまけたような混乱。
僕は誰を想って、誰を想い続けるのか。
窓の外、パソコン、携帯、時計を何度も繰り返し見る。
辿り着いたのは一冊の絵本。
2005年06月05日(日)
■
■
■
■
■
■
繋がり。
楽しかった昨日と今日を振り返る。
久しぶりに会った仲間たちと初めて会う人たち。
こういうのが繋がりになって僕らは大きくなる。
時にこんがらがりそうになるその繋がりに
期待したり不安になったり。
2005年06月04日(土)
■
■
■
■
■
■
指定席。
こまちの隣の座席に座った人が誰であるか、僕は知らない。
アパートの隣人がどんな人であるかも同様に。
他人とはある程度の距離を保っていたいと思うけど
隣にいてくれる人も必要かなとも思える。
僕の隣の指定席は誰のために用意すればいいんだろう。
2005年06月03日(金)
■
■
■
■
■
■
鉄橋の先の世界。
いつもはその橋の上から眺めるこまちに乗って
逆にその橋を見ようとするけど生憎座席は反対側。
普段見ることのない鉄橋の向こう側に目をやる。
子供の頃に冒険をした堤防も少し小さく感じたけど
そこに入りさえしなければあの時の世界のまま。
2005年06月02日(木)
■
■
■
■
■
■
クールビズ?
衣替えを忘れて昨日までの僕のまま。
ネクタイを外すだけでもだいぶ違うんだろうけど
絶対に外さないなんて意味のない意地を張る。
あと何日かで冷房に凍える日々が続くかと思うと
今から寒気がしてしょうがない。
2005年06月01日(水)
≪
≫
初日
最新
目次
MAIL
HOME
My追加